「洋書に出てくる英語表現」の第100回は、フレーズ編の第83回として「the penny drops」を取りあげます。
- The penny dropsの意味と由来
- The penny dropsの英語による定義
- 洋書におけるthe penny dropsの出現頻度
- The penny dropsの年代分布
- The penny dropsの出現パターン
- 洋書内の実例
- 実例1(パターン1):Paranormality: Why We See What Isn’t There (2011)(邦題『超常現象の科学 : なぜ人は幽霊が見えるのか』、リチャード・ワイズマン = 著)より
- 実例2(パターン1):FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013)(邦題『ウサイン・ボルト自伝』 ウサイン・ボルト = 著)より
- 実例3(パターン1):JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より
- 実例4(パターン1):Never Let Me Go (2005)(邦題『わたしを離さないで』、カズオ・イシグロ = 著)より
- 実例5(パターン1):Fantastic Beasts and Where to Find Them: The Original Screenplay (2016)(邦題『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 : 映画オリジナル脚本版』、J.K.ローリング = 著)より
- 実例6(パターン1):11/22/63 (2011)(邦題『11/22/63 (上・下) 』、スティーヴン・キング = 著)より
- 実例7(パターン1):DAN CARTER: The Autobiography of an All Blacks Legend (2015)(邦題『ダン・カーター自伝:オールブラックス伝説の10番』、 ダン・カーター/ダンカン・グレイブ = 著)より
- 実例8(パターン2):What If This Is Heaven? (2016) (邦題『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』、アニータ・ムアジャーニ = 著)より
- 実例9(パターン2):THE BIG SHORT: Inside the doomsday machine (2010)(邦題『世紀の空売り:世界経済の破綻に賭けた男たち』、マイケル・ルイス = 著)より
- 実例10(パターン3):JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より
- The penny dropsのまとめ
The penny dropsの意味と由来
直訳すると、「ペニーが落ちる」となります。
「ペニー」とはペニー硬貨を指していて、この表現はペニー硬貨を投入して遊ぶスロットマシンやゲーム機器が、投入したペニー硬貨が落ちた瞬間に動き出すことに由来します。
このように投入したペニー硬貨が機械の中でチャリンと音を立てて落ちた瞬間に、それまで死んだように動かなかった機械が息を吹き返したかのように突然活発に動き出す様子は、それまで疑問に思っていたことがあることをきっかけに突然はっきりと理解できるようになる様子に似ていることから、この「the penny drops」という表現は「(それまで疑問に思っていたことを)ようやく理解する」という意味で使用されるようになりました。
日本語では「ようやく理解する」のほか、「目から鱗が落ちる」、「合点がいく」、「すべてを悟る」、「ピンとくる」、「はたと気付く」、「疑問が氷解する」などと訳されます。
なお、この表現は主にイギリスとオーストラリアで使用されます。
The penny dropsの英語による定義
someone finally understands something
洋書におけるthe penny dropsの出現頻度
A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)
The penny dropsの年代分布
1995年 – 2018年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)
当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1995年発行の『Hard Frost(邦題:フロスト気質 (上・下))』(R.D.ウィングフィールド = 著)で、最も新しい洋書は2018年発行の『The Tattoo Thief(邦題:刺青強奪人(上・下))』(アリソン・ベルシャム = 著)でした。
The penny dropsの出現パターン
the penny dropsの出現パターンは主に以下の3つに分類することができます。
パターン1:The penny drops(基本型・最頻出パターン)
パターン2:The penny drops for(人)
パターン3:penny-droppingの形で形容詞として使用するもの
パターン1は「The penny drops」の形で使用する基本型で、このパターンが最も多く見られます。例文を挙げると次のようになります。
例文100-1)
For years I had wondered why I couldn’t live an ideal life, but the penny finally dropped while I was reading the book.
なぜ自分が理想的な人生を歩むことができないのか長年疑問に思っていたのですが、その本を読んでいるうちにようやく理解することができました。
パターン2は何かをようやく理解したのが誰なのかを明確にするために、「The penny drops」の後に「for(人)」を入れるもので、例文を挙げると次のようになります。
例文100-2)
The penny dropped for me when I saw the picture he had hidden in the drawer.
彼が引き出しの中に隠していた写真を見たとき、私はすべてを悟りました。
パターン3は、「penny-dropping」の形で形容詞として使用するもので、例文を挙げると次のようになります。
例文100-3)
Yesterday, I attended a self-help seminar. Until then I had been skeptical about that kind of seminars, but it was a penny-dropping experience.
昨日、私はある自己啓発セミナーに参加しました。私は、それまでその手のセミナーは怪しいと思っていたのですが、目から鱗が落ちるような体験でした。
洋書内の実例
それでは、実際に洋書内にみられるthe penny dropsの使用例を紹介していきます。
まずは、 基本型のパターン1から紹介します。
パターン1:The penny drops(基本型・最頻出パターン)
実例1(パターン1):Paranormality: Why We See What Isn’t There (2011)(邦題『超常現象の科学 : なぜ人は幽霊が見えるのか』、リチャード・ワイズマン = 著)より
Suddenly, the penny dropped. Before then I hadn’t seriously considered carrying out any research into paranormal phenomena.
それを聞いたとたん、私の目からうろこが落ちた。それまで私は超常現象を研究しようなどと、まじめに考えたことはなかった。
引用元:
(英語原著)Paranormality: Why We See What Isn’t There (2011) by Richard Wiseman; Introduction
(日本語版)『超常現象の科学 : なぜ人は幽霊が見えるのか』(リチャード・ワイズマン = 著、木村博江 = 訳)、文藝春秋(2012/2);あなたの知らない世界へ、より
(英語原著Audible版)Audible-完全版(一冊無料!Audible無料体験
)
【単語ノート】
paranormal = 超常的な、科学では証明のできない
phenomena = 現象(
phenomenonの複数形)
paranormal phenomenon = 超常現象
この本の著者のリチャード・ワイズマンは、8歳の時にはじめて見た手品に魅了されて以来、マジックの研究に没頭し、権威あるマジック・サークルの最年少メンバーとなります。著者によると、客に対して手品のからくりを考える隙を与えずに、目の前の出来事を誤って記憶させるのがマジシャンで、こうした客の反応や行動に興味を持った著者はロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの心理学部に入学します。
著者は、多くのマジシャンと同様に超常現象に関しては懐疑的でさほど関心を持っていなかったのですが、心理学部の一年目にたまたま超常現象に関するテレビ番組で聞いた心理学者のコメントに大きく影響を受けて、超常現象の調査を行うようになります。
そのコメントとは、超常現象が本物かどうかを調べるのではなく、人がなぜそのような不思議な現象を体験するのかを探る方が面白いという内容のものでした。
こうした流れで出てくるのが上記引用文で、このコメントに衝撃を受けた著者の心境が「the penny dropped」と表現されていて、ここでは「私の目からうろこが落ちた」と訳されています。
実例2(パターン1):FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013)(邦題『ウサイン・ボルト自伝』 ウサイン・ボルト = 著)より
The only way he could have looked any more chilled was if he’d been eating an ice cream at the same time. That’s when the penny dropped.
彼がそんなリラックスした様子を見せるのは、たぶんアイスクリームを食べるときだけだ。俺は、すべてを悟った。
引用元:
(英語原著)FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013) by USAIN BOLT with Matt Allen;CHAPTER TEN Now Get Yours
(日本語版)『ウサイン・ボルト自伝』(ウサイン・ボルト = 著、生島淳 = 訳)、集英社インターナショナル(2015/5);第10章(自分のものをつかみとれ!)より
【単語ノート】
chilled = 冷却された;リラックスした
2008年8月16日、「史上最速のスプリンター」と称されるジャマイカのウサイン・ボルトは、北京オリンピックの100メートル決勝を9秒69の世界新記録で優勝します。
そして2008年8月20日には、ボルトの十八番である200メートルの決勝を迎えます。スタジアムに入場したボルトがスタンドにいるコーチを見つけると、コーチはボルトに手を振って、親指を上向きにしてみせたといいます。
そうしたコーチ(上記引用文の「彼」)のリラックスした様子から、ボルトはコーチが勝利を確信していることを悟るのですが、上記引用文ではそうしたボルトの心境が「the penny dropped」と表現されていて、ここでは「俺は、すべてを悟った」と訳されています。
そのレースで、ボルトはコーチの確信どおり、マイケル・ジョンソンの持つ19秒32の世界記録を12年ぶりに更新する19秒30の世界新記録で優勝します。
実例3(パターン1):JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より
Belatedly, the penny dropped. That’s why they didn’t want to put me on dry tyres.
今になって、クルーがドライタイヤを履かせたくなかった意味がわかった。本物のテストでもないのに、タイヤを無駄にはしたくなかったのだ。
引用元:
(英語原著)JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017) by Jenson Button; PART ONE
(日本語版)『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』(ジェンソン・バトン = 著、児島 修 = 訳)、東洋館出版社(2019/4);第一部(父と息子の冒険の始まり)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版(一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分
【単語ノート】
belatedly [bɪˈleɪtədli/bɪˈleɪtɪdli] = 遅ればせながら
The penny had dropped: Fisi had been better because he understood the car and he had fine-tuned its set-up, and what’s more he was used to driving bad cars well.
目から鱗が落ちたような心境だった。フィジーが僕より良い成績を残せたのは、彼がマシンを良く理解し、細かなセッティングができていたからだった。それに、性能の落ちる車にも乗り慣れていた。
引用元:
(英語原著)JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017) by Jenson Button; PART TWO
(日本語版)『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』(ジェンソン・バトン = 著、児島 修 = 訳)、東洋館出版社(2019/4);第二部(栄光に向かって)より
実例4(パターン1):Never Let Me Go (2005)(邦題『わたしを離さないで』、カズオ・イシグロ = 著)より
“Someone we knew?”
“Tommy, let’s not go through this again,” I said. “You’ll have to have your brains tested.”
At last the penny seemed to drop, and Tommy shut up.
「おれたちの知り合いなのか」
「トミー、何度同じことを言わせるのよ。こんど、脳の検査でもしてもらったら?」
これでトミーもわかってくれたようです。口を閉じました。
引用元:
(英語原著)Never Let Me Go (2005) by Kazuo Ishiguro; Chapter Thirteen
(日本語版)『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ = 著、土屋政雄 = 訳)、早川書房(2006/4);第十三章より引用
実例5(パターン1):Fantastic Beasts and Where to Find Them: The Original Screenplay (2016)(邦題『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 : 映画オリジナル脚本版』、J.K.ローリング = 著)より
As she talks, we see the penny dropping. An Obscurus fits everything she knows about the perpetrator of the New York attacks.
ティナは、話しながら初めてすべてを悟っていく。ニューヨークを荒らしまわった犯人がオブスキュラスなら、何もかも腑に落ちる。
引用元:
(英語原著)Fantastic Beasts and Where to Find Them: The Original Screenplay (2016) by J. K. Rowling; SCENE 61 INT. MACUSA CELL — DAY; Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/4確認)。(一冊無料!Audible無料体験
)
(日本語版)『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 : 映画オリジナル脚本版』(J.K.ローリング = 著、松岡佑子 = 日本語版監修・翻訳)、静山社(2017/3);シーン61(屋内 マクーザの牢獄 — 日中)より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/4確認)。(一冊無料!Audible無料体験
)
【単語ノート】
perpetrator [ˈpɜrpəˌtreɪtər/ˈpɜːpɪtreɪtə] = 犯人、加害者
実例6(パターン1):11/22/63 (2011)(邦題『11/22/63 (上・下) 』、スティーヴン・キング = 著)より
He opened the rear door behind the driver’s seat and brought out a large stuffed rabbit with improbable purple fur. I gawked at this through the slit in the drapes for a moment before the penny dropped: tomorrow was Easter Sunday.
それから運転席側の後部座席のドアをあけ、およそ現実にはありえない紫色の兎の大きなぬいぐるみをとりだした。カーテンの隙間から驚きあきれてぬいぐるみをながめているうちに、すぐに合点がいった — あしたは復活祭の日曜日だ。
引用元:
(英語原著)11/22/63 (2011) by Stephen King; CHAPTER 23
(日本語版)『11/22/63 (上・下)』(スティーヴン・キング = 著、白石朗 = 訳)、文藝春秋(2013/9);第二十三章より
(英語原著Audible版)Audible版-完全版(一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分;
【単語ノート】
stuffed = ぬいぐるみの;詰め物をした
improbable = ありそうもない、本当らしくない
gawk at [gɔk æt/gɔːk æt] = 驚きあきれて…をぽかんと見つめる
drape = カーテン(厚手のカーテン)
実例7(パターン1):DAN CARTER: The Autobiography of an All Blacks Legend (2015)(邦題『ダン・カーター自伝:オールブラックス伝説の10番』、 ダン・カーター/ダンカン・グレイブ = 著)より
A security guard told us to head to a McDonald’s round the corner. We trooped in, ordered our food and sat down to eat it when the penny finally dropped.
警備員が、角を曲がったところにマクドナルドがあると教えてくれた。僕たちはそこになだれ込み、ハンバーガーを注文してテーブルについた。そのとき、ようやく我に返った。
引用元:
(英語原著)DAN CARTER: The Autobiography of an All Blacks Legend (2015) by Dan Carter with Duncan Greive; 7 Triumph and Near Disaster
(日本語版)『ダン・カーター自伝:オールブラックス伝説の10番』(ダン・カーター/ダンカン・グレイブ = 著、児島修 = 訳、野澤武史 = 解説)、東洋館出版社(2016/7);第7章(大勝利とニアミス)より
(英語Audible版)Audible-完全版(一冊無料!Audible無料体験
);サンプル再生時間5分
【単語ノート】
security guard = 警備員、ガードマン、護衛
troop in = (大勢で)ぞろぞろと中に入る
ラグビーのニュージーランド代表オールブラックスの合宿に参加していたダン・カーターは、ウェールズ代表との試合を1週間後に控えた金曜日の夜にチームのメンバーと飲みに出かけます。バーの営業時間が終了するまで飲み続けたダン・カーターらは、ホテルに戻ってさらに飲み直し、朝5時になっても飲み続けていました。
そこでメンバーの1人がタクシーでロンドンの有名なバー「ザ・チャーチ」に行こうと言い出します。酔っぱらって正常な判断力を失っていたダン・カーターらは数十缶のビールをタクシーに持ち込んでロンドンに出発します。合宿地のカーディフを出発してから4時間が経過した午前10時に目的地の「ザ・チャーチ」に到着したのですが、店のオープンまで2時間あったため、近くのマクドナルドで時間を潰すことになります。
という流れで出てくるのが上記引用文で、ハンバーガーを注文して席についた瞬間に「ようやく我に返った」という部分が「the penny finally dropped」と表現されています。
自分たちの行動の愚かさに気づいたダン・カーターらは列車にのって急いでカーディフに引き返しますが、一連の行動は既にチームにバレていて、その後のミーティングでこってり絞られたということです。
次は、何かをようやく理解したのが誰なのかを明確にするために、「The penny drops」の後に「for(人)」を入れるパターン2です。
パターン2:The penny drops for(人)
実例8(パターン2):What If This Is Heaven? (2016) (邦題『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』、アニータ・ムアジャーニ = 著)より
That was the moment the penny dropped for Irene. I could see the expression on her face completely change and her eyes widen as the implications of what I’d just said fully hit her.
アイリーンはようやく理解したようでした。それまでの表情が一変して、私の言葉に衝撃を受けたように目を丸くしていました。
引用元:
(英語原著)What If This Is Heaven? : How Our Cultural Myths Prevent Us from Experiencing Heaven on Earth (2016) by Anita Moorjani; Chapter Two MYTH: LOVING YOURSELF IS SELFISH
(日本語版)『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』(アニータ・ムアジャーニ = 著、奥野 節子 = 訳)、ナチュラルスピリット(2016/11);誤った社会通念2 ── 自分を愛することは利己的である。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/4確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
)
(英語原著Audible版)Audible-完全版(一冊無料!Audible無料体験);Audible版は著者のアニータ・ムアジャーニさんが朗読しています。
【単語ノート】
implication = 意味合い、含み
実例9(パターン2):THE BIG SHORT: Inside the doomsday machine (2010)(邦題『世紀の空売り:世界経済の破綻に賭けた男たち』、マイケル・ルイス = 著)より
Soon after his private investigation of New Century, Park had a phone call from a penniless, jobless old college friend who had been offered several loans from banks to buy a house he couldn’t afford. That’s when the penny dropped for him:
ニュー・センチュリーに関するこの個人的な調査のすぐあと、大学時代の古い友人から電話があり、金も職もなく、家を買う余裕もないその友人に、いくつかの銀行から住宅ローンの売り込みがあったという話を聞いた。それで、パークはぴんと来た。
引用元:
(英語原著)THE BIG SHORT: Inside the doomsday machine (2010) by Michael Lewis; Chapter Four How to Harvest a Migrant Worker
(日本語版)『世紀の空売り:世界経済の破綻に賭けた男たち』(マイケル・ルイス = 著、東江一紀 = 訳)、文藝春秋(2010/9);第四章(格付け機関は張り子の虎である)より
(英語Audible版)Audible-完全版(一冊無料!Audible無料体験
);サンプル再生時間5分
【単語ノート】
penniless = 一文無しの
jobless = 職のない、仕事のない
最後は、penny-droppingの形で形容詞として使用するパターン3です。
パターン3:penny-droppingの形で形容詞として使用するもの
実例10(パターン3):JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より
Recently I moved to California and had a real penny-dropping moment when I realised that Marin mountain bikes come from Marin County in California.
僕は最近カリフォルニアに移住したのだが、そこではたと気づいた。そう、マリンのマウンテンバイクの名称は、カリフォルニアのマリン郡に由来していたのだ。
引用元:
(英語原著)JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017) by Jenson Button; PART ONE
(日本語版)『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』(ジェンソン・バトン = 著、児島 修 = 訳)、東洋館出版社(2019/4);第一部(父と息子の冒険の始まり)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版(一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分
The penny dropsのまとめ
それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。
the penny drops
- 由来:ペニー硬貨を投入して遊ぶスロットマシンやゲーム機器が、投入したペニー硬貨が機械の中で落ちた瞬間に突然動き出す様子から。
- 意味:(それまで疑問に思っていたことを)ようやく理解する、目から鱗が落ちる、合点がいく、すべてを悟る、ピンとくる、はたと気付く、疑問が氷解する
- 英語による定義:someone finally understands something
- 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
- 出現パターン:
パターン1:The penny drops(基本型・最頻出パターン)
パターン2:The penny drops for(人)
パターン3:penny-droppingの形で形容詞として使用するもの - 例文:
For years I had wondered why I couldn’t live an ideal life, but the penny finally dropped while I was reading the book.
なぜ自分が理想的な人生を歩むことができないのか長年疑問に思っていたのですが、その本を読んでいるうちにようやく理解することができました。
The penny dropped for me when I saw the picture he had hidden in the drawer.
彼が引き出しの中に隠していた写真を見たとき、私はすべてを悟りました。
Yesterday, I attended a self-help seminar. Until then I had been skeptical about that kind of seminars, but it was a penny-dropping experience.
昨日、私はある自己啓発セミナーに参加しました。私は、それまでその手のセミナーは怪しいと思っていたのですが、目から鱗が落ちるような体験でした。
今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。