洋書に出てくる英語表現0149:on the double【おすすめ英語フレーズ編129】

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「洋書に出てくる英語表現」の第149回は、フレーズ編の第129回として「on the double」を取りあげます。

On the doubleの意味と由来

直訳すると、「2倍で」となります。

この表現は軍隊の行進歩調を表す「ダブルマーチ(double march又はdouble time)」という軍事用語に由来します。「ダブルマーチ」とは、1分間に180歩という通常の2倍の歩調で行進することを意味します。1分間に180歩というと、よく軍事パレードのニュース映像で見るような、足を棒のようにまっすぐにした状態で歩いて行進するという感じではなく、みんなで並んで小走りするような形となります。そのように急いで2倍の歩調で行進する様子から、「on the double」は「大急ぎで」を意味するフレーズとして広く使用されるようになりました。

日本語では「大急ぎで」のほか、「急いで」、「駆け足で」、「さっさと」、「すぐに」などと訳されます。

On the doubleの英語による定義

very fast

洋書におけるon the doubleの出現頻度

AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

On the doubleの年代分布

1934年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1934年発行の『The Postman Always Rings Twice(邦題:郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす)』(J.M.ケイン = 作)で、最も新しい洋書は2017年発行の『Stan Lee: the man behind Marvel(邦題:スタン・リー:マーベル・ヒーローを創った男)』(ボブ・バチェラー = 著)でした。

On the doubleの出現パターン

on the doubleの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:on the double(主にアメリカとオーストラリア)
パターン2:at the double(主にイギリスとオーストラリア)

パターン1は主にアメリカとオーストラリアで「on the double」の形で使用されるもので、例文を挙げると次のようになります。

例文149-1)
I finished my homework on the double to play video games.
私は、テレビゲームをするために宿題を大急ぎで終わらせました。

パターン2は主にイギリスとオーストラリアで「at the double」の形で使用されるもので、意味は「on the double」と同じです。

例文149-2)
After finishing breakfast, I headed to the bus stop at the double.
朝食を終えた後、私は駆け足でバス停に向かいました。

洋書内の実例

on the doubleのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるon the doubleの使用例を紹介していきます。

 

まずは、主にアメリカとオーストラリアで「on the double」の形で使用されるパターン1から紹介します。

パターン1:on the double(主にアメリカとオーストラリア)

実例1(パターン1):Open: An Autobiography (2009)(邦題『OPEN:アンドレ・アガシの自叙伝』、アンドレ・アガシ = 著)より

THE NEXT MORNING, before breakfast, Gabriel comes for me again.
Office. On the double.
翌朝、朝食の前に、ゲイブリエルがふたたび僕のところに顔を出す。
オフィスヘ行くように。ただちに。

引用元:
(英語原著)Open: An Autobiography (2009) by Andre Agassi; Chapter 6
(日本語版)『OPEN:アンドレ・アガシの自叙伝』(アンドレ・アガシ = 著、川口由紀子 = 訳)、ベースボール・マガジン社(2012/5);第6章より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約7分30秒

4大大会通算8勝で、1996年のアトランタオリンピックでは金メタルも獲得したアメリカの元プロテニス選手、アンドレ・アガシは、14歳の頃、ニック・ボロテリー・テニス・アカデミーという所でテニスの腕を磨いていました。当時のアガシは反抗期真っ盛りで、ある夜にはアカデミーのオーナーであるニックのオフィスに侵入してある仕掛けをします。上記引用文は、こうした流れで出てくるもので、翌朝にニックのオフィスに「ただちに」行くように呼び出されたことが「on the double」を用いて表現されています。

実例2(パターン1):DARK WATER (2006)(日本語原著『仄暗い水の底から』、鈴木光司 = 著)より

He’d already completed what he’d come here to do. He heard a voice telling him to return to his post on the double. All the while, his curiosity was becoming harder to resist.
自分の仕事はもうすんでいる。さっさと持ち場へ戻れという声が聞こえた。だが、一方では、無闇に好奇心が膨らんでいった。

引用元:
(英語版)DARK WATER (2006) by KOJI SUZUKI, translated by Glynne Walley; VI – WATERCOLOURS
(日本語原著)『仄暗い水の底から』(鈴木光司 = 著)、角川書店(1996/2);ウォーター・カラーより

【単語ノート】
post [póust] = 持ち場、担当区域

実例3(パターン1):A Midsummer’s Equation: A Detective Galileo Mystery (2016)(日本語原著『真夏の方程式』、東野圭吾 = 著)より

“Speaking of which, got a moment?”
Kusanagi chuckled. “Didn’t you just tell me you needed this report done on the double?
「今、時間はあるか」
草薙は身体を揺すって笑った。「急いで報告書を仕上げろといったのは係長ですよ

引用元:
(英語版)A Midsummer’s Equation: A Detective Galileo Mystery (2016) by Keigo Higashino; translated by Alexander O. Smith; FOURTEEN
(日本語原著)『真夏の方程式』(東野圭吾 = 著)、文藝春秋(2011/6);14より
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【単語ノート】
Speaking of which = そういえば
chuckle = くすくすと笑う、声を出さずに笑う

実例4(パターン1):Hell’s Gate (2016)(邦題『地獄の門(上・下)』、ビル・シャット、J・R・フィンチ = 著)より

He took a deep breath. “Good morning, Captain MacCready. Welcome to Trinidad, sir. Major Hendry has been expecting you. I’m supposed to drive you to the meeting room on the double.
ジュリアーノが大きく息をついた。「おはようございます、マックレディ大尉。トリニダードへようこそ。ヘンドリー少佐がお待ちですので、すぐに会議室へお連れします

引用元:
(英語原著)Hell’s Gate (2016) by Bill Schutt; Chapter 1: Who Goes There?
(日本語版)『地獄の門(上・下)』(ビル・シャット、J・R・フィンチ = 著、押野慎吾 = 訳)、竹書房(2017/10);1(誰がそこへ向かう?)より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/11/26確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
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実例5(パターン1):Stan Lee: the man behind Marvel (2017)(邦題『スタン・リー:マーベル・ヒーローを創った男』、ボブ・バチェラー = 著)より

Returning to the office, he squawked in Lee’s ear about creating a new superhero team to match DC Comics . . . and on the double.
そういうわけで、オフィスに戻るやいなや、DCコミックスに負けないような新しいスーパーヒーローチームを作れとリーにがなり立てたのだ。しかも大急ぎでやれと

引用元:
(英語原著)Stan Lee: the man behind Marvel (2017) by Bob Batchelor; Prologue: Dawn of the Fantastic
(日本語版)『スタン・リー:マーベル・ヒーローを創った男』(ボブ・バチェラー = 著、高木均 = 訳)、草思社(2019/2);プロローグ(ファンタスティック・フォーの誕生)より

【単語ノート】
squawk [skwɔ’ːk] = わめき立てる、やかましい音を立てる

 

次は主にイギリスとオーストラリアで「at the double」の形で使用されるパターン2です。

パターン2:at the double(主にイギリスとオーストラリア)

実例6(パターン2):The Subtle Knife (1997)(邦題『神秘の短剣(ライラの冒険シリーズ2)』、フィリップ・プルマン = 著)より

But before they could do so, there was an interruption. From the alley at the side of the warehouse came the noise of pounding boots, moving at the double, and a shout of command: “Halt!”
けれども、その前に、じゃまが入った。倉庫のわきの路地から、かけ足で進むドシンドシンという音がし、大声で命令する声が聞こえた。
「とまれ!」

引用元:
(英語原著)The Subtle Knife (1997) by Philip Pullman; 10 THE SHAMAN
(日本語版)『神秘の短剣(ライラの冒険シリーズ2)』(フィリップ・プルマン = 著、大久保寛 = 訳)、新潮社(2000/4);下巻・10(シャーマン)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間3分9秒

【単語ノート】
alley [ǽli] = 裏通り、路地
warehouse = 倉庫
pound = ドシンドシン(ドタドタ)と歩く

実例7(パターン2):Kane and Abel (1979)(邦題『ケインとアベル』、ジェフリー・アーチャー = 著)より

Wladek did not understand what the soldier meant. He undressed quickly.
Follow me at the double!
ヴヮデクには相手の言葉の意味がわからなかった。彼は手早く服を脱いだ。
急速歩でついてこい

(中略)

‘Sir. This way, boy, at the double!
Wladek was led away by the corporal.
「かしこまりました。こっちへきなさい、駆足で
ヴワデクは伍長に導かれて副領事の部屋を出た。

引用元:
(英語原著)Kane and Abel (1979) by Jeffrey Archer; Book Two, Chapter 9
(日本語版)『ケインとアベル』(ジェフリー・アーチャー = 著、永井淳 = 訳)、新潮社(1981/5);上巻・第二部、9より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
corporal [kɔ’ːrpərəl] = 伍長

実例8(パターン2):Dreamcatcher (2001)(邦題『ドリームキャッチャー』、スティーヴン・キング = 著)より

Men (and a few women) passed everywhere around them, mostly at the double. Many were talking into lavalier mikes or walkie-talkies.
ふたりのまわりを、男たちが(くわえて若干の女たちも)おおむね駆け足で忙しく行きかっている。そのほとんどが襟に装着する小型マイクかトランシーバーをつかって、だれかと話をしていた。

引用元:
(英語原著)Dreamcatcher (2001) by Stephen King; PART TWO, CHAPTER THIRTEEN AT GOSSELIN’S
(日本語版)『ドリームキャッチャー(1・2・3・4)』(スティーヴン・キング = 著、白石朗 = 訳)、新潮社(2003/2[1・2]、2003/3[3・4]);ドリームキャッチャー3・第二部・十三 〈ゴッセリンズ〉にて、より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
lavalier [lævəlíər]= 宝石のペンダント、小型マイク
walkie-talkie [wɔ’ːkitɔ’ːki] = トランシーバー、無線機

On the doubleのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

on the double

on the doubleのイメージ画像1です。

  • 由来:1分間に180歩という通常の2倍の歩調で行進することを意味する軍事用語の「ダブルマーチ(double march又はdouble time)」から。
  • 意味:大急ぎで、駆け足で
  • 英語による定義:very fast
  • 出現頻度:AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:on the double(主にアメリカとオーストラリア)
    パターン2:at the double(主にイギリスとオーストラリア)
  • 例文
    I finished my homework on the double to play video games.
    私は、テレビゲームをするために宿題を大急ぎで終わらせました。
    After finishing breakfast, I headed to the bus stop at the double.
    朝食を終えた後、私は駆け足でバス停に向かいました。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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