洋書に出てくる英語表現0110:water under the bridge【おすすめ英語フレーズ編93】

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「洋書に出てくる英語表現」の第110回は、フレーズ編の第93回として「water under the bridge」を取りあげます。

目次
  1. Water under the bridgeの意味と由来
  2. Water under the bridgeの英語による定義
  3. 洋書におけるwater under the bridgeの出現頻度
  4. Water under the bridgeの年代分布
  5. Water under the bridgeの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012)(邦題『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』、ケン・シーガル = 著)より
    2. 実例2(パターン1):You Never Give Me Your Money: THE BATTLE FOR THE SOUL OF THE BEATLES (2009)(邦題『ザ・ビートルズ 解散の真実』、ピーター・ドゲット = 著)より
    3. 実例3(パターン1):Hollywood Hulk Hogan (2002)(邦題『ハリウッド・ハルク・ホーガン:ハルク・ホーガン自伝』、ハリウッド・ハルク・ホーガン & マイケル・ジャン・フリードマン = 著)より
    4. 実例4(パターン1):’Salem’s Lot (1975)(邦題『呪われた町(上・下)』、スティーヴン・キング = 著)より
    5. 実例5(パターン2):THE DARK TOWER IV : Wizard and Glass (2003)(邦題『ダーク・タワーIV:魔道師と水晶球(上・中・下)』、スティーヴン・キング = 著)より
    6. 実例6(パターン2):Masters of War (2013)(邦題『戦場の支配者 : SAS部隊シリア特命作戦(上・下)』、クリス・ライアン = 著)より
    7. 実例7(パターン3):Carrie (1974)(邦題『キャリー』、スティーヴン・キング = 著)より
    8. 実例8(パターン3):What I Talk About When I Talk About Running (2008)(日本語原著『走ることについて語るときに僕の語ること』、村上春樹 = 著)より
    9. 実例9(パターン3):The Case of the Velvet Claws (1933)(邦題『ビロードの爪』、E・S・ガードナー = 著)より
    10. 実例10(パターン4):NIGEL MANSELL: My Autobiography (1995)(邦題『全開 マンセル自伝』、ナイジェル・マンセル + ジェイムス・アレン = 著)より
    11. 実例11(パターン4):THE DARK TOWER VII: The Dark Tower (2004)(邦題『ダーク・タワーVII:暗黒の塔(上・中・下)』、スティーヴン・キング = 著)より
    12. 実例12(パターン4):The Bishop Murder Case (1929)(邦題『僧正殺人事件』、ヴァン・ダイン = 著)より
    13. 実例13(パターン4):The Benson Murder Case (1926)(邦題『ベンスン殺人事件』、ヴァン・ダイン = 著)より
    14. 実例14(パターン5):THE ONLY WAY I KNOW (1997)(邦題『カル・リプケン・Jr. 我が道を信じて』、カル・リプケン・Jr、マイク・ブライアン = 著)より
    15. 実例15(パターン5):Raising the Bar: The Championship Years of Tiger Woods (2000)(邦題『新帝王伝説 タイガー・ウッズ 新たなる挑戦』、ティム・ロザフォート = 著)より
    16. 実例16(パターン5):Different Seasons (1982)(邦題『ゴールデンボーイ - 恐怖の四季 春夏編 – 』、スティーブン・キング = 著)より
  7. Water under the bridgeのまとめ

Water under the bridgeの意味と由来

直訳すると「橋の下の水」となります。

この「water under the bridge」という表現は様々な形で出てくるのですが、いずれの場合も「時の流れ」を「橋の下を流れる水」に例えているというところがポイントで、どれも「橋の下を(たくさんの)水が流れた」、つまり「(たくさんの)時が流れた」を意味しています。

しかし、そのニュアンスは様々で、

「たくさんの時が流れた」→「もう終わったことだ」「過去のことだ」「終わったことなのだから今さら言っても仕方がない

の意味で使用されることもあれば、

「たくさんの時が流れた」→「その間にいろんな事が起きた」「その間にいろんな事が起きて事情がかわってしまった

の意味で使用されることもあります。

このほか、

あなたと私の間には「たくさんの時が流れた」

だから、
→「お互いのことをよく理解しあえるようになった
→「あなたと私の間には強い絆や情が芽生えた

などのニュアンスで使用される場合もあります。

「もう終わったことだ」の意味で使用されることが最も多いのですが、このように文脈によっていろいろな意味を持ちますので注意が必要です。

Water under the bridgeの英語による定義

a lot of time has passed; over and done with; finished and irreversible

洋書におけるwater under the bridgeの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Water under the bridgeの年代分布

1926年 – 2013年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1926年発行の『The Benson Murder Case(邦題:ベンスン殺人事件)』(ヴァン・ダイン = 著)で、最も新しい洋書は2013年発行の『Masters of War(邦題:戦場の支配者 : SAS部隊シリア特命作戦(上・下))』(クリス・ライアン = 著)でした。

Water under the bridgeの出現パターン

water under the bridgeの出現パターンは主に以下の5つに分類することができます。

パターン1:It’s water under the bridge / That’s water under the bridge(基本型・最頻出パターン)
パターン2:water under the bridgeを単独のフレーズとして使用するもの
パターン3:There is構文の形で使うもの
パターン4:waterを主語にするもの
パターン5:water over the dam

パターン1は「It’s water under the bridge」や「That’s water under the bridge」の形で使用するもので、例文を挙げると次のようになります。

例文110-1)
He surely made a lot of mistakes, but that’s water under the bridge now. The present matters more than the past.
たしかに彼はたくさんの間違いを犯しましたが、もう終わったことです。大事なのは過去よりも現在です。

パターン2は、「water under the bridge」を文章としてではなく、単独のフレーズとして使用するもので、例文を挙げると次のようになります。

例文110-2)
When are you going to stop dwelling on the past? Water under the bridge. Forget about it.
いつまで過去を引きずるつもり? 終わったことでしょ。忘れてしまいなさい。

パターン3は、There is構文の形で使うもので、例文を挙げると次のようになります。

例文110-3)
In fact, I said so, but there’s been a lot of water under the bridge since then and things have changed.
たしかに私はそう言いました。でも、あれから多くの月日が流れて、事情が変わってしまったんです。

パターン4はwaterを主語に持ってくるもので、例文110-3)をこのパターンで書き換えると次のようになります。動詞としては、「run」の他にも「go」や「pass」が使用されます。

例文110-4)
In fact, I said so, but a lot of water has run under the bridge since then and things have changed.
たしかに私はそう言いました。でも、あれから多くの月日が流れて、事情が変わってしまったんです。

パターン5は、「bridge」の代わりに「dam」を用いて「water over the dam」の形で使用するものです。意味は「water under the bridge」と基本的に同じなのですが、ダムを超えて流れてしまった水は元には戻らない、との考えから、もっぱら「もう終わったことだ」、「過去のことだ」、「覆水盆に返らず」の意味で使用されます。例文110-1)をこのパターンで書き換えると次のようになります。

例文110-5)
He surely made a lot of mistakes, but that’s water over the dam now. The present matters more than the past.
たしかに彼はたくさんの間違いを犯しましたが、もう終わったことです。大事なのは過去よりも現在です。

「water over the dam」は主にアメリカで使用される表現で、「water under the bridge」はアメリカでもイギリスでもオーストラリアでも使用されますので、出現頻度としては「water under the bridge」の方がずっと高くなります。

洋書内の実例

water under the bridgeのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるwater under the bridgeの使用例を紹介していきます。

 

まずは、基本型のパターン1から紹介します。

パターン1:It’s water under the bridge / That’s water under the bridge(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012)(邦題『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』、ケン・シーガル = 著)より

It’s water under the bridge from a historical perspective, but being forced to leave the company he created was something that really affected Steve.
歴史的に見れば、今ではもう過去のことだが、自分が立ちあげた会社から追いだされるという出来事は、スティーブに大きな影響を及ぼした。

引用元:
(英語原著)INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012) by Ken Segall; Chapter 8 Think Human
(日本語版)『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』(ケン・シーガル = 著、高橋則明 = 訳、林 信行 = 監修・解説)、NHK出版(2012/5);第8章(人間を中心にする)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分

1985年、当時30歳のスティーブ・ジョブズはアップル社内の権力闘争に敗れて、半ば追い出されるような形でアップルを去ります。この英文では、それから多くの年月が過ぎ去ったことが「water under the bridge」を用いて表現されていて、「今ではもう過去のこと」と訳されています。

実例2(パターン1):You Never Give Me Your Money: THE BATTLE FOR THE SOUL OF THE BEATLES (2009)(邦題『ザ・ビートルズ 解散の真実』、ピーター・ドゲット = 著)より

‘But it’s not high up on anyone’s agenda. I’ve stopped sulking about it. It’s water under the bridge.’
「でもそれが、だれかの優先事項になることはなかった。もうその件で文句を言うのはやめにしたよ。過ぎてしまったことなんだから

引用元:
(英語原著)You Never Give Me Your Money: THE BATTLE FOR THE SOUL OF THE BEATLES (2009) by PETER DOGGETT; Chapter 8
(日本語版)『ザ・ビートルズ 解散の真実』(ピーター・ドゲット = 著、奥田祐士 = 訳)、イースト・プレス(2014/12);Chapter 8より

【単語ノート】
be high on the agenda = 優先事項である
sulk [sʌlk] = すねる、ふてくされる

実例3(パターン1):Hollywood Hulk Hogan (2002)(邦題『ハリウッド・ハルク・ホーガン:ハルク・ホーガン自伝』、ハリウッド・ハルク・ホーガン & マイケル・ジャン・フリードマン = 著)より

We had been at each other’s throats back in WCW, but that was water under the bridge.
俺たちはWCWで激しく争ってきたが、それはもう過ぎ去ったことだ

引用元:
(英語原著)Hollywood Hulk Hogan (2002) By Hulk Hogan; 66 Return
(日本語版)『ハリウッド・ハルク・ホーガン:ハルク・ホーガン自伝』(ハリウッド・ハルク・ホーガン & マイケル・ジャン・フリードマン = 著、株式会社ルミエール = 訳)、エンターブレイン(2003/4);第66章(復帰)より
(英語原著Audible版)Audible-要約版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約15分;要約版ですが、ハルク・ホーガン本人が朗読しています。

【単語ノート】
at each other’s throats = 激しく争って、いがみ合って

実例4(パターン1):’Salem’s Lot (1975)(邦題『呪われた町(上・下)』、スティーヴン・キング = 著)より

You were seven then. That’s twenty-five years of water under the bridge. Places change. Like people.
当時お前は七歳だった。あれから二十五年の歳月が過ぎ去ったのだ。土地だって変わらないはずがない。人間と同じようにだ。

引用元:
(英語原著)‘Salem’s Lot (1975) by Stephen King; Chapter One BEN (I)
(日本語版)『呪われた町(上・下)』(スティーヴン・キング = 著、永井淳 = 訳)、集英社(上:1983/5;下:1983/6);上巻・第一章 ベン(その一)より
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分20秒

この英文では、「二十五年の歳月が過ぎ去った」ことが「橋の下を流れた25年分の水」として表現されています。

 

次は、water under the bridgeを(文章ではなく)単独のフレーズとして使用するパターン2です。

パターン2:water under the bridgeを単独のフレーズとして使用するもの

実例5(パターン2):THE DARK TOWER IV : Wizard and Glass (2003)(邦題『ダーク・タワーIV:魔道師と水晶球(上・中・下)』、スティーヴン・キング = 著)より

All that’s history now, Susan — water under the bridge. Best to get your thoughts out of the past.
いまとなっては、それもみんな昔のこと、スーザン — 過ぎ去ったことなの。過去は振り返らないのが一番よ。

引用元:
(英語原著)THE DARK TOWER IV : Wizard and Glass (2003) by Stephen King; PART TWO SUSAN, CHAPTER VII ON THE DROP
(日本語版)『ダーク・タワーIV:魔道師と水晶球(上・中・下)』(スティーヴン・キング = 著、風間賢二 = 訳)、新潮社(2006/3);中巻・第二部(スーザン)・第七章(ドロップにて)より
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

実例6(パターン2):Masters of War (2013)(邦題『戦場の支配者 : SAS部隊シリア特命作戦(上・下)』、クリス・ライアン = 著)より

‘Let’s be honest with each other, kiddo,’ he said. ‘I’m not going to hurt you, and you’re not going to hurt me. Too much water under the bridge for that, right?
「お互い正直になろうぜ。おれは、おまえを痛めつけるつもりはねえ。おまえだって、このおれに手出しはしないだろ。そう簡単に断ち切れるようなものじゃないはずだ、おれたちの絆は。違うか?

引用元:
(英語原著)Masters of War (2013) by Chris Ryan; TWENTY-THREE
(日本語版)『戦場の支配者 : SAS部隊シリア特命作戦(上・下)』(クリス・ライアン = 著、石田享 = 訳)、竹書房(2015/7);下巻・逆転より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/19確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

この文章は、お互いを攻撃するには(「for that」)、「たくさんの時が流れすぎた(Too much water under the bridge)」ということで、「たくさんの時が流れた」が「強い絆や情が芽生えた」のニュアンスで使用されているパターンです。

 

次は、There is構文の形で使うパターン3です。

パターン3:There is構文の形で使うもの

実例7(パターン3):Carrie (1974)(邦題『キャリー』、スティーヴン・キング = 著)より

You probably think that’s cruel, but there’s been a lot of water under the bridge since Prom Night. And I’m not sorry for my appearance before the White Commission. I told the truth — as much of it as I knew.
酷ないいかただと思われるかもしれませんが、舞踏会の夜以来、あまりにも多くのことがおこりました。わたしはホワイト委員会で証言したことを後悔しておりません。わたしは真実を話しました — 知るかぎりの真実を。

引用元:
(英語原著)Carrie (1974) by Stephen King; PART TWO PROM NIGHT
(日本語版)『キャリー』(スティーヴン・キング = 著、永井淳 = 訳)、新潮社(1975);第二部(舞踏会の夜)より
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約3分

この文章は、「たくさんの時が流れた」が、「その間にいろんな事が起きた」の意味で使用されているパターンです。

実例8(パターン3):What I Talk About When I Talk About Running (2008)(日本語原著『走ることについて語るときに僕の語ること』、村上春樹 = 著)より

Generally, unless some great change takes place, rivers always look about the same, and the Charles River in particular looked totally unchanged. Time had passed, students had come and gone, I’d aged ten years, and there’d literally been a lot of water under the bridge.
川というのは、よほど大きな変化がない限りだいたい同じように見えるものだが、チャールズ河はとりわけ昔のままに見えた。歳月が経過し、学生たちの顔ぶれが入れ替わり、僕が十年ぶん年を取り、文字通りたくさんの水が橋の下を流れていった

引用元:
(英語版)What I Talk About When I Talk About Running (2008) by Haruki Murakami, translated from the Japanese by Philip Gabriel; One AUGUST 5, 2005 ・ KAUAI, HAWAII
(日本語原著)『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上春樹 = 著)、文藝春秋(2007/10);第1章(2005年8月5日 ハワイ州カウアイ島)より

実例9(パターン3):The Case of the Velvet Claws (1933)(邦題『ビロードの爪』、E・S・ガードナー = 著)より

“If I’m going to raise any money, I’ll have to make some arrangements to get it. You come back tomorrow morning, and I’ll let you know.”
“This thing is moving fast,” Mason told him. “There’ll be a lot of water go under the bridge between now and tomorrow morning.”
“Come back in two hours, then,” said Burke.
「金を工面するとなると、それ相応の準備をしなきゃならんからね。明朝、もう一度来てくれれば、そのときご返事しましょう」
「事件は、どんどん駆け足で動いているんですよ」と、メイスンは、相手にいって聞かせるように、いった。「いまから明日の朝までには、橋の下を流れる水だって、ゴマンと流れるでしょうよ
「では、二時間後に来てください」と、バークがいった。

引用元:
(英語原著)The Case of the Velvet Claws (1933) by Erle Stanley Gardner; Chapter 6
(日本語版)『ビロードの爪』(E・S・ガードナー = 著、能島武文 = 訳)、グーテンベルク21(2004/6);第六章より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/19確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

「water under the bridge」という表現は、通常は過去を振り返って「あれからたくさんの時が流れた」という意味で使うのですが、この文章では珍しく未来の事柄について「water under the bridge」が使われています。

明日の朝まで待っていたら、その間に橋の下を多くの水が流れてしまう、つまり「それでは遅すぎる」という意味で使用されています。

 

次は、waterを主語にして使用するパターン4です。

パターン4:waterを主語にするもの

実例10(パターン4):NIGEL MANSELL: My Autobiography (1995)(邦題『全開 マンセル自伝』、ナイジェル・マンセル + ジェイムス・アレン = 著)より

A lot of water has passed under the bridge since the dark days of 1992. As far as I’m concerned, Frank can speak to me anytime and I can speak to him. On a business and professional level all the bridges burned in 1992 are now repaired.
1992年に見通しが利かなくなって以来、計り知れないほどの水が橋の下を流れ去って行った。個人的には、フランクはいつだって私に連絡を取れたし、私もそうできたが、ビジネスとしてプロとしての分野では、1992年にはすべての橋が焼け落ちてしまっていた。もっとも、今では修復されたが。

引用元:
(英語原著)NIGEL MANSELL: My Autobiography (1995) by Nigel Mansell OBE with James Allen; 28 THE STAND DOWN FROM MCLAREN
(日本語版)『全開 マンセル自伝』(ナイジェル・マンセル + ジェイムス・アレン = 著、熊倉重春 = 訳)、二玄社(1996/10);第28章(大失敗だったマクラーレン)より

イギリスの元F1ドライバー、ナイジェル・マンセルは、1992年にウィリアムズ・ルノーのドライバーとしてF1のワールドチャンピオンを獲得するのですが、その後は契約問題のこじれからF1引退を表明し、翌1993年はアメリカのインディカー・シリーズに参戦します。

1993年に参戦一年目でインディカー・シリーズのタイトルを獲得したマンセルは、1994年にインディカー・シリーズに参戦しながら、F1にもウィリアムズからスポット的に参戦し、最終戦のオーストラリアグランプリでは勝利も挙げています。

上記引用文はF1に復帰した1994-95年当時について記載したもので、「フランク」とは契約問題でもめたF1チーム・ウィリアムズのオーナーのフランク・ウィリアムズを指しています。

契約問題がこじれてF1引退を表明した1992年から1995年までは3年ほどしか経っていないのですが、この英文ではその時の流れが「A lot of water has passed under the bridge」と表現されていて、ここでは「計り知れないほどの水が橋の下を流れ去って行った」と訳されています。

実例11(パターン4):THE DARK TOWER VII: The Dark Tower (2004)(邦題『ダーク・タワーVII:暗黒の塔(上・中・下)』、スティーヴン・キング = 著)より

A goddamned lot of water had gone under the bridge since That Day, but Wendell “Chip” McAvoy knew the man who’d caused all the trouble the moment he stepped through the door.
ああ、”あの日”からたくさんの水が橋の下を流れた。だが、ウェンデル・”チップ”・マカヴォイは、すべての問題の元凶の男を知っていた。

引用元:
(英語原著)THE DARK TOWER VII: The Dark Tower (2004) by Stephen King; PART THREE: IN THIS HAZE OF GREEN AND GOLD, Chapter I: Mrs. Tassenbaum Drives South VES’-KA GAN
(日本語版)『ダーク・タワーVII:暗黒の塔(上・中・下)』(スティーヴン・キング = 著、風間賢二 = 訳)、新潮社(2006/11-2007/1);中巻・第三部(この緑と金色のもやのなかで ヴェス・カ・ギャン)、第一章(ミセス・タッセンバウム、南へ車を走らせる)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間9分51秒

【単語ノート】
goddamned (= damned) = とても、すごく、ひどく(強意語)

実例12(パターン4):The Bishop Murder Case (1929)(邦題『僧正殺人事件』、ヴァン・ダイン = 著)より

But much water had run under the bridge since that first encounter in the murdered Alvin’s garish living-room; and between Heath and Vance there had grown up a warm attachment, based on a mutual respect and a frank admiration for each other’s capabilities.
しかし、被害者アルヴィンのけばけばしい居間での初見参から、ずいぶん月日が経っていた。ヒースとヴァンスの間には、お互いの尊敬と、相手の才能への率直な賞讃をもとにして、いつか温かい感情が通じ合うようになっていたのである。

引用元:
(英語原著)The Bishop Murder Case (1929) by S. S. Van Dine; CHAPTER II ON THE ARCHERY RANGE
(日本語版)『僧正殺人事件』(ヴァン・ダイン = 著、鈴木幸夫 = 訳)、グーテンベルク21(2003/10);第二章(弓術場にて)より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/19確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

【単語ノート】
garish [ˈgɛrɪʃ/ˈgeərɪʃ] = けばけばしい、派手すぎる
frank = 率直な
admiration [ˌædməˈreɪʃən]= 賞賛、感嘆

この文章は、実例6と同様に「たくさんの時が流れた」が、「強い絆や情が芽生えた」のニュアンスで使用されているパターンです。

実例13(パターン4):The Benson Murder Case (1926)(邦題『ベンスン殺人事件』、ヴァン・ダイン = 著)より

A lot of water has run under the bridge since then,” he said. “The woman I had in mind was eliminated as soon as we began to check up on her.
あれから、いろいろとありましてね。わたしが目をつけていた女は、調べた結果、すぐ容疑者リストから消えました。

引用元:
(英語原著)The Benson Murder Case (1926) by S. S. Van Dine; CHAPTER XIV LINKS IN THE CHAIN
(日本語版)『ベンスン殺人事件』(ヴァン・ダイン = 著、井内雄四郎 = 訳)、グーテンベルク21(2006/2);十四(鎖の環)より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/19確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

 

最後は「bridge」の代わりに「dam」を用いて「water over the dam」の形で使用するパターン5です。

パターン5: water over the dam

実例14(パターン5):THE ONLY WAY I KNOW (1997)(邦題『カル・リプケン・Jr. 我が道を信じて』、カル・リプケン・Jr、マイク・ブライアン = 著)より

Depending on the situation, he says either “That’s water under the bridge” or “That’s water over the dam” or “I’ll cross that bridge when I come to it.”
状況によって、父の言うことは次のどれかと決まっている。「もう終わったことだ」。「いまさら言っても始まらない」「時機がくればやるさ」

引用元:
(英語原著)THE ONLY WAY I KNOW (1997) by Cal Ripken, Jr. & Mike Bryan; Chapter Two
(日本語版)『カル・リプケン・Jr. 我が道を信じて』(カル・リプケン・Jr、マイク・ブライアン = 著、鈴澤 一 = 訳)、TOKYO FM出版(1998/11);2(リプケン家)より

「I’ll cross that bridge when I come to it」という表現にも注目してください。直訳すると、「その橋の前まできたらその橋を渡る」となります。

もう少しわかりやすく言うと「その橋のことは橋のところまできたら考える」、「まだ橋のところまで来ていないのに今から橋のことをあれこれ心配しても仕方がない」となり、「しかるべき時機がくればちゃんとやります」というようなニュアンスで使用されます。面倒なことなどを後回しにするときによく使用される表現です。

実例15(パターン5):Raising the Bar: The Championship Years of Tiger Woods (2000)(邦題『新帝王伝説 タイガー・ウッズ 新たなる挑戦』、ティム・ロザフォート = 著)より

But it’s over with, it’s done, water over the dam. For some reason out there, shit sells.
だけど、もう終わったことだ。過ぎてしまったのだから仕方ない。わたしの発言が大げさに宣伝されたんだ。

引用元:
(英語原著)Raising the Bar: The Championship Years of Tiger Woods (2000) BY TIM ROSAFORTE; Chapter 30. ACCESS DENIED
(日本語版)『新帝王伝説 タイガー・ウッズ 新たなる挑戦』(ティム・ロザフォート = 著、小林浩子 = 訳)、文藝春秋(2001/05);30章(高すぎたハードル)より

実例16(パターン5):Different Seasons (1982)(邦題『ゴールデンボーイ - 恐怖の四季 春夏編 – 』、スティーブン・キング = 著)より

‘What in the world for?’
‘Just curiosity, I guess. It’s all water over the dam now. But about four years ago, Todd got himself into a real crack with his grades. They were so bad I had to send a letter home with his report-card requesting a conference with a parent, or, ideally, with both of his parents. What I got was his grandfather, a very pleasant man named Victor Bowden.’
「いったいどういうわけで?」
「たんなる好奇心、だと思います。もう、あれはとっくに過ぎたことです。しかし、三年ほど前に、トッドの成績がガタ落ちしたことがあるんです。あんまりひどい成績なので、通知票といっしょに、親御さんのどちらか、理想的にはご両親と懇談したい、という手紙を渡しました。父兄懇談に見えたのは、トッドのお祖父さんでした。ヴィクター・ボウデンと名乗る、たいへん感じのいい方でした」

引用元:
(英語原著)Different Seasons (1982) by Stephen King; APT PUPIL
(日本語版)『ゴールデンボーイ - 恐怖の四季 春夏編 – 』(スティーブン・キング = 著、朝倉 久志 = 訳)、新潮社(1988/3);ゴールデンボーイ — 転落の夏 —、より

Water under the bridgeのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

water under the bridge

water under the bridgeのイメージ画像1です。

  • 意味と由来:「時の流れ」を「橋の下を流れる水」に例えた表現で、「water under the bridge」は「橋の下を(たくさんの)水が流れた」、つまり「たくさんの時が流れた」を意味します。ある出来事や出会いなどから「たくさんの時が流れた」ことから、転じて「もう終わったことだ」、「過去のことだ」、「あれからいろんな事が起きた」、「強い絆や情が芽生えた」など、さまざまなニュアンスで使用されます。
  • 英語による定義:a lot of time has passed; over and done with; finished and irreversible
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:It’s water under the bridge / That’s water under the bridge(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:water under the bridgeを単独のフレーズとして使用するもの
    パターン3:There is構文の形で使うもの
    パターン4:waterを主語にするもの
    パターン5:water over the dam
  • 例文
    He surely made a lot of mistakes, but that’s water under the bridge now. The present matters more than the past.
    たしかに彼はたくさんの間違いを犯しましたが、もう終わったことです。大事なのは過去よりも現在です。
    When are you going to stop dwelling on the past? Water under the bridge. Forget about it.
    いつまで過去を引きずるつもり? 終わったことでしょ。忘れてしまいなさい。
    In fact, I said so, but there’s been a lot of water under the bridge since then and things have changed.
    たしかに私はそう言いました。でも、あれから多くの月日が流れて、事情が変わってしまったんです。
    In fact, I said so, but a lot of water has run under the bridge since then and things have changed.
    たしかに私はそう言いました。でも、あれから多くの月日が流れて、事情が変わってしまったんです。
    He surely made a lot of mistakes, but that’s water over the dam now. The present matters more than the past.
    たしかに彼はたくさんの間違いを犯しましたが、もう終わったことです。大事なのは過去よりも現在です。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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