洋書に出てくる英語表現0192:drive someone up the wall【おすすめ英語フレーズ編172】

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「洋書に出てくる英語表現」の第192回は、英語学習や英会話に役立つ【おすすめ英語フレーズ編】の第172回として「drive someone up the wall」を取りあげます。

目次
  1. Drive someone up the wallの意味と由来
  2. Drive someone up the wallの英語による定義
  3. 洋書におけるdrive someone up the wallの出現頻度
  4. Drive someone up the wallの年代分布
  5. Drive someone up the wallの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1:STEVE JOBS: THE BIOGRAPHY (2011)(邦題『スティーブ・ジョブズ』、ウォルター・アイザックソン = 著)より
    2. 実例2:”Surely You’re Joking, Mr. Feynman”: Adventures of a Curious Character (1985)(邦題『ご冗談でしょう、ファインマンさん—ノーベル賞物理学者の自伝〈1・2〉』、リチャード P. ファインマン = 著)より
    3. 実例3:HARRY POTTER and The Order of the Phoenix (2003)(邦題『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 J.K.ローリング = 著)より
    4. 実例4:Harry Potter and the Deathly Hallows (2007)(邦題『ハリー・ポッターと死の秘宝』、J.K.ローリング = 著)より
    5. 実例5:The Long Walk (1979)(邦題『死のロングウォーク』、スティーヴン・キング = 著)より
    6. 実例6:Rebel: The Life and Legend of James Dean (1996)(邦題『ジェームズ・ディーン:反逆児、その生涯と伝説』、ドナルド・スポト = 著)より
    7. 実例7:Catch Me If You Can (1980)(邦題『世界をだました男』、フランク・アバネイル、スタン・レディング = 著)より
    8. 実例8:Honeymoon to Nowhere (1972)(日本語原著『ゼロの蜜月』、高木彬光 = 著)より
  7. Drive someone up the wallのまとめ

Drive someone up the wallの意味と由来

直訳すると、「人を壁に登らせる」となります。

この表現は「(人を)ひどく苛立たせる」を意味するのですが、残念ながらその正確な由来は定かではありません。

諸説ある中で比較的納得の行くものとしては、独房に閉じ込められたアルコールや薬物依存症の患者に由来するという説があります。禁断症状を来した依存症患者が何とか独房を脱出しようと「ひどく苛立って」壁をよじ登るというわけです。

また、二人の人間が鍵のかかった部屋に閉じ込められていて、一方の人がもう一方の人をひどく苛立たせる様子に由来するという説もあります。その部屋は鍵がかかっていて外に出ることができませんので、ひどく苛立った人は行き場がなく壁を登るよりほかなくなるというわけです。

いずれの説であれ、この表現は頭がおかしくなって壁を登り始めるくらい「(人を)ひどく苛立たせる」ことを意味していて、日本語では「(人を)ひどく苛立たせる」のほか、「カンカンに怒らせる」や「頭にくる」、「鼻持ちならない」、「(人を)大いに悩ませる」などと訳されます。

Drive someone up the wallの英語による定義

irritate or annoy someone greatly; make someone very angry

洋書におけるdrive someone up the wallの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Drive someone up the wallの年代分布

1972年 – 2013年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1972年発行の『Honeymoon to Nowhere(日本語原著:ゼロの蜜月)』(高木彬光 = 著)で、最も新しい洋書は2013年発行の『Disclosure: Military and Government Witnesses Reveal the Greatest Secrets in Modern History (邦題:ディスクロージャー — 軍と政府の証人たちにより暴露された現代史における最大の秘密)』(スティーブン・M・グリア = 著)でした。

Drive someone up the wallの出現パターン

使い方は非常に単純でひどく苛立たせる人や物事を主語にして、もっぱら

(人・物)drive someone up the wall

の形で出てきます。

例文を挙げると次のようになります。

例文192-1)
His arrogant attitude drives me up the wall.
彼の横柄な態度は頭に来ます。

洋書内の実例

drive someone up the wallのイメージ画像2です。

 

それでは、実際に洋書内にみられるdrive someone up the wallの使用例を紹介していきます。

実例1:STEVE JOBS: THE BIOGRAPHY (2011)(邦題『スティーブ・ジョブズ』、ウォルター・アイザックソン = 著)より

Well, this drove Debi up the wall. She didn’t understand why.
いやー、これにはデビも食ってかかってきたね。どうして、工場の床に食べ物を直接置いて食べなければならないんだって。

引用元:
(英語原著)Steve Jobs (2011) by Walter Isaacson; CHAPTER SEVENTEEN ICARUS What Goes Up …
(日本語版)『スティーブ・ジョブズ(I・II)』(ウォルター・アイザックソン = 著、井口耕二 = 訳)、講談社(2011/10-11);第17章(イカロス のぼりつめれば墜ちるだけ)より

アップルの製品や広告に「白」が多用されていることからも分かるように、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズには「白」、特に「ピュアホワイト」に対する強いこだわりがありました。

そのこだわりは、1980年代にアップルが最新鋭のマッキントッシュ工場を造った際にも、至るところに反映されることとなります。

そのひとつが工場の壁や床でした。ジョブズは工場の壁や床を白く塗らせただけでなく、工場に行った際には白い手袋をはめてほこりをチェックし、当時製造部門を担当していたデビ・コールマンという女性(上記引用文の「デビ」)に対しては、「工場の床に直接食べ物を置いて食事ができるくらいにすべきだ」と指示します。

こうした流れで出てくるのが上記引用文で、こうしたジョブズの指示が「デビ」をひどく苛立たせたことが「drive someone up the wall」を用いて表現されていて、ここでは「これにはデビも食ってかかってきた」と訳されています。

実例2:”Surely You’re Joking, Mr. Feynman”: Adventures of a Curious Character (1985)(邦題『ご冗談でしょう、ファインマンさん—ノーベル賞物理学者の自伝〈1・2〉』、リチャード P. ファインマン = 著)より

There were a lot of fools at that conference — pompous fools — and pompous fools drive me up the wall.
この会議には馬鹿どもが、しかももったいぶった馬鹿どもがうようよしていた。同じ馬鹿でも偉ぶった馬鹿ほど鼻持ちならないものはない

引用元:
(英語原著)”Surely You’re Joking, Mr. Feynman”: Adventures of a Curious Character (1985) by Richard Phillips Feynman, as told to Ralph Leighton, edited by Edward Hutchings; Part 5. The World of One Physicist; Is Electricity Fire?
(日本語版)『ご冗談でしょう、ファインマンさん—ノーベル賞物理学者の自伝〈1・2〉』(リチャード P. ファインマン = 著、大貫 昌子 = 訳)、岩波書店(1986/7);II巻・5(ある物理学者の世界)、「電気は火ですか?」より

【単語ノート】
pompous [pɑ’mpəs] = 偉そうな、尊大な

1965年に日本の朝永振一郎らとともにノーベル物理学賞を共同受賞したアメリカの物理学者、リチャード・P・ファインマンは、1950年代の初めごろに「平等の道徳性」なるテーマについて話し合いをするニューヨークの会議に招かれます。

その会議には様々な分野の専門家が参加していたのですが、議論は堂々巡りを繰り返すばかりでつかみどころがなく、誰一人として結論に達するものがなかったと言います。

上記引用文は、ファインマンがこの会議で出会った偉そうな専門家達について記載したもので、それらの専門家達がファインマンをひどく苛立たせたことが「drive someone up the wall」を用いて表現されていて、ここでは「鼻持ちならない」と訳されています。

実例3:HARRY POTTER and The Order of the Phoenix (2003)(邦題『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 J.K.ローリング = 著)より

Serve them right, he thought, why can’t they give it a rest . . . bickering all the time . . . it’s enough to drive anyone up the wall . . .
「いい気味だ……なんでやめられないんだ……いつも悪口を言い合って……あれじゃ、誰だって頭に来る…… 」

引用元:
(英語原著)HARRY POTTER and The Order of the Phoenix (2003) by J.K. ROWLING; CHAPTER TWELVE Professor Umbridge
(日本語版)『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(J.K.ローリング = 著、松岡 佑子 = 訳)、静山社(2004/9);第12章(アンブリッジ先生)より

【単語ノート】
serve someone right = 当然の報いを受ける、自業自得だ、いい気味だ
bicker = 言い争う

実例4:Harry Potter and the Deathly Hallows (2007)(邦題『ハリー・ポッターと死の秘宝』、J.K.ローリング = 著)より

Fred and George are driving Muriel up the wall, they’re still operating an Owl Order business out of her back room.
フレッドとジョージはミュリエルをかんかんに怒らせてるよ。おばさんの家の奥の部屋から『ふくろう通信販売』をまだ続けていてね。

引用元:
(英語原著)Harry Potter and the Deathly Hallows (2007) by J.K. Rowling; Chapter 25 – Shell Cottage
(日本語版)『ハリー・ポッターと死の秘宝』(J.K.ローリング = 著、松岡 佑子 = 訳)、静山社(2008/07);第25章(貝殻の家)より

実例5:The Long Walk (1979)(邦題『死のロングウォーク』、スティーヴン・キング = 著)より

That guy drives me up the wall,” Pearson said.
あいつ、ドタマに来る」ピアソンがいった。

“He’d be glad to hear it,” McVries said.
「それを聞いたら喜ぶぜ」とマクヴリーズ。

引用元:
(英語原著)The Long Walk (1979) by Stephen King (as Richard Bachman); PART TWO, Chapter 3
(日本語版)『死のロングウォーク』(スティーヴン・キング = 著、沼尻素子 = 訳)、扶桑社(1989/7);第二部・3より

実例6:Rebel: The Life and Legend of James Dean (1996)(邦題『ジェームズ・ディーン:反逆児、その生涯と伝説』、ドナルド・スポト = 著)より

“The little bastard would not learn the words, would not really try to give a performance, would not really rehearse. He drove us up the wall.
「あの野郎は台詞も覚えようとしないし、本気で演技をやろうって気が全然ないの。リハーサルもいいかげんだしね。彼のおかげでみんな大迷惑よ

引用元:
(英語原著)Rebel: The Life and Legend of James Dean (1996) by Donald Spoto; chapter seven
(日本語版)『ジェームズ・ディーン:反逆児、その生涯と伝説』(ドナルド・スポト = 著、永井喜久子 = 訳)、共同プレス(1997/10);7(〝背徳者〟)より

【単語ノート】
rehearse = リハーサルをする、下稽古をする

実例7:Catch Me If You Can (1980)(邦題『世界をだました男』、フランク・アバネイル、スタン・レディング = 著)より

I learned later that I was the first check swindler to use the routing numbers racket. It drove bankers up the wall.
あとで知ったが、数字でルートを操作する手口を使う小切手詐欺は、わたしが草分けだった。それは銀行家を大いに悩ませた

引用元:
(英語原著)Catch Me If You Can (1980) by Frank W. Abagnale, Jr. with Stan Redding; CHAPTER SEVEN How to Tour Europe on a Felony a Day
(日本語版)『世界をだました男』(フランク・アバネイル、スタン・レディング = 著、佐々田雅子 = 訳)、新潮社(2001/12);7(一日一罪でヨーロッパを旅行する方法)より

【単語ノート】
check = 小切手
swindler = 詐欺師、ペテン師
racket = 不正な手口、違法な商売

実例8:Honeymoon to Nowhere (1972)(日本語原著『ゼロの蜜月』、高木彬光 = 著)より

My man questioned his assistants, too, but all they could talk about was the work they were doing. They just about drove him up the wall . . .”
彼の助手たちに会って聞いた話でも、人間関係のことは、さっぱりわからず、専門的な話だけで、刑事は頭にきたそうです

引用元:
(英語版)Honeymoon to Nowhere (1972) by Akimitsu Takagi, translated by Sadako Mizuguchi; 14
(日本語原著)『ゼロの蜜月』(高木彬光 = 著)、光文社(1965);第十四章(検事を被告に)より

【単語ノート】
just about = ほぼ、ほとんど、もう少しで、

Drive someone up the wallのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

drive someone up the wall

drive someone up the wallのイメージ画像1です。

  • 由来:独房に閉じ込められて禁断症状を来したアルコールや薬物依存症の患者が「ひどく苛立って」独房の壁をよじ登る様子から(諸説あり)。
  • 意味:(人を)ひどく苛立たせる、カンカンに怒らせる、頭にくる
  • 英語による定義:irritate or annoy someone greatly; make someone very angry
  • 出現頻度:B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン:(人・物)drive someone up the wall
  • 例文
    His arrogant attitude drives me up the wall.
    彼の横柄な態度は頭に来ます。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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