洋書に出てくる英語表現0190:black sheep【おすすめ英語フレーズ編170】

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「洋書に出てくる英語表現」の第190回は、英語学習や英会話に役立つ【おすすめ英語フレーズ編】の第170回として「black sheep」を取りあげます。

目次
  1. Black sheepの意味と由来
  2. Black sheepの英語による定義
  3. 洋書におけるblack sheepの出現頻度
  4. Black sheepの年代分布
  5. Black sheepの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):I am Malala: The Story of the Girl Who Stood Up for Education and was Shot by the Taliban (2013)(邦題『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』、マララ・ユスフザイ、クリスティーナ・ラム = 著)より
    2. 実例2(パターン1):The Wind-Up Bird Chronicle (1997)(日本語原著『ねじまき鳥クロニクル』、 村上春樹 = 著)より
    3. 実例3(パターン1):Third Girl (1966)(邦題『第三の女』、アガサ・クリスティー = 著)より
    4. 実例4(パターン1):Sexcapades (2013)(邦題『セクスカペイズ』、クリスティン・ダーボ = 著)より
    5. 実例5(パターン1):Honeymoon to Nowhere (1972)(日本語原著『ゼロの蜜月』、高木彬光 = 著)より
    6. 実例6(パターン2):TOM CRUISE: AN UNAUTHORIZED BIOGRAPHY (2008)(邦題『トム・クルーズ 非公認伝記』、アンドリュー・モートン = 著)より
    7. 実例7(パターン2):RAFA: My Story (2011)(邦題『ラファエル・ナダル自伝』、ラファエル・ナダル、ジョン・カーリン = 著)より
    8. 実例8(パターン2):The Hound of the Baskervilles (1902)(邦題『バスカービル家の犬』、コナン・ドイル = 著)より
    9. 実例9(パターン2):A Pocket Full of Rye (1953)(邦題『ポケットにライ麦を』、アガサ・クリスティー = 著)より
  7. Black sheepのまとめ

Black sheepの意味と由来

直訳すると、「黒い羊」となります。

羊といえば、多くの方が全身真っ白のコリデール種を思い浮かべられると思いますが、顔と足だけが黒色で胴体は白色のサフォーク種や、全身黒色のブラックウェルシュマウンテン種など、羊には実に多くの種類が存在します。

当然のことながら、白い毛のお母さん羊と白い毛のお父さん羊からは白い子羊が生まれるのですが、ごくまれに白いお母さんと白いお父さんから黒い子羊が生まれることがあります。これは、遺伝子の突然変異によりメラニン色素が過剰に生成されるのが原因で、その発生確率は一説には10万頭に1頭とも言われています。

このように白い羊同士から黒い羊が生まれるのは非常に珍しいのですが、黒い羊毛は白い羊毛と比べて他の色に染めにくいために市場価値が低かったことに加え、黒い羊は他の白い羊を怯えさせるなどの理由から、白い羊に混じってごくまれに生まれてくる黒い羊はかつて「厄介な存在」と考えられていました。

このように白い羊の集団の中に「厄介な存在」である黒い羊が1匹だけ混じっている様子から、「black sheep」は「(家族やグループ内の)厄介者」を意味するフレーズとして古くから使用されてきました。

日本語では「厄介者」のほか、「のけ者」や「変わり者」、「鼻つまみ者」、「持て余し者」などと訳されます。

Black sheepの英語による定義

a deviant, eccentric, or outcast

洋書におけるblack sheepの出現頻度

AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Black sheepの年代分布

1859年 – 2019年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1859年発行の『A Tale of Two Cities(邦題:二都物語)』(チャールズ・ディケンズ = 著)で、最も新しい洋書は2019年発行の『The Honjin Murders(日本語原著:本陣殺人事件)』(横溝正史 = 著)でした。

Black sheepの出現パターン

black sheepの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:black sheep(基本型・最頻出パターン)
パターン2:black sheep of the family

パターン1は「black sheep」の形で使用する基本型で、例文を挙げると次のようになります。

例文190-1)
John is regarded as the black sheep in our school, because he often causes trouble.
ジョンは、よく問題を起こすので、私たちの学校で厄介者とみなされています。

パターン2は「black sheep of the family」の形で「一家の厄介者」を意味するもので、
例文を挙げると次のようになります。

例文190-2)
I’m kind of the black sheep of the family. All of my family members are doctors except me.
僕は、家族の除け者のような存在なんだ。家族は僕以外全員、医者なんだよ。

洋書内の実例

black sheepのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるblack sheepの使用例を紹介していきます。

 

まずは、「black sheep」の形で使用する基本型のパターン1から紹介します。

パターン1:black sheep(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):I am Malala: The Story of the Girl Who Stood Up for Education and was Shot by the Taliban (2013)(邦題『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』、マララ・ユスフザイ、クリスティーナ・ラム = 著)より

Once again our country was expelled from the Commonwealth and became an international black sheep.
わたしたちの国は、またもイギリス連邦から除名され、世界のやっかい者になってしまった

引用元:
(英語原著)I am Malala: The Story of the Girl Who Stood Up for Education and was Shot by the Taliban (2013) by Malala Yousafzai with Christina Lamb; 5 Why I Don’t Wear Earrings and Pashtuns Don’t Say Thank You
(日本語版)『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』(マララ・ユスフザイ、クリスティーナ・ラム = 著、金原瑞人、西田佳子 = 訳)、学研マーケティング(2013/12);5(わたしがイヤリングをつけない理由、パシュトゥン人が「ありがとう」といわない理由)より

【単語ノート】
the Commonwealth = イギリス連邦

実例2(パターン1):The Wind-Up Bird Chronicle (1997)(日本語原著『ねじまき鳥クロニクル』、 村上春樹 = 著)より

With its reputation for respectable businesses and modest lifestyles, the family tended to see my uncle as something of a black sheep, and he had never shown much inclination for consorting with relatives.
叔父は水商売をやっているせいで、堅実な職業とささやかな暮らしぶりで知られる我が一族の中では、いささか白い目で見られていたし、本人ももともとあまり親戚づきあいを好まなかった。

引用元:
(英語版)The Wind-Up Bird Chronicle (1997) by Haruki Murakami, translated from the Japanese by Jay Rubin; Book One: The Thieving Magpie, Chapter 10
(日本語原著)『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹 = 著)、新潮社(1994-1995);第1部 泥棒かささぎ編、10(マジックタッチ、風呂桶の中の死、形見の配達者)より

【単語ノート】
inclination = 気持ち、願望、傾向
consort with [kɑ’nsɔɚt] = … と付き合う、交際する

実例3(パターン1):Third Girl (1966)(邦題『第三の女』、アガサ・クリスティー = 著)より

No black sheep, no mental instability?
変り種や精神異常者はいませんか?

“It doesn’t appear so.”
「いないようです」

“Disappointing,” said Poirot.
「がっかりだな」とポアロは言った。

引用元:
(英語原著)Third Girl (1966) by Agatha Christie; Chapter THIRTEEN
(日本語版)『第三の女』(アガサ・クリスティー = 著、小尾芙佐 = 訳)、早川書房(1970);第十三章より

実例4(パターン1):Sexcapades (2013)(邦題『セクスカペイズ』、クリスティン・ダーボ = 著)より

On a side table was a picture of Darcy, an older couple and someone who looked like a surfer.
サイドテーブルにはダーシーと、年配の夫婦、サーファーのような男性が写っている写真があった。

“That’s my family.” He smiled at her. “I’m a bit of the black sheep, I’m afraid. They’re all computer experts or software developers.”
「ぼくの家族だ」彼が微笑みかけてきた。「ぼくひとりのけ者なんだ。ほかのみんなはコンピュータの専門家かソフトウェア開発者だ」

引用元:
(英語原著)Sexcapades (2013) by Christine d’Abo
(日本語版)『セクスカペイズ』(クリスティン・ダーボ = 著、長瀬美紀 = 訳)、主婦の友社(2013/11);ハートに火をつけて、より

実例5(パターン1):Honeymoon to Nowhere (1972)(日本語原著『ゼロの蜜月』、高木彬光 = 著)より

“Well, that’s nothing unusual,” she said soothingly. “Every family has its black sheep. I know this from my father who often has to deal with such people in his practice.”
「そうでしたの? まあ、どんなりっぱなお家でも、たいてい一人や二人は、始末におえない親類や知り合いがいるものらしいですわね。父が弁護士をしている関係で、わたくしもそういう話はよく聞きますわ」

引用元:
(英語版)Honeymoon to Nowhere (1972) by Akimitsu Takagi, translated by Sadako Mizuguchi; 2
(日本語原著)『ゼロの蜜月』(高木彬光 = 著)、光文社(1965);第二章(失恋人形)より

 

次は、「black sheep of the family」の形で「一家の厄介者」を意味するパターン2です。

パターン2:black sheep of the family

実例6(パターン2):TOM CRUISE: AN UNAUTHORIZED BIOGRAPHY (2008)(邦題『トム・クルーズ 非公認伝記』、アンドリュー・モートン = 著)より

He was the black sheep of the Mapother family,” says Jonathan Lebendiger, now a real-estate agent in Philadelphia.
あいつはメイポーザー一族の厄介者ですよ」現在はフィラデルフィアで不動産業に従事するジョナサン・レーベンディガーはいう。

引用元:
(英語原著)TOM CRUISE: AN UNAUTHORIZED BIOGRAPHY (2008) by Andrew Morton; CHAPTER 1
(日本語版)『トム・クルーズ 非公認伝記』(アンドリュー・モートン = 著、小浜 杳 = 訳)、青志社(2008/2);1(少年期)より

「あいつ(He)」とはアメリカの映画俳優トム・クルーズ(トーマス・クルーズ・メイポーザー四世)の父のことを指しています。

トム・クルーズは13歳の時に両親が正式に離婚し、父はその離婚からわずか6週間後にジョーン・レーベンディガーという名の未亡人と再婚します。相手の女性には4人の子供がいたのですが、なんとその女性は第二の人生を始めるために4人の子供達を捨ててトム・クルーズの父とフロリダに旅立ってしまったため、子供達は友人宅や親戚宅に引き取られることになります。

このためレーベンディガー家の子供達は、当然のことながらトム・クルーズの父に深い憎しみを抱いていて、上記引用文ではそのうちの一人であるジョナサン・レーベンディガーという人物がトム・クルーズの父のことを「the black sheep of the Mapother family(メイポーザー一族の厄介者)」と表現しています。

ちなみにこの二人の結婚生活はわずか1年で破綻したそうで、4人の子供を捨てたこの母親は最終的に子供達と和解したそうです。

実例7(パターン2):RAFA: My Story (2011)(邦題『ラファエル・ナダル自伝』、ラファエル・ナダル、ジョン・カーリン = 著)より

He is not the black sheep of the family, because ostracism is not something the tight-knit Nadals do.
だが、結束の固いナダル家では村八分などありえないので、トニーも一家の厄介者ではない

引用元:
(英語原著)RAFA: My Story (2011) by RAFAEL NADAL and John Carlin; CHAPTER 2 THE DYNAMIC DUO
(日本語版)『ラファエル・ナダル自伝』(ラファエル・ナダル、ジョン・カーリン = 著、渡邊玲子 = 訳)、実業之日本社(2011/9);第2章(ダイナミックな2人)より

【単語ノート】
ostracism [ɑ’strəsìzm] = 仲間はずれ、村八分
tight-knit = 硬く編んだ;結束の固い、固い絆で結ばれた

実例8(パターン2):The Hound of the Baskervilles (1902)(邦題『バスカービル家の犬』、コナン・ドイル = 著)より

The third, Rodger, was the black sheep of the family. He came of the old masterful Baskerville strain and was the very image, they tell me, of the family picture of old Hugo.
末弟のロジャーさんなんですが、これがいわば一家の厄介者で、同家の悪い血統をうけ継いでいて、聞くところによりますと、同家に残っている、あのヒューゴーの肖像に生き写しということです。

引用元:
(英語原著)The Hound of the Baskervilles (1902) by Arthur Conan Doyle; Chapter 3 The Problem
(日本語版)『バスカービル家の犬』(コナン・ドイル = 著、鈴木幸夫 = 訳)、グーテンベルク21(2003/5);三(難問)より

【単語ノート】
masterful = 指導力のある;横柄な
strain = 血統、家系;精神的緊張、ストレス

very image of …」という表現にも注目してください。これは「…に生き写し」や「…とうり二つ」という意味で、以前に取り上げた「spitting image」と同様の表現となります。

関連表現の「spitting image」と「chip off the old block」については以下の記事で詳しく解説していますので、是非あわせてお読み下さい。

実例9(パターン2):A Pocket Full of Rye (1953)(邦題『ポケットにライ麦を』、アガサ・クリスティー = 著)より

And now, it seemed, she was married to the black sheep of the Fortescue family, for Neele assumed that the disagreement with his father referred to primly by Miss Griffith, stood for some disgraceful incident in young Lancelot Fortescue’s career.
ところが、この婦人はこんどは、フォテスキュー家の鼻つまみ者と結婚したのだ。ミス・グリフィスは、はっきりした理由をいわなかったが、この若いランスロット・フォテスキューが父親と不仲で、外国へ行っているというのも、おそらくはその不身持ちの結果なのであろう。

引用元:
(英語原著)A Pocket Full of Rye (1953) by Agatha Christie; Chapter 2
(日本語版)『ポケットにライ麦を』(アガサ・クリスティー = 著、宇野利泰 = 訳)、早川書房(2003/11);第二章より

Black sheepのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

black sheep

black sheepのイメージ画像1です。

  • 由来:黒い羊毛は白い羊毛と比べて他の色に染めにくいために市場価値が低かったことや、黒い羊は他の白い羊を怯えさせるなどの理由から、ごくまれに生まれてくる黒い羊は「厄介な存在」と考えられてきたことから。
  • 意味:(家族やグループ内の)厄介者、のけ者、変わり者
  • 英語による定義: a deviant, eccentric, or outcast
  • 出現頻度:AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:black sheep(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:black sheep of the family
  • 例文
    John is regarded as the black sheep in our school, because he often causes trouble.
    ジョンは、よく問題を起こすので、私たちの学校で厄介者とみなされています。
    I’m kind of the black sheep of the family. All of my family members are doctors except me.
    僕は、家族の除け者のような存在なんだ。家族は僕以外全員、医者なんだよ。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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