洋書に出てくる英語表現0184:walk on eggshells【おすすめ英語フレーズ編164】

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「洋書に出てくる英語表現」の第184回は、英語学習や英会話に役立つ【おすすめ英語フレーズ編】の第164回として「walk on eggshells」を取りあげます。

Walk on eggshellsの意味と由来

直訳すると、「卵(の殻)の上を歩く」となります。

この表現は、卵の殻が非常に割れやすいことから生まれたもので、ずらっと並んだ卵を割ることなくその上を歩ききるにはゆっくりと慎重に歩を進めなければならないことから、「walk on eggshells」は「慎重に行動する」を意味するフレーズとして使用されるようになりました。

日本語では「薄氷を踏む」というよく似た表現がありますので、「卵の殻」でイメージが湧かない方は「薄氷」を想像すると良いと思います。

日本語では「慎重に行動する」のほか、「言動に細心の注意を払う」、「慎重に振る舞う」、「慎重に事を進める」、「用心深く振る舞う」、「薄氷を踏む」などと訳されます。

Walk on eggshellsの英語による定義

proceed very carefully; be extremely cautious about one’s actions or words

洋書におけるwalk on eggshellsの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Walk on eggshellsの年代分布

1932年 – 2014年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1932年発行の『The Tragedy of Y(邦題:Yの悲劇)』(エラリイ・クイーン = 著)で、最も新しい洋書は2014年発行の『Hard Choices: A Memoir(邦題:困難な選択(上・下))』(ヒラリー・ロダム・クリントン = 著)でした。

Walk on eggshellsの出現パターン

walk on eggshellsの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:walk on eggshells (or eggs)(基本型・最頻出パターン)
パターン2:tread on eggshells (or eggs)

*いずれのパターンでも「eggshells」の代わりに「eggs」が使用されることがあります。

パターン1は「walk on eggshells」の形で使用される基本型で、例文を挙げると次のようになります。

例文184-1)
I’m always walking on eggshells when I’m around Jack, because he gets hot under the collar very quickly.
ジャックはすぐにカッとなるので、彼のそばにいる時は常に言動に細心の注意を払っています。

hot under the collar」については以下の記事で詳しく解説しています。

パターン2は「walk」の代わりに「tread」を使用するもので、例文を挙げると次のようになります。

例文184-2)
The boss is in a very bad mood today, so you have to tread on eggshells around him.
ボスは今日すごく機嫌が悪いから、彼の前では慎重に振る舞わないといけないよ。

洋書内の実例

walk on eggshellsのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるwalk on eggshellsの使用例を紹介していきます。

 

まずは、「walk on eggshells」の形で使用する基本型のパターン1から紹介します。

パターン1:walk on eggshells (or eggs)(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):ALEX FERGUSON: My Autobiography (2013)(邦題『アレックス・ファーガソン自伝』、アレックス・ファーガソン = 著より)

With Saha’s injuries we were walking on eggshells with him. However, I didn’t feel I could select Ruud.
故障を抱えるようになったサハを起用するのは冷や汗ものだったが、それでもファン・ニステルローイを使う気にはなれなかった。

引用元:
(英語原著)ALEX FERGUSON: My Autobiography (2013) by Alex Ferguson; 11. Van Nistelrooy
(日本語版)『アレックス・ファーガソン自伝』(アレックス・ファーガソン =著、小林玲子 = 訳)、日本文芸社(2014/5);第11章(ルート・ファン・ニステルローイ)より

オランダ出身の元サッカー選手、ルート・ファン・ニステルローイ(英文中の「Ruud」)は、イングランドのマンチェスター・ユナイテッドに所属していた2005-06シーズンに自身の起用法を巡ってアレックス・ファーガソン監督と対立します。そしてある重要な試合の途中に交代枠で自分が起用されないことを知り、ファーガソン監督に「到底許されない悪態」をついてしまい、二人の確執は決定的なものとなります。

その一件以来、ファーガソン監督はルイ・サハ選手が故障を抱えるようになってもファン・ニステルローイ選手ではなく、ルイ・サハ選手を起用し続けざるを得なくなります。上記引用文では、ファーガソン監督が故障を抱えるサハ選手を薄氷を踏む思いで起用し続けたことが「walk on eggshells」を用いて表現されていて、ここでは「冷や汗ものだった」と訳されています。

実例2(パターン1):IT WORKED FOR ME (2012)(邦題『リーダーを目指す人の心得』、コリン・パウエル、トニー・コルツ = 著)より

When I start out with a new front office staff, I have always found it useful to give them a sense of what I expect from them. They are nervous, anxious, wanting to please, but walking on eggshells.
新任地で新しい本部スタッフと仕事を始めるとき、私は、彼らになにを期待するのかを示すことにしている。皆、心配でそわそわしているし、気に入られたいと思いつつ、失敗してはいけないと慎重にもなっている

引用元:
(英語原著)IT WORKED FOR ME (2012) by Colin Powell with Tony Koltz; PART V, CHAPTER TWENTY-ONE: What I Tell My New Aides
(日本語版)『リーダーを目指す人の心得』(コリン・パウエル、トニー・コルツ = 著、井口耕二 = 訳)、飛鳥新社(2017/6);第5章(1 — 「私の側近として生き残る方法」 — 新しい部下に配るメモ)より

実例3(パターン1):Hard Choices: A Memoir (2014)(邦題『困難な選択(上・下)』、ヒラリー・ロダム・クリントン = 著)より

Some of the reporters covering me at the State Department were surprised when I occasionally ditched the diplomatic talking points and said exactly what was on my mind, whether it was telling off the leader of North Korea or pushing the Pakistanis on the whereabouts of Osama bin Laden. But I no longer had much patience for walking on eggshells.
国務省担当の記者の中には、私が時に外交上の応答要領を外れて自分の考えを話すことに驚く人もいた。たとえば北朝鮮の指導者への文句やウサマ・ビンラディンの行方に関するパキスタンヘの圧力などだ。だが私はこれ以上我慢して用心深く振る舞うことはしたくなかった

引用元:
(英語原著)Hard Choices: A Memoir (2014) by Hillary Rodham Clinton; 1. 2008: Team of Rivals
(日本語版)『困難な選択(上・下)』(ヒラリー・ロダム・クリントン = 著、日本経済新聞社 = 訳)、日本経済新聞出版社(2015/5);上巻・第1章(二〇〇八年 — チーム・オブ・ライバルズ)より

【単語ノート】
the State Department = (米国)国務省
ditch = どぶ、溝; (考えや計画などを)やめる、捨てる
whereabouts = 行方、所在、ありか

実例4(パターン1):THE DARK TOWER IV : Wizard and Glass (2003)(邦題『ダーク・タワーIV:魔道師と水晶球(上・中・下)』、スティーヴン・キング = 著)より

That means we’ll be very, very careful. Walk easy, like on eggshells.
となると、細心の注意を払わないといけないってことだ。卵の殻の上を歩くみたいに、慎重に落ち着いて事を進めないとな

引用元:
(英語原著)THE DARK TOWER IV : Wizard and Glass (2003) by Stephen King; PART TWO SUSAN, CHAPTER IV LONG AFTER MOONSET
(日本語版)『ダーク・タワーIV:魔道師と水晶球(上・中・下)』(スティーヴン・キング = 著、風間賢二 = 訳)、新潮社(2006/3);上巻・第二部(スーザン)・第四章(とうに月の入りの刻を過ぎて)より

実例5(パターン1):2001: A Space Odissey (1968)(邦題『宇宙のオデッセイ2001』、アーサー・C.クラーク = 著)より

Bowman felt that he was walking on eggs as he answered: “Since an emergency has developed, I want as much help as possible.
ボーマンは薄氷を踏むような思いで答えた──。
「非常事態が発生したんだ。手助けはいくらでもほしい。

引用元:
(英語原著)A Space Odissey (1968) by Arthur C. Clarke; 26 – Dialogue with Hal
(日本語版)『宇宙のオデッセイ2001』(アーサー・C.クラーク = 著、伊藤典夫 = 訳)、早川書房(1977/5);26(ハルとの対話)より

 

次は「walk」の代わりに「tread」を使用するパターン2です。

パターン2:tread on eggshells (or eggs)

実例6(パターン2):The Tragedy of Y (1932)(邦題『Yの悲劇』、エラリイ・クイーン = 著)より

He was holding his emotions in check, it appeared; he walked carefully, like a blind man treading on eggs, and he held his head stiffly, with the unnaturalness of a paralytic.
彼は感情の動きをじっと押し殺しているようだった。まるで薄氷の上を踏むような足どりで、彼は用心深く歩いてきた。そして中風(ちゅうぶう)患者みたいな不自然さで頭をぎごちなくもたげていた。

引用元:
(英語原著)The Tragedy of Y (1932) by Ellery Queen; Act I, Scene 3 THE LIBRARY, SUNDAY, JUNE 5, 11:10 A.M.
(日本語版)『Yの悲劇』(エラリイ・クイーン = 著、田村 隆一 = 訳)、グーテンベルク21(1999/9);第一幕・第三部(図書室 — 六月五日(日曜日)午前十一時十分)より

【単語ノート】
hold something in check = …を抑制する
stiffly = 堅苦しく、こわばって
unnaturalness = 不自然さ
paralytic = 中風患者

Walk on eggshellsのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

walk on eggshells

walk on eggshellsのイメージ画像1です。

  • 由来:卵の殻は非常に割れやすく、ずらっと並んだ卵を割ることなくその上を歩ききるにはゆっくりと慎重に歩を進めなければならないことから。
  • 意味:慎重に行動する、言動に細心の注意を払う、薄氷を踏む
  • 英語による定義:proceed very carefully; be extremely cautious about one’s actions or words
  • 出現頻度: B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:walk on eggshells (or eggs)(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:tread on eggshells (or eggs)
  • 例文
    I’m always walking on eggshells when I’m around Jack, because he gets hot under the collar very quickly.
    ジャックはすぐにカッとなるので、彼のそばにいる時は常に言動に細心の注意を払っています。
    The boss is in a very bad mood today, so you have to tread on eggshells around him.
    ボスは今日すごく機嫌が悪いから、彼の前では慎重に振る舞わないといけないよ。

例文内で使用した「hot under the collar」については以下の記事で詳しく解説しています。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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