洋書に出てくる英語表現0132:pick up the gauntlet【おすすめ英語フレーズ編115】

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「洋書に出てくる英語表現」の第132回は、フレーズ編の第115回として「pick up the gauntlet」を取りあげます。

Pick up the gauntletの意味と由来

直訳すると、「ガントレットを拾い上げる」となります。

ここでいう「ガントレット( gauntlet [ˈgɔntlət])」とは、前回の「throw down the gauntlet」でも説明したように、戦闘の際に手を守るために装着する手袋状の防具のことで、日本語ではよく籠手(こて)と称されます。

 

ガントレット(こて)の説明図

 

中世の騎士達は、相手に戦いを挑む際に相手の足元に「ガントレットを投げ下ろす(throw down the gauntlet)」ことによって挑戦の意思を表明していたことから、「throw down the gauntlet」は「戦いを挑む」を意味するフレーズとして使用されると前回説明しましたが、相手はこの「ガントレットを拾い上げる(pick up the gauntlet)」ことによって挑戦に応じる意思を表明していました。こうしたことから、「pick up the gauntlet」は「挑戦に応じる」を意味するフレーズとして使用されるようになりました(ただし、「throw down the gauntlet」ほど頻繁には使用されません)。

日本語では「挑戦に応じる」のほか、「(挑戦を)受けて立つ」などと訳されます。

「throw down the gauntlet」については以下の記事で詳しく解説しています。

Pick up the gauntletの英語による定義

accept a challenge

洋書におけるpick up the gauntletの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Pick up the gauntletの年代分布

1922年 – 2019年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1922年発行の『The Chessmen of Mars(邦題:火星のチェス人間)』(E・R・バローズ = 著)で、最も新しい洋書は2019年発行の『Crucible(邦題:AIの魔女(上・下))』(ジェームズ・ロリンズ = 著)でした。

Pick up the gauntletの出現パターン

pick up the gauntletの出現パターンは主に以下の3つに分類することができます。

パターン1:pick/take up the gauntlet(基本型・最頻出パターン)
パターン2:throw down the gauntletとともに使用するもの

パターン1は「pick up the gauntlet」又は「take up the gauntlet」の形で使用する基本型で、例文をあげると次のようになります。

例文132-1)
My seven-year old son challenged me to a game of ping-pong, so I picked up the gauntlet.
7歳の息子が卓球で勝負を挑んできたので、私は受けて立ちました。

パターン2は、「戦いを挑む」を意味する「throw down the gauntlet」とともに使用するもので、例文をあげると次のようになります。

例文132-2)
David took up the gauntlet thrown down by Goliath.
ダビデは、ゴリアテの挑戦を受けて立ちました。

例文132-3)
Goliath threw down the gauntlet, and David took it up.
ゴリアテは挑戦状を叩きつけ、ダビデはそれを受けて立ちました。

洋書内の実例

pick up the gauntletのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるpick up the gauntletの使用例を紹介していきます。

 

まずは、「pick up the gauntlet」又は「take up the gauntlet」の形で使用する基本型のパターン1から紹介します。

パターン1:pick/take up the gauntlet(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):THE PATH TO POWER (1995)(邦題『サッチャー 私の半生』 マーガレット・サッチャー = 著)より

Denis and I, our friends and most of my Party workers, felt that we now had to pick up the gauntlet and that the only way to do that was by calling and winning a general election.
デニスと私、私たちの友人、私の運動員たちは、われわれはいまこそ挑戦に応じるべきであり、そのためには総選挙をやって勝利するしかないと考えた。

引用元:
(英語原著)THE PATH TO POWER (1995) by Margaret Thatcher; PART ONE: CHAPTER VII No End of a Lesson
(日本語版)『サッチャー 私の半生〈上・下〉』(マーガレット・サッチャー = 著、石塚 雅彦 = 訳)、日本経済新聞社 (1995/8);上巻、第7章(数知れぬ教訓)より

【単語ノート】
general election = 総選挙

実例2(パターン1):Crucible (2019)(邦題『AIの魔女(上・下)』、ジェームズ・ロリンズ = 著)より

Jason began to explain, but Carly cut him off with a raised palm, looking to Mara instead.
ジェイソンが説明しかけたものの、カーリーは手のひらを向けて発言を制止すると、マラに説明を求めた。

Mara took up the gauntlet.
マラはその要求にこたえた。

引用元:
(英語原著)Crucible (2019) by James Rollins; Chapter 16
(日本語版)『AIの魔女(上・下)』(ジェームズ・ロリンズ = 著、桑田 健 = 訳)、竹書房(2020/4);上巻・第16章より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/11/2確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

実例3(パターン1):Puppet Master (2014)(日本語原著『模倣犯 (上・下)』、宮部みゆき = 著)より

HBS took up the gauntlet, as did Tagawa himself.
HBSは受けて立った。田川も然りである。

引用元:
(英語版)Puppet Master (2014) by Miyuki Miyabe, translated by Ginny Tapley Takemori; vol. 1, Chapter 16
(日本語原著)『模倣犯 (上・下)』(宮部みゆき = 著)、小学館(2001/4);上巻・第一部、16より

 

次は、「戦いを挑む」を意味する「throw down the gauntlet」とともに使用するパターン2です。

パターン2:throw down the gauntletとともに使用するもの

実例4(パターン2):Fifty Shades Darker (2011)(邦題『フィフティ・シェイズ・ダーカー』、ELジェイムズ = 著)より

He half smiles at me, but the smile doesn’t reach his eyes.
“Oh, baby, we both know that if you throw down the gauntlet I’ll be only too happy to pick it up.”
彼の唇は笑みらしきものを作った。でも、目はまるで笑っていない。
「ベイビー、きみも私も身に染みて知っているはずだよ — きみに挑戦状を叩きつけられると、私はかならず受けて立つ

引用元:
(英語原著)Fifty Shades Darker (2011) by E. L. James; Chapter Five
(日本語版)『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(ELジェイムズ = 著、池田真紀子 = 訳)、早川書房(2015/6);上巻・第5章より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

「the smile doesn’t reach his eyes」の部分にも注目して下さい。この文章は直訳すると「彼は私に向かって半分微笑んているけれども、その微笑みは目には届いていない」となり、日本語でもよく言う「口は笑っているけど、目は笑っていない」状態を意味しています。

「目は笑っていない」は、そのまま「his eyes aren’t smiling」のように表現しても通じますし、実際にそのように言うのですが、上記のようなreachを使うパターンもちょくちょく出てくるので覚えておくと良いと思います。

「目は笑っていない」の典型的な例文

He smiled, but it didn’t reach his eyes.
彼は微笑んだが、目は笑っていなかった。

実例5(パターン2):The Chessmen of Mars (1922)(邦題『火星のチェス人間』、E・R・バローズ = 著)より

“Chief’s Odwar to Princess’ Odwar’s fourth!” he commanded. It was the courageous move of a leader who had taken up the gauntlet thrown down by his opponent.
「王の将軍は王女の将軍の行の第四目へ!」と命令した。それは敵によって投じられた挑戦の手袋を取ってこれに応じた王の勇気ある移動だった

引用元:
(英語原著)The Chessmen of Mars (1922) by Edgar Rice Burroughs; CHAPTER XVII – A PLAY TO THE DEATH
(日本語版)『火星のチェス人間』(E・R・バローズ = 著、小西宏 = 訳)、グーテンベルク21(2013/3);十七(死の競技)より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/11/2確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

Pick up the gauntletのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

pick up the gauntlet

pick up the gauntletのイメージ画像1です。

  • 由来:中世の騎士達は、相手の足元に「ガントレット(籠手[こて])を投げ下ろす(throw down the gauntlet)」ことによって挑戦の意思を表明し、相手はこの「ガントレットを拾い上げる(pick up the gauntlet)」ことによって挑戦に応じる意思を表明していたことから。
  • 意味:挑戦に応じる、(挑戦を)受けて立つ
  • 英語による定義:accept a challenge
  • 出現頻度:B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:pick/take up the gauntlet(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:throw down the gauntletとともに使用するもの
  • 例文
    My seven-year old son challenged me to a game of ping-pong, so I picked up the gauntlet.
    7歳の息子が卓球で勝負を挑んできたので、私は受けて立ちました。
    David took up the gauntlet thrown down by Goliath.
    ダビデは、ゴリアテの挑戦を受けて立ちました。
    Goliath threw down the gauntlet, and David took it up.
    ゴリアテは挑戦状を叩きつけ、ダビデはそれを受けて立ちました。

関連表現の「throw down the gauntlet」については以下の記事で詳しく解説しています。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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