洋書に出てくる英語表現0191:spill the beans【おすすめ英語フレーズ編171】

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「洋書に出てくる英語表現」の第191回は、英語学習や英会話に役立つ【おすすめ英語フレーズ編】の第171回として「spill the beans」を取りあげます。

目次
  1. Spill the beansの意味と由来
  2. Spill the beansの英語による定義
  3. 洋書におけるspill the beansの出現頻度
  4. Spill the beansの年代分布
  5. Spill the beansの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):Letters to a Young Gymnast (2004)(邦題『コマネチ 若きアスリートヘの手紙』、ナディア・コマネチ = 著)より
    2. 実例2(パターン1):Harry Potter and The Goblet of Fire (2000)(邦題『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』、J.K.ローリング = 著)より
    3. 実例3(パターン1):TOM CRUISE: AN UNAUTHORIZED BIOGRAPHY (2008)(邦題『トム・クルーズ 非公認伝記』、アンドリュー・モートン = 著)より
    4. 実例4(パターン1):Newcomer (2018)(日本語原著『新参者』、東野圭吾 = 著)より
    5. 実例5(パターン1):Virus: The Day of Resurrection (2012)(日本語原著『復活の日』、小松左京 = 著)より
    6. 実例6(パターン1):The Romanov Cross (2013)(邦題『ロマノフの十字架(上・下)』、ロバート・マセロ = 著)より
    7. 実例7(パターン2):The Case of the Sulky Girl (1933)(邦題『すねた娘』、E・S・ガードナー = 著)より
    8. 実例8(パターン2):OUT (2005)(日本語原著『アウト』、桐野夏生 = 著)より
    9. 実例9(パターン3):The Case of the Counterfeit Eye (1935)(邦題『義眼殺人事件』、E・S・ガードナー = 著)より
    10. 実例10(パターン3):The Bones of Odin (2011)(邦題『オーディンの遺骨:マット・ドレイクの冒険』、デヴィッド・リードビーター = 著)より
  7. Spill the beansのまとめ

Spill the beansの意味と由来

直訳すると、「豆をこぼす」となります。

この表現の由来についてはいくつか説があるのですが、最も有力なのは古代ギリシャで採用されていた投票方式に由来するという説です。その投票では、賛成票を投じる人は白色の豆を、反対票を投じる人は黒色の豆を容器に入れていきます。最終的に容器の中に入っている豆の数を集計して投票結果を公表するのは投票委員の仕事なのですが、時に投票者が豆を入れる際に誤って容器を倒してしまって、中に入っている豆をこぼしてしまうことがありました。

そのように豆をこぼしてしまうと投票結果が先に分かってしまうことから、「spill the beans」は「秘密を漏らす」を意味するフレーズとして広く使用されるようになりました。

このほか、食事の時間まで料理の内容を秘密にしておこうと考えていたものの、材料の豆をこぼしてしまったために豆料理であることがバレた話に由来するという説もあります。

いずれの説でもつい豆をこぼしてしまって意図せず秘密が漏れるわけですが、「spill the beans」は意図せず「うっかり」秘密を漏らしてしまう場合にしか使用されないというわけではなく、意図的に秘密を漏らす場合にもよく使用されます。

日本語では「秘密を漏らす」のほか、「秘密をばらす」や「秘密をぶちまける」などと訳されます。

Spill the beansの英語による定義

reveal a secret (intentionally or unintentionally)

洋書におけるspill the beansの出現頻度

AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Spill the beansの年代分布

1932年 – 2019年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1932年発行の『The Tragedy of X(邦題:Xの悲劇)』(エラリイ・クイーン = 著)で、最も新しい洋書は2019年発行の『The Miracles of the Namiya General Store(日本語原著:ナミヤ雑貨店の奇蹟)』(東野圭吾 = 著)でした。

Spill the beansの出現パターン

spill the beansの出現パターンは主に以下の3つに分類することができます。

パターン1:spill the beans(基本型・最頻出パターン)
パターン2:get someone to spill the beans
パターン3:the beansを主語に持ってくるもの

パターン1は「spill the beans」の形で使用する基本型で例文を挙げると次のようになります。

例文191-1)
All our efforts went up in smoke, because John spilled the beans.
ジョンが秘密を漏らしてしまったため、私たちの努力はすべて無駄になりました。

「go up in smoke」については、以下の記事で詳しく解説しています。

例文191-2)
It’s a secret. Don’t spill the beans to anyone.
秘密だからな。誰にも漏らすなよ。

パターン2は「get someone to spill the beans」の形で「白状させる」や「口を割らせる」、「泥を吐かせる」を意味するもので、例文を挙げると次のようになります。

例文191-3)
We tried to get him to spill the beans, but he kept tight-lipped about any details.
私たちは彼に口を割らせようとしましたが、彼は固く口を閉ざしたまま詳しいことは何も言いませんでした。

the beansを主語に持ってくるパターン3については、次の「洋書内の実例」の中で紹介します。

洋書内の実例

spill the beansのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるspill the beansの使用例を紹介していきます。

 

まずは、「spill the beans」の形で使用する基本型のパターン1から紹介します。

パターン1:spill the beans(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):Letters to a Young Gymnast (2004)(邦題『コマネチ 若きアスリートヘの手紙』、ナディア・コマネチ = 著)より

With that many people in the know, I can’t believe someone didn’t spill the beans!
こんなに多くの人たちが知っていたのに、誰も秘密を漏らさなかったなんて、信じられるだろうか

引用元:
(英語原著)Letters to a Young Gymnast (2004) by Nadia Comaneci; Doing Time
(日本語版)『コマネチ 若きアスリートヘの手紙』(ナディア・コマネチ = 著、鈴木淑美 = 訳)、青土社(2004/9);12(闇を走り抜けて)より

【単語ノート】
in the know = (内情を)よく知っている

1976年のモントリオールオリンピックで金メタルを3つ獲得し、1980年のモスクワオリンピックでも金メダルを2つ獲得したルーマニアの元女子体操選手ナディア・コマネチは、現役引退後の1989年、射殺されるのを覚悟でルーマニアの国境を超え、ハンガリー、オーストリアを経てアメリカに亡命します。

そして亡命から丸5年が経過した1994年、ロサンゼルスオリンピック男子体操金メダリストで恋人のバート・コナーからプロポーズされます。バートの母からコマネチのエージェントまでコマネチの周りの人たちは全員、このプロポーズ計画を予め知っていたのですが、コマネチだけが知りませんでした。

上記引用文はこのプロポーズのことを記載したもので、誰もプロポーズの件をコマネチに漏らさなかったことが「spill the beans」を用いて表現されています。

ちなみにプロポーズの言葉は「これからの人生を一緒に過ごしてほしい」で、コマネチの返事は「ええ、もちろんよ。お受けします(Yes, of course I’ll marry you.)」だったそうです。

実例2(パターン1):Harry Potter and The Goblet of Fire (2000)(邦題『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』、J.K.ローリング = 著)より

“Thanks,” said Harry, but he knew this couldn’t be all that Bagman wanted to say, because he could have congratulated Harry in front of Ron and Hermione. Bagman didn’t seem in any particular rush to spill the beans, though.
「ありがとうございます」
バグマンは祝いが言いたかったのではないと、ハリーにはわかった。そんなことだったら、ロンやハーマイオニーの前でもかまわないはずだ。しかし、バグマンはとくに急いで手の内を明かすような気配ではなかった

引用元:
(英語原著)Harry Potter and The Goblet of Fire (2000) by J.K. Rowling; CHAPTER TWENTY-FOUR RITA SKEETER’S SCOOP
(日本語版)『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(J.K.ローリング = 著、松岡 佑子 = 訳)、静山社(2002/10);第24章(リータ・スキーターの特ダネ)より

“As a matter of fact,” she added, her voice now trembling slightly, “Rita Skeeter isn’t going to be writing anything at all for a while. Not unless she wants me to spill the beans on her.
「実はね」ハーマイオニーの声が、こんどは少し震えていた。「リータ・スキーターはしばらくの間、何も書かないわ。私に自分の秘密をばらされたくないならね

引用元:
(英語原著)Harry Potter and The Goblet of Fire (2000) by J.K. Rowling; CHAPTER THIRTY-SEVEN THE BEGINNING
(日本語版)『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(J.K.ローリング = 著、松岡 佑子 = 訳)、静山社(2002/10);第37章(始まり)より

【単語ノート】
tremble = 震える

実例3(パターン1):TOM CRUISE: AN UNAUTHORIZED BIOGRAPHY (2008)(邦題『トム・クルーズ 非公認伝記』、アンドリュー・モートン = 著)より

Nicole’s revelatory interview in Vanity Fair in September 2007, where she irritated Tom by revealing that she had had a miscarriage early in their marriage, was seen by observers as a warning shot to Tom to give her some parental latitude — otherwise, she would spill the beans on their ten-year marriage.
二〇〇七年九月、ニコールはトムとの結婚当初に流産していたことを『ヴァニティ・フェア』のインタビューで暴露し、トムを苛立たせた。これは一般に、もっと母親としてふるまわせてくれなければ十年間の結婚生活の秘密を漏らすわよという、ニコールのトムヘの警告ではないかと受けとられている。

引用元:
(英語原著)TOM CRUISE: AN UNAUTHORIZED BIOGRAPHY (2008) by Andrew Morton; CHAPTER 13
(日本語版)『トム・クルーズ 非公認伝記』(アンドリュー・モートン = 著、小浜 杳 = 訳)、青志社(2008/2);13(ベッカムヘの魔手・堕ちた偶像)より

【単語ノート】
revelatory [révələtɔ̀ːri] = (事実などを)明らかにする、赤裸々な;啓示的な
miscarriage = 流産
warning shot = 威嚇射撃
parental = 親の、親らしい、親としての
latitude = 自由度、許容度;緯度

アメリカの映画俳優トム・クルーズは2006年に3人目の妻ケイティ・ホームズとの間に女児を授かります。トム・クルーズにとって初めての実子だったのですが、前妻ニコール・キッドマンとの間には二人の養子がいました。

この二人の養子の養育権は事実上トム・クルーズが保持していて、ニコール・キッドマンの養子への接触はインターネットを介したウェブカメラと電子メールのみに制限されていました。

上記引用文は、こうしたトム・クルーズの「仕打ち」に対するニコール・キッドマンの反撃について記載したもので、親としてのいくばくかの「自由度(latitude)」を与えてくれないのであれば「秘密を漏らす」という内容が「spill the beans」を用いて表現されています。

実例4(パターン1):Newcomer (2018)(日本語原著『新参者』、東野圭吾 = 著)より

“That’s not very flattering. Do I look like someone who’s happy to spill the beans on an ongoing investigation? That wouldn’t make me much of a cop.”
「参りましたね。俺が捜査上の秘密をぺらぺらしゃべる人間に見えましたか。それでは刑事失格だ」

引用元:
(英語版)Newcomer (2018) by Keigo Higashino, translated by Giles Murray; 7 THE PRESIDENT OF THE CLEANING COMPANY
(日本語原著)『新参者』(東野圭吾 = 著)、講談社(2009/9);第七章(清掃屋の社長)より

【単語ノート】
flattering = 喜ばしい

実例5(パターン1):Virus: The Day of Resurrection (2012)(日本語原著『復活の日』、小松左京 = 著)より

“Several years back, one of the men working in that germ warfare lab died, and that spilled the beans on what they were up to in there to the outside.”
「数年前に、あの細菌戦研究所の男が一人死んでな、あそこでやってる事が、外へバレちまったんだ

引用元:
(英語版)Virus: The Day of Resurrection (2012) by Sakyo Komatsu, translated by Daniel Huddleston; PART ONE, CH 1 WINTER
(日本語原著)『復活の日』(小松左京 = 著)、早川書房(1964);第一部・第一章(冬)より

【単語ノート】
germ warfare = 細菌戦

実例6(パターン1):The Romanov Cross (2013)(邦題『ロマノフの十字架(上・下)』、ロバート・マセロ = 著)より

His brother Charlie wasn’t stupid; it was unlikely he’d spilled the beans to anyone, but Harley had a lot less faith in that greedy bitch his brother had married, or her idiot sister. Bathsheba would tell anyone anything.
兄貴のチャーリーは馬鹿じゃないから秘密を漏らすようなまねはしないはずだ。しかし、あの欲深い兄嫁と、いかれた妹は信用できなかった。バスシーバが相手かまわずしゃべりちらしたのだろう。

引用元:
(英語原著)The Romanov Cross (2013) by Robert Masello; Chapter 32
(日本語版)『ロマノフの十字架(上・下)』(ロバート・マセロ = 著、石田享 = 訳)、竹書房(2014/12);32(三人組)より

 

次は、「get someone to spill the beans」の形で「白状させる」や「口を割らせる」、「泥を吐かせる」を意味するパターン2です。

パターン2:get someone to spill the beans

実例7(パターン2):The Case of the Sulky Girl (1933)(邦題『すねた娘』、E・S・ガードナー = 著)より

“Well, let’s figure that you’re working on a case, and you figure somebody has got some knowledge — not just ordinary knowledge, but a sort of guilty knowledge that he’s trying to conceal. You’ve got two or three ways of approaching him in order to get him to spill the beans.
「そうだな、まあ、きみがある事件を追っかけていて、ある人物が何かを知っていると目をつけたとする。もちろん、何かうしろ暗い、かくそうとしているようなことだ。その場合、どろをはかせるためにそいつに接近する方法は二つ三つある。

引用元:
(英語原著)The Case of the Sulky Girl (1933) by Erle Stanley Gardner; CHAPTER TWELVE
(日本語版)『すねた娘』(E・S・ガードナー = 著、鮎川信夫 = 訳)、グーテンベルク21(2005/3);十二より

実例8(パターン2):OUT (2005)(日本語原著『アウト』、桐野夏生 = 著)より

‘And there’s just one more question I want to ask you. How did you get Kuniko to spill the beans?
「それからあんたに聞きたいことがあるのよ」
「はあ」
このこと聞くのに、邦子には何て言って釣ったの

引用元:
(英語版)OUT (2005) by Natsuo Kirino, translated by Stephen Snyder; PIECE WORK
(日本語原著)『アウト』(桐野夏生 = 著)、講談社(1997/7);第五章(報酬)より

 

最後は、the beansを主語に持ってくるパターン3です。

パターン3:the beansを主語に持ってくるもの

実例9(パターン3):The Case of the Counterfeit Eye (1935)(邦題『義眼殺人事件』、E・S・ガードナー = 著)より

Drake said, “I knew the beans were spilled all over everything as far as Reno was concerned.
ドレイクはいった。「おれには、大切な秘密が、リノでは洗いざらい洩れちまったとわかった。

引用元:
(英語原著)The Case of the Counterfeit Eye (1935) by Erle Stanley Gardner; Chapter Fifteen
(日本語版)『義眼殺人事件』(E・S・ガードナー = 著、能島武文 = 訳)、グーテンベルク21(2004/9);第十五章より

実例10(パターン3):The Bones of Odin (2011)(邦題『オーディンの遺骨:マット・ドレイクの冒険』、デヴィッド・リードビーター = 著)より

Beans are being spilled.”
これで秘密が暴かれるわ

Christ, Drake thought. There’s a shitload of firepower heading for that museum.
参ったな。博物館に、すさまじい量の武器が集合するぞ──ドレイクは思った。

引用元:
(英語原著)The Bones of Odin (2011) by David Leadbeater; SIXTEEN
(日本語版)『オーディンの遺骨:マット・ドレイクの冒険』(デヴィッド・リードビーター = 著、渡辺周 = 訳)、竹書房(2017/11);第十六章より

【単語ノート】
shitload = 糞ほど、大量
firepower = 火力、兵力

Spill the beansのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

spill the beans

spill the beansのイメージ画像1です。

  • 由来:白色の豆(賛成票)と黒色の豆(反対票)を使った古代ギリシャの投票において、誤って豆をこぼしてしまうと、投票結果が先に分かってしまうことから。
  • 意味:(うっかり又は意図的に)秘密を漏らす
  • 英語による定義:reveal a secret (intentionally or unintentionally)
  • 出現頻度:AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:spill the beans(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:get someone to spill the beans
    パターン3:the beansを主語に持ってくるもの
  • 例文
    All our efforts went up in smoke, because John spilled the beans.
    ジョンが秘密を漏らしてしまったため、私たちの努力はすべて無駄になりました。
    It’s a secret. Don’t spill the beans to anyone.
    秘密だからな。誰にも漏らすなよ。
    We tried to get him to spill the beans, but he kept tight-lipped about any details.
    私たちは彼に口を割らせようとしましたが、彼は固く口を閉ざしたまま詳しいことは何も言いませんでした。

例文内で使用した「go up in smoke」については以下の記事で詳しく解説しています。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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