洋書に出てくる英語表現0108:stick one’s neck out【おすすめ英語フレーズ編91】

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「洋書に出てくる英語表現」の第108回は、フレーズ編の第91回として「stick one’s neck out」を取りあげます。

目次
  1. Stick one’s neck outの意味と由来
  2. Stick one’s neck outの英語による定義
  3. 洋書におけるstick one’s neck outの出現頻度
  4. Stick one’s neck outの年代分布
  5. Stick one’s neck outの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1:THE LAST LECTURE (2008)(邦題『最後の授業 ぼくの命があるうちに』、ランディ・パウシュ / ジェフリー・ザスロー = 著)より
    2. 実例2:Hero (The Secret) (2013)(邦題『ヒーロー:The Secret』 ロンダ・バーン = 著)より
    3. 実例3:Sleeping Murder (1976)(邦題『スリーピング・マーダー:ミス・マープル最後の事件』、アガサ・クリスティー = 著)より
    4. 実例4:At Bertram’s Hotel (1965)(邦題『バートラム・ホテルにて』、アガサ・クリスティー = 著)より
    5. 実例5:2061: Odyssey Three (1987)(邦題『2061年宇宙の旅』、アーサー・C.クラーク = 著)より
    6. 実例6:Mastodonia (1978)(邦題『マストドニア』、クリフォード・D.シマック = 著)より
    7. 実例7:INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012)(邦題『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』、ケン・シーガル = 著)より
    8. 実例8:My Life (2004)(邦題『マイライフ:クリントンの回想』 ビル・クリントン = 著)より
    9. 実例9:The Genius Plague (2017)(邦題『天才感染症(上・下)』、デイヴィッド・ウォルトン = 著)より
  7. Stick one’s neck outのまとめ

Stick one’s neck outの意味と由来

直訳すると、「首を突き出す」となります。

この表現の由来についてはいくつか説があるのですが、1つはボクシングの試合に由来するという説です。ボクシングでは、グローブを顔の前に構えて相手のパンチが当たらないようにガードしますが、相手を挑発したり、膠着した試合に動きをもたらしたい場合などには、わざとガードを下げて相手の方に「首を突き出す」ことがあります。

このようにガードを下げて首を突き出すと、相手のパンチを受けやすくなることから、この「stick one’s neck out」という表現は「あえて危険を冒す」を意味するフレーズとして広く使用されるようになりました。

日本語では「あえて危険を冒す」のほか、「危ない橋を渡る」、「危険を顧みずに行動する」、「自らの身を危険にさらす」などと訳されます。

このほか、食肉処理場で鶏の首を切り落とす際に首を引っ張って前に突き出させていたことに由来するという説もあります。

Stick one’s neck outの英語による定義

take a great risk

洋書におけるstick one’s neck outの出現頻度

AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Stick one’s neck outの年代分布

1937年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1937年発行の『Galactic Patrol(邦題:銀河パトロール隊)』(E.E.スミス = 著)で、最も新しい洋書は2017年発行の『The Genius Plague(邦題:天才感染症(上・下))』(デイヴィッド・ウォルトン = 著)でした。

Stick one’s neck outの出現パターン

stick one’s neck outの用法に特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。

例文を挙げると次のようになります。

例文108-1)
I stuck my neck out and started my own business at age 40.
私は40歳の時に危険を冒して自分のビジネスを始めました。

例文108-2)
I know I’m sticking my neck out, but someone must do it after all.
危険を冒していることは分かっています。でも結局は誰かがやらないといけないんです。

例文108-3)
He only cares about himself. He will never stick his neck out for anyone else.
彼が気にかけているのは自分のことだけです。彼が誰か他の人のために自らの身を危険にさらすことなどありえません。

例文108-4)
Why should I stick my neck out for you? What have you done for me so far?
なぜ私があなたのために危ない橋を渡らないといけないんですか?あなたはこれまで私のために何をしてくれたのですか?

洋書内の実例

stick one's neck outのイメージ画像2です。

 

それでは、実際に洋書内にみられるstick one’s neck outの使用例を紹介していきます。

実例1:THE LAST LECTURE (2008)(邦題『最後の授業 ぼくの命があるうちに』、ランディ・パウシュ / ジェフリー・ザスロー = 著)より

“You’re a junior faculty member,” he said. “You’re not even tenured yet. Why are you sticking your neck out and making this the battle you want to undertake?”
「きみは新参の教授じゃないか。まだ終身在職権もない。なぜ危険を冒してまで、こんな論争を挑むのか」

引用元:
(英語原著)THE LAST LECTURE (2008) By Randy Pausch with Jeffrey Zaslow; V IT’S ABOUT HOW TO LIVE YOUR LIFE
(日本語版)『最後の授業 ぼくの命があるうちに』(ランディ・パウシュ / ジェフリー・ザスロー = 著、矢羽野 薫 = 訳)、武田ランダムハウスジャパン(2013/7);第5章(人生をどう生きるか)より

【単語ノート】
faculty = 教授陣
tenured = 終身在職権を有する

2008年に膵臓癌のために47歳で亡くなったカーネギーメロン大学の終身教授ランディ・パウシュによる『THE LAST LECTURE(邦題:最後の授業 ぼくの命があるうちに)』からの引用です。

1990年代前半、ランディ・パウシュの研究室の有力なメンバーだったデニスという学部生は成績優秀であったにもかかわらず、計算法のクラスでF(落第)の成績をとります。彼は、そのクラスを除けば、ほぼすべてAの優等生だったのですが、研究室の仕事に熱中しすぎたために計算法のクラスから足が遠のいてしまったことが原因でした。

こうしたデニスの極端な成績が学部長の目にとまり、学部長はデニスを除籍しようとします。「F」の成績というのは能力の問題ではなく態度の問題だ、というのが学部長の言い分でした。

ランディ・パウシュは、このデニスという学部生のために立ち上がり、最後には、彼が大学側を訴えれば私は彼のために証言するかもしれませんよ、といって半分脅しのような強い態度に出ます。

上記引用文はこうした流れで出てくる学部長の言葉で、ランディ・パウシュが「危険を冒して」学部長に楯突く様子が「stick one’s neck out」を用いて表現されています。

実例2:Hero (The Secret) (2013)(邦題『ヒーロー:The Secret』 ロンダ・バーン = 著)より

I always tell students to start your business out of college. What’s the worst thing that can happen to you? You can go live with your parents. It is not about experience – just stick your neck out and start your business.
私は学生に、大学を卒業したらすぐビジネスを始めるようにて言い間かせています。起こりうる最悪のケースは何でしょうか? その時は、両親と一緒に住めば良いのです。経験は関係ありません。リスクを冒して自分のビジネスを始めればいいのです

引用元:
(英語原著)Hero (The Secret) (2013) by Rhonda Byrne; Part One (THE DREAM)
(日本語版)『ヒーロー:The Secret』(ロンダ・バーン = 著、山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子 = 訳)、KADOKAWA(2015/2);第一部(夢)より引用

実例3:Sleeping Murder (1976)(邦題『スリーピング・マーダー:ミス・マープル最後の事件』、アガサ・クリスティー = 著)より

‘People say a murderer always repeats his crimes. That’s not true. There’s a type who commits a crime, manages to get away with it, and is darned careful never to stick his neck out again.
「殺人者はかならず犯行をくり返すという。が、それは真実ではない。罪を犯しておいて、まんまと法の網をのがれ、二度と危ない橋を渡らないよう細心の注意を払うタイプの犯罪者だっているのだ。

引用元:
(英語原著)Sleeping Murder (1976) by Agatha Christie; Chapter 5 – Murder in Retrospect
(日本語版)『スリーピング・マーダー:ミス・マープル最後の事件』(アガサ・クリスティー = 著、綾川梓 = 訳)、早川書房(1977);5(回想の中の殺人)より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
murderer = 殺人者、殺人犯
darned (=damned) = とても、極めて

実例4:At Bertram’s Hotel (1965)(邦題『バートラム・ホテルにて』、アガサ・クリスティー = 著)より

There was no immediate response. Everyone looked a little uncertain and doubtful.
“Come on,” said Father, “I’ll stick my neck out first.
すぐには反応が表われなかった。みんな確信がなくとまどった様子だった。
じゃ、わたしがまず口火を切ろう」とおやじさんが話しだした。

引用元:
(英語原著)At Bertram’s Hotel (1965) by Agatha Christie; 4
(日本語版)『バートラム・ホテルにて』(アガサ・クリスティー = 著、乾信一郎 = 訳)、早川書房(1969);第四章より

As he moved away along the street, he stopped suddenly. He took out his notebook and put down a name and an address–no time to lose. He went into a telephone box. He was going to stick out his neck. Come hell or high water, he was going all out on a hunch.
通りへ出て歩きだしたデイビーは、ふと立ちどまった。手帳を取りだすと、ある名前と住所を書きつけた — 大急ぎで。電話ボックスヘ入った。一か八かやってなる気になっていた。地獄だろうと高潮だろうと、この勘にすべてをかけようと思った。

引用元:
(英語原著)At Bertram’s Hotel (1965) by Agatha Christie; 15
(日本語版)『バートラム・ホテルにて』(アガサ・クリスティー = 著、乾信一郎 = 訳)、早川書房(1969);第十五章より

【単語ノート】
come hell or high water = たとえ何が起ころうとも

実例5:2061: Odyssey Three (1987)(邦題『2061年宇宙の旅』、アーサー・C.クラーク = 著)より

I’d still be willing to stick my neck out, if you insist. After all, no-one can stop me – and we’ll all be heroes when we get back to Earth.’
きみが頑張るなら、それでも喜んで体を張るよ。どうせ、わたしを止めることは誰にもできないんだ — それに、地球に戻れば、われわれ全員が英雄だからな」

引用元:
(英語原著)2061: Odyssey Three (1987) by Arthur C. Clarke; 46 Shuttle
(日本語版)『2061年宇宙の旅』(アーサー・C.クラーク = 著、山高昭 = 訳)、早川書房(1988/7);46(シャトル)より
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分53秒

実例6:Mastodonia (1978)(邦題『マストドニア』、クリフォード・D.シマック = 著)より

I’d like to accommodate him, but I can’t stick my neck out. He didn’t like it. He got a little nasty.
便宜を図ってやりたいのは山々だが、危険を冒すわけにはゆかない。彼はそれが気にくわなかったらしく、ちょっとむっとしたようすだった。

引用元:
(英語原著)Mastodonia (1978) by Clifford D. Simak; TWENTY-SIX
(日本語版)『マストドニア』(クリフォード・D.シマック = 著、日夏響 = 訳)、早川書房(1980/10);26より
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分42秒

【単語ノート】
nasty = 不快な、意地悪な

実例7:INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012)(邦題『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』、ケン・シーガル = 著)より

For Simplicity to gain the upper hand, there must be someone in the room willing to stick his neck out for it.
シンプルさにその場を支配させるためには、部屋にいた誰かが危険を顧みずに行動しなければならなかった

引用元:
(英語原著)INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012) by Ken Segall; Chapter 9 Think Skeptic
(日本語版)『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』(ケン・シーガル = 著、高橋則明 = 訳、林 信行 = 監修・解説)、NHK出版(2012/5);第9章(不可能を疑う)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分

【単語ノート】
gain the upper hand = 優位に立つ、支配する

実例8:My Life (2004)(邦題『マイライフ:クリントンの回想』 ビル・クリントン = 著)より

I was very impressed by Crowe’s straightforward, down-home manner and deeply grateful that he would stick his neck out for someone he barely knew but had come to believe in.
わたしはその率直で飾らない人柄に感銘を受けるとともに、知り合いでもない人間をこれと見込んで、面倒も顧みずに支持してくれたことに対し、心の底からありがたく思った。

引用元:
(英語原著)My Life (2004) by Bill Clinton; Chapter 28
(日本語版)『マイライフ:クリントンの回想』(ビル・クリントン = 著、楡井浩一 = 訳)、朝日新聞社(2004/9);上巻、第28章より引用
(英語原著Audible版)Audible-要約版一冊無料!Audible無料体験):Audible版はクリントンさん本人が朗読していてリスニングの練習に最適です。サンプル再生時間;約10分

【単語ノート】
down-home = 素朴な、飾らない、田舎風の

実例9:The Genius Plague (2017)(邦題『天才感染症(上・下)』、デイヴィッド・ウォルトン = 著)より

It made sense, then. Her willingness to make me an offer, despite my lack of a degree, and then sticking out her neck to defend me when I was arrested. It was because of my father.
これで納得がいった。メロディが学位もないぼくを採用したのも、わざわざ面倒に首を突っこんでつかまったぼくを助けてくれたのも、父のおかげだったのだ。

引用元:
(英語原著)The Genius Plague (2017) by David Walton; CHAPTER 10
(日本語版)『天才感染症(上・下)』(デイヴィッド・ウォルトン = 著、押野慎吾 = 訳)、竹書房(2018/8);10より
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
degree = 程度;学位

Stick one’s neck outのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

stick one’s neck out

stick one's neck outのイメージ画像1です。

  • 由来:ボクシングの試合でガードを下げて「首を突き出す(stick one’s neck out)」ことは、相手のパンチを受けやすい危険な状態にあえて自らの身をさらすことを意味することから。
  • 意味:あえて危険を冒す、危ない橋を渡る、危険を顧みずに行動する、自らの身を危険にさらす
  • 英語による定義: take a great risk
  • 出現頻度:AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン:特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。
  • 例文
    I stuck my neck out and started my own business at age 40.
    私は40歳の時に危険を冒して自分のビジネスを始めました。
    I know I’m sticking my neck out, but someone must do it after all.
    危険を冒していることは分かっています。でも結局は誰かがやらないといけないんです。
    He only cares about himself. He will never stick his neck out for anyone else.
    彼が気にかけているのは自分のことだけです。彼が誰か他の人のために自らの身を危険にさらすことなどありえません。
    Why should I stick my neck out for you? What have you done for me so far?
    なぜ私があなたのために危ない橋を渡らないといけないんですか?あなたはこれまで私のために何をしてくれたのですか?

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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