洋書に出てくる英語表現0180:chip off the old block【おすすめ英語フレーズ編160】

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「洋書に出てくる英語表現」の第180回は、英語学習や英会話に役立つ【おすすめ英語フレーズ編】の第160回として「chip off the old block」を取りあげます。

目次
  1. Chip off the old blockの意味と由来
  2. Chip off the old blockの英語による定義
  3. 洋書におけるchip off the old blockの出現頻度
  4. Chip off the old blockの年代分布
  5. Chip off the old blockの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):THE BONE LABYRINTH (2004)(邦題『イヴの迷宮(上・下)』、ジェームズ・ロリンズ = 著)より
    2. 実例2(パターン1):ANNE OF AVONLEA (1909)(邦題『アンの青春』、モンゴメリ = 著)より
    3. 実例3(パターン1):Never Eat Alone (2005)(邦題『一生モノの人脈力』、キース・フェラッジ、タール・ラズ = 著)より
    4. 実例4(パターン1):Kane and Abel (1979)(邦題『ケインとアベル』、ジェフリー・アーチャー = 著)より
    5. 実例5(パターン2):JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より
    6. 実例6(パターン2):Seabiscuit: an American legend (2001)(邦題『シービスケット:あるアメリカ競走馬の伝説』、ローラ・ヒレンブランド = 著)より
    7. 実例7(パターン2):Jony Ive: The Genius Behind Apple’s Greatest Products (2013)(邦題『ジョナサン・アイブ:偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー』、リーアンダー・ケイニー = 著)より
    8. 実例8(パターン2):Castle in the Air (1990)(邦題『ハウルの動く城2:アブダラと空飛ぶ絨毯』、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ = 作)より
  7. Chip off the old blockのまとめ

Chip off the old blockの意味と由来

直訳すると、「古い木の塊から切り出された木片」となります。

この表現は、古い木の塊とそこから切り出された小さな木片との関係を父親と子供の関係にたとえた比喩表現で、古い木の塊(old block)は父親を表し、小さな木片(chip)は子供を表しています。

木の塊から切り出された小さな木片は元の木の塊と色や木目、質感の点でとてもよく似ていることから、「chip off the old block」は「父親によく似た子供」を意味するフレーズとして古くから使用されてきました。

日本語では「父親ゆずり」、「父親にそっくり」、「うり二つ」、「生き写し」などと訳されます。

以前に同様の表現として「spitting image」を紹介しましたが、主に親子や親族間で外見がそっくりであることを意味する「spitting image」とは異なり、「chip off the old block」は特に父親と子供がそっくりであることを意味し、似ている内容も外見より性格や能力、行動が似ている場合によく使用されます。

 

spitting imageとchip off the old blockの違い

spitting image
・主に親子や親族間で「外見」がそっくりであることを意味する
・他人同士の外見が似ていることを表現する場合にも使用可

chip off the old block
・通常は父親と子供がそっくりであることを意味する(子供の性別は問わないが男の子の場合が多い)
・「外見」よりも「性格」や「能力」、「行動」などが似ていることを表現する場合に使用されることが多い

ちなみに、大リーグのアトランタ・ブレーブスで長年活躍し、2018年にアメリカの野球殿堂入りを果たした元プロ野球選手のチッパー・ジョーンズ(Chipper Jones)の「Chipper」という登録名は、この「chip off the old block」という表現から来ています。チッパー・ジョーンズ選手は、父親によく似ていたために子供の頃から「chipper」の愛称で親しまれていて、プロ野球選手になってからもその愛称を登録名として使用し続けたということです。

Chip off the old blockの英語による定義

someone who is very much like their father in character, personality, behaviour, appearance, etc.

洋書におけるchip off the old blockの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Chip off the old blockの年代分布

1909年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1909年発行の『ANNE OF AVONLEA(邦題:アンの青春)』(モンゴメリ = 著)で、最も新しい洋書は2017年発行の『JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT(邦題:ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット)』(ジェンソン・バトン = 著)でした。

Chip off the old blockの出現パターン

chip off the old blockの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:someone is a chip off the old block(基本型・最頻出パターン)
パターン2:その他

パターン1は「someone is a chip off the old block」の形で使用する基本型で、例文を挙げると次のようになります。

例文180-1)
John is good at making speeches off-the-cuff — he’s a chip off the old block.
ジャックは即興でスピーチをするのが得意で、彼のそういうところは父親ゆずりです。

「off-the-cuff」については、以下の記事で詳しく解説しています。

例文180-2)
Jack is a chip off the old block, and has inherited artistic talent from his father.
ジャックは父親によく似ていて、父親から芸術的な才能を受け継いでいます。

パターン2の「その他」については、次の「洋書内の実例」の中で紹介します。

洋書内の実例

chip off the old blockのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるchip off the old blockの使用例を紹介していきます。

 

まずは、「someone is a chip off the old block」の形で使用する基本型のパターン1から紹介します。

パターン1:someone is a chip off the old block(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):THE BONE LABYRINTH (2004)(邦題『イヴの迷宮(上・下)』、ジェームズ・ロリンズ = 著)より

That son of yours is a chip off the old block.
The words were meant to be good-natured jibe, but Kowalski seemed to take them at face value.
“Yeah, he’s a good kid.”
おまえとその息子はうり二つだな
仲間を軽くからかうジョークだったが、コワルスキはその言葉を真に受けたようだ。
「だろう? こいつはいい子なんだ」

引用元:
(英語原著)THE BONE LABYRINTH (2004) by James Rollins; Chapter 25
(日本語版)『イヴの迷宮(上・下)』(ジェームズ・ロリンズ = 著、桑田健 = 訳)、竹書房(2017/7);25より

【単語ノート】
good-natured = 人の良い、気立ての良い、健全な、善良な、悪気のない
jibe [dʒáib] = からかい、あざけり

at face value」は「額面通りに」や「文字通りの意味で」を意味するイディオムで、次のように使用されます。

at face valueの使用例

She took my advice at face value.
彼女は私の助言をそのまま受け入れました。
He is very suspicious and rarely takes anything at face value.
彼は非常に疑い深く、何事も額面通りに受け取ることはめったにありません。

実例2(パターン1):ANNE OF AVONLEA (1909)(邦題『アンの青春』、モンゴメリ = 著)より

“He . . . he is very like his father.”
「ほんとに — お父さんによく似ているのね」

Everybody says I’m a chip off the old block,” remarked Paul, quite at his ease.
みんなが僕のことをおやじそっくりだって言うんです」と、ポールは、すっかりくつろいで言った。

引用元:
(英語原著)ANNE OF AVONLEA (1909) by Lucy Maud Montgomery; XXIII Miss Lavendar’s Romance
(日本語版)『アンの青春』(モンゴメリ = 著、神山妙子 = 訳)、グーテンベルク21(2004/1);第二十三章(ミス・ラヴェンダーのロマンス)より

実例3(パターン1):Never Eat Alone (2005)(邦題『一生モノの人脈力』、キース・フェラッジ、タール・ラズ = 著)より

“You know, Jack Valenti’s son is looking for work in your industry. You might want to meet with him and give him some advice.” Jack’s son is a very bright chip off the old block, both charming and smart.
「ジャック・バレンチの息子がきみの業界で仕事を探している。一度会って、相談にのってやってくれないか」バレンチの息子は、父親に似て頭がキレる魅力的な青年だった

引用元:
(英語原著)Never Eat Alone (2005) by Keith Ferrazzi and Tahl Raz; Chapter 18 Health, Wealth, and Children
(日本語版)『一生モノの人脈力』(キース・フェラッジ、タール・ラズ = 著、森田由美 = 訳)、パンローリング(2012/12);第16章(健康・お金・子ども — 心の絆を強くするもの)より

実例4(パターン1):Kane and Abel (1979)(邦題『ケインとアベル』、ジェフリー・アーチャー = 著)より

As Bloomingdale’s was finding out, she was a chip off a formidable old block, and Abel had no doubt that Florentyna would have few problems taking on the responsibilities he was planning for her.
ブルーミンデイルで真価を発揮しつつあったように、彼女は父親そっくりのやり手の娘であり、アベルはフロレンティナのために予定している仕事をまかせても大過なくこなすだろうと信して疑わなかった。

引用元:
(英語原著)Kane and Abel (1979) by Jeffrey Archer; Chapter 32
(日本語版)『ケインとアベル』(ジェフリー・アーチャー = 著、永井淳 = 訳)、新潮社(1981/5);下巻・32より

【単語ノート】
formidable = 並外れた、すばらしい、手強い

 

次は「その他」のパターン2です。

パターン2:その他

実例5(パターン2):JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より

But Dad understood. And was probably thinking, Great. Chip off the old block.
でも、父はわかってくれた。そして、たぶんこう考えていた。 “いいぞ。それでこそ俺の子だ” 。

引用元:
(英語原著)JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017) by Jenson Button; PART ONE
(日本語版)『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』(ジェンソン・バトン = 著、児島 修 = 訳)、東洋館出版社(2019/4);第一部(父と息子の冒険の始まり)より

2009年にワールドチャンピオンを獲得した元F1ドライバーのジェンソン・バトンは、7歳の誕生日に両親から誕生日プレゼントとしてヤマハの50ccバイクを買ってもらうのですが、バトンは元レーサーの父からレースの才能を受け継いでいたのか、そのバイクをすぐに乗りこなしてしまい、あっという間に飽きてしまいます。

そしてバトンは、生意気にも「父さん、飽きたよ(Dad, I’m bored.)」と言い放ちます。

そういう流れで出てくるのが上記英文で、元レーサーの父はこのバトンの言葉を生意気と受け取るどころか、むしろ喜んでいたであろうことが、「Great. Chip off the old block(いいぞ。それでこそ俺の子だ)」と表現されています。

実例6(パターン2):Seabiscuit: an American legend (2001)(邦題『シービスケット:あるアメリカ競走馬の伝説』、ローラ・ヒレンブランド = 著)より

A few of the Seabiscuits could run. Sea Sovereign and Sea Swallow became stakes winners, as did a chip off the old block, a grandson named Sea Orbit, who ran sixty-seven times, winning twenty-two, including a long list of elite stakes races in California.
リトルビスケットのなかには、何頭か走れる馬がいた。シーソヴリンとシーシャロウはステークスレースの勝者となり、シービスケットに生き写しのシーオービットという孫馬も、六十七のレースに出て二十二勝、そのなかにはカリフォルニア競馬を代表するステークスレースも数多くふくまれていた。

引用元:
(英語原著)Seabiscuit: an American legend (2001) by Laura Hillenbrand; EPILOGUE
(日本語版)『シービスケット:あるアメリカ競走馬の伝説』(ローラ・ヒレンブランド = 著、奥田祐士 = 訳)、ソニー・マガジンズ(2003/7);エピローグより

「意味と由来」の項に記載したように、「chip off the old block」という表現は基本的に「父親と子供」の関係を表現する場合に使用されるのですが、低頻度ながら母親との関係やさらにその上の祖父母との関係について表現する際に使用されることがあります。

上記英文では、シービスケットという牡馬とその孫馬にあたるシーオービットという牡馬が「生き写し」であったことが「chip off the old block」を用いて表現されています。

実例7(パターン2):Jony Ive: The Genius Behind Apple’s Greatest Products (2013)(邦題『ジョナサン・アイブ:偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー』、リーアンダー・ケイニー = 著)より

Chip Off the Old Block
Mike Ive’s influence reached well beyond the precocious child in his own household.
父親ゆずりの才能
マイク・アイブは息子の才能を育みながら、家庭の外でも広く影響を与えていた。

引用元:
(英語原著)Jony Ive: The Genius Behind Apple’s Greatest Products (2013) by Leander Kahney; CHAPTER 1 School Days
(日本語版)『ジョナサン・アイブ:偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー』(リーアンダー・ケイニー = 著、関 美和 = 訳)、日経BP社(2015/1);1(生い立ち)より

【単語ノート】
precocious [prikóuʃəs] = 早熟な、(子供の能力が)並外れた

実例8(パターン2):Castle in the Air (1990)(邦題『ハウルの動く城2:アブダラと空飛ぶ絨毯』、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ = 作)より

“My word, he’s ugly!” Howl said. “Chip off the old block.”
「おやおや! 醜いなあ! ぼくそっくりじゃないか

引用元:
(英語原著)Castle in the Air (1990) by Diana Wynne Jones; Chapter 21 In which the castle comes down to earth
(日本語版)『ハウルの動く城2:アブダラと空飛ぶ絨毯』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ = 作、西村醇子 = 訳)、徳間書店(1997/8);二十一章(大地に降りた空中の城)より

Chip off the old blockのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

chip off the old block

chip off the old blockのイメージ画像1です。

  • 由来:木の塊から切り出された小さな木片(chip)は元の木の塊(old block)と色や木目、質感の点でとてもよく似ていることから。
  • 意味:父親によく似た子供、父親ゆずり(「外見」よりも「性格や能力、行動」が父親と似ている場合に使用されることが多い)
  • 英語による定義: someone who is very much like their father in character, personality, behaviour, appearance, etc.
  • 出現頻度:B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:someone is a chip off the old block(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:その他
  • 例文
    John is good at making speeches off-the-cuff — he’s a chip off the old block.
    ジャックは即興でスピーチをするのが得意で、彼のそういうところは父親ゆずりです。
    Jack is a chip off the old block, and has inherited artistic talent from his father.
    ジャックは父親によく似ていて、父親から芸術的な才能を受け継いでいます。

例文内で使用した「off-the-cuff」については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、類似表現の「spitting image」については、以下の記事で詳しく解説しています。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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