洋書に出てくる英語表現0099:sour grapes【おすすめ英語フレーズ編82】

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「洋書に出てくる英語表現」の第99回は、フレーズ編の第82回として「sour grapes」を取りあげます。

目次
  1. Sour grapesの意味と由来
  2. Sour grapesの英語による定義
  3. 洋書におけるsour grapesの出現頻度
  4. Sour grapesの年代分布
  5. Sour grapesの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):Michael Jackson Conspiracy (2007)(邦題『マイケル・ジャクソン裁判:あなたは彼を裁けますか?』、アフロダイテ・ジョーンズ = 著)より
    2. 実例2(パターン1):State of Denial (2006)(邦題『ブッシュのホワイトハウス(上・下)』、ボブ・ウッドワード = 著)より
    3. 実例3(パターン1):The Gate of Sorrows (2016)(日本語原著『悲嘆の門(上・下)』、 宮部みゆき = 著)より
    4. 実例4(パターン1):RED CARD: How The U.S. Blew The Whistle On The World’s Biggest Sports Scandal (2018)(邦題『レッドカード:汚職のワールドカップ』、ケン・ベンシンガー = 著)より
    5. 実例5(パターン1):Twilight (2005)(邦題『トワイライト(上・下)』、ステファニー・メイヤー = 著)より
    6. 実例6(パターン1):The Adventures of Tom Sawyer (1876)(邦題『トム・ソーヤーの冒険』、トウェイン = 著)より
    7. 実例7(パターン2):The 48 Laws of Power (1998)(邦題『権力に翻弄されないための48の法則(上・下)』、ロバート・グリーン = 著)より
    8. 実例8(パターン2):Otogizoshi: The Fairy Tale Book of Dazai Osamu (2011)(日本語原著『お伽草紙』、太宰治 = 著)より
  7. Sour grapesのまとめ

Sour grapesの意味と由来

直訳すると、「酸っぱいブドウ」となります。

この表現は、みなさんご存知のイソップ童話『キツネとブドウ(The Fox and the Grapes)』に由来します。お腹を空かせたキツネは、おいしそうなブドウを見つけるのですが、どれも高い所にあって手が届きません。そこで、キツネは「どうせあのブドウは酸っぱくてまずいんだ」と言ってその場から立ち去ります。

このように自分が欲しいブドウが手に入らないと分かった途端に、最初からそんなブドウなど欲しくなかったんだと言わんばかりにそれらを「酸っぱいブドウ(sour grapes)」だと決めつけて自己を正当化したキツネの話から、「sour grapes」は「負け惜しみ」を意味するフレーズとして使用されるようになりました。

日本語では「負け惜しみ」のほか、「ひがみ」や「妬み」などと訳されます。

Sour grapesの英語による定義

an attitude in which someone pretends not to be concerned about something because he is unable to obtain it

洋書におけるsour grapesの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Sour grapesの年代分布

1876年 – 2018年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1876年発行の『The Adventures of Tom Sawyer(邦題:トム・ソーヤーの冒険)』(トウェイン = 著)で、最も新しい洋書は2018年発行の『RED CARD: How The U.S. Blew The Whistle On The World’s Biggest Sports Scandal(邦題:レッドカード:汚職のワールドカップ)』(ケン・ベンシンガー = 著)でした。

Sour grapesの出現パターン

sour grapesの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:sour grapesを名詞として使うもの
パターン2:sour-grapesの形で形容詞として使用するもの

パターン1はsour grapesを名詞として使うもので、例文を挙げると次のようになります。

例文99-1)
It may sound like sour grapes, but I think it’s some kind of mistake that he passed the entrance exam for Tokyo University.
負け惜しみのように聞こえるかもしれないけれど、彼が東大の入試に合格したのは何かの間違いだと私は思います。

パターン2は、sour grapesを「sour-grapes」の形で形容詞として使うもので、例文を挙げると次のようになります。

例文99-2)
When he knew my success, he took a sour-grapes attitude.
私の成功を知った時、彼は負け惜しみのような態度を取りました。

洋書内の実例

sour grapesのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるsour grapesの使用例を紹介していきます。

 

まずは、sour grapesを名詞として使うパターン1から紹介します。

パターン1:sour grapesを名詞として使うもの

実例1(パターン1):Michael Jackson Conspiracy (2007)(邦題『マイケル・ジャクソン裁判:あなたは彼を裁けますか?』、アフロダイテ・ジョーンズ = 著)より

Tom Sneddon’s innuendo — that Michael Jackson had been cleared because he was a superstar — was coming from sour grapes.
マイケル・ジャクソンはスーパースターだったからこそ無罪になったというトム・スネドンの主張は、負け惜しみに過ぎない

引用元:
(英語原著)Michael Jackson Conspiracy (2007) by Aphrodite Jones; 1 “ABC … It’s Easy”; Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/3確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(日本語版)『マイケル・ジャクソン裁判:あなたは彼を裁けますか?』(アフロダイテ・ジョーンズ = 著、押野素子 = 訳)、株式会社ブルース・インターアクションズ(2009/2);1(審判の日)より

【単語ノート】
innuendo [ɪnjuˈɛndoʊ] = 中傷、当てつけ、当てこすり

この引用文は、アメリカの歌手、マイケル・ジャクソンが善意で助けた白血病の少年から性的虐待で告訴されたものの、最終的にすべての訴えに関してマイケル・ジャクソンが無罪となった冤罪事件(いわゆるマイケル・ジャクソン裁判)について記載されています。

「Tom Sneddon(トム・スネドン)」とは、このマイケル・ジャクソン裁判で有名になったサンタバーバラ郡の地方検事で、ここではマイケル・ジャクソンが無罪になったのは彼がスーパースターだからだというトム・スネドンの「主張(innuendo)」が「sour grapes」、すなわち「負け惜しみ」と表現されています。

実例2(パターン1):State of Denial (2006)(邦題『ブッシュのホワイトハウス(上・下)』、ボブ・ウッドワード = 著)より

Garner didn’t want it to sound like sour grapes, but facts were facts. “They’re all reversible,” Garner said again.
解任された負け惜しみだと思われたくはなかったが、事実は事実だ。「取り返しはつきます」ガーナーはくりかえした。

引用元:
(英語原著)State of Denial (2006) by Bob Woodward ; Chapter 21
(日本語版)『ブッシュのホワイトハウス(上・下)』(ボブ・ウッドワード = 著、伏見威蕃 = 訳)、日本経済新聞出版社(2007/3);上巻・第21章より
(英語原著Audible版)Audible-要約版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間10分

実例3(パターン1):The Gate of Sorrows (2016)(日本語原著『悲嘆の門(上・下)』、 宮部みゆき = 著)より

“You told me university life was boring.”
Did I actually tell him that?
“You said everyone around you were idiots, like those guys.”
“Hmm? I never said anything that negative.” Even Kotaro thought his words sounded like sour grapes.
「君は、大学生活が退屈だったんだってな」
オレ、そんな話をおっさんにしたっけ。
「まわりがみんな、あの連中みたいなバカばっかりに見えるって」
「え? オレ、そこまでキツいことは言ってませんよ」
もろにモテない男子のひがみに聞こえる

引用元:
(英語版)The Gate of Sorrows (HAIKASORU 2016) by Miyuki Miyabe, translated by Jim Hubbert; BOOK V
(日本語原著)『悲嘆の門(上・下)』(宮部みゆき = 著)、毎日新聞社(2015/1);下巻・終章(悲嘆の門)より

【単語ノート】
idiot = 間抜け、大バカ者

実例4(パターン1):RED CARD: How The U.S. Blew The Whistle On The World’s Biggest Sports Scandal (2018)(邦題『レッドカード:汚職のワールドカップ』、ケン・ベンシンガー = 著)より

That, Blatter said, convinced him that the entire criminal investigation was an elaborate form of revenge by the U.S., which he believed was bitter it had not been selected to host the 2022 World Cup. The soccer corruption investigation, in other words, was just an extreme case of sour grapes.
そう聞いて合点がいった、とブラッターは言う — この犯罪捜査は、二〇二二年のワールドカップ主催国に選ばれず恨みをいだいた米国による、手のこんだ形の復讐にちがいない。サッカー界の汚職の捜査は、要するに負け惜しみの極端な例にすぎないのだ、と。

引用元:
(英語原著)RED CARD: How The U.S. Blew The Whistle On The World’s Biggest Sports Scandal (2018) by Ken Bensinger; Chapter Thirty: PLUS CA CHANGE …
(日本語版)『レッドカード:汚職のワールドカップ』(ケン・ベンシンガー = 著、北田絵里子、手嶋由美子、国弘喜美代 = 訳)、早川書房(2018/7);第30章(”見かけは変わっても……”)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
corruption = 汚職、腐敗

「ブラッター(Blatter)」とは、国際サッカー連盟(FIFA)の第8代会長を務めたスイス出身のジョセフ・ブラッター氏のことで、ブラッター氏は、サッカー・ワールドカップの招致活動などをめぐるFIFA汚職事件への関与により2015年にFIFA会長を解任されています。

上記引用文は、アメリカ人FIFA理事の脱税疑惑に端を発したアメリカ政府によるFIFA汚職事件の捜査について記載したもので、こうした捜査は2022年のワールドカップ開催国に選出されなかったアメリカの復讐だとするブラッター氏の見解が「an extreme case of sour grapes」、すなわち「負け惜しみの極端な例」と表現されています。ブラッター氏は、もしアメリカが2022年のワールドカップ開催国に選ばれていれば、こんな捜査は始めなかっただろうと述べています。

実例5(パターン1):Twilight (2005)(邦題『トワイライト(上・下)』、ステファニー・メイヤー = 著)より

“That’s Edward. He’s gorgeous, of course, but don’t waste your time. He doesn’t date. Apparently none of the girls here are good-looking enough for him.” She sniffed, a clear case of sour grapes. I wondered when he’d turned her down.
「あれはエドワード。たしかにすごくステキだけど、時間のむだよ。あの子はだれともデートしないから。自分につりあうだけの美人なんて、ここの女子にはひとりもいないんでしよ、きっと」ジェシカはふんと鼻を鳴らした。あきらかに負け惜しみだ。彼女はいつフラれたんだろう。

引用元:
(英語原著)Twilight (2005) by Stephenie Meyer; 1. FIRST SIGHT
(日本語版)『トワイライト(上・下)』(ステファニー・メイヤー = 著、小原亜美 = 訳)、ヴィレッジブックス(2008/4);1(転校生)より

【単語ノート】
gorgeous = 豪華な、華やかな;格好良い、素敵な
good-looking = ルックスの良い、ハンサムな、美人な
sniff = ばかにする、見下す;クンクンと嗅ぐ

実例6(パターン1):The Adventures of Tom Sawyer (1876)(邦題『トム・ソーヤーの冒険』、トウェイン = 著)より

His heart was heavy, and he said with a disdain which he did not feel that it wasn’t anything to spit like Tom Sawyer; but another boy said, “Sour grapes!” and he wandered away a dismantled hero.
おもしろくない少年は、思わず知らずとげのある口調で、トム・ソーヤーみたいにつばを吐くぐらいどうってことないだろう、とつぶやいた。しかし、ほかの少年たちから「負け惜しみ!」と言われ、とぼとぼと去っていった。

引用元:
(英語原著)The Adventures of Tom Sawyer (1876) by Mark Twain; CHAPTER VI
(日本語版)『トム・ソーヤーの冒険』(トウェイン = 著、土屋京子 = 訳)、光文社(2012/6);第6章より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/3確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
disdain [dɪsˈdeɪn] = 軽蔑、軽視、侮蔑

 

次は、「sour-grapes」の形で形容詞として使用するパターン2です。

パターン2:sour-grapesの形で形容詞として使用するもの

実例7(パターン2):The 48 Laws of Power (1998)(邦題『権力に翻弄されないための48の法則(上・下)』、ロバート・グリーン = 著)より

First there is the sour-grapes approach. If there is something you want but that you realize you cannot have, the worst thing you can do is draw attention to your disappointment by complaining about it.
一つは「酸っぱいブドウ」の戦術である。欲しいものがあるのだが、手に入らないのはわかっているとしよう。こんなとき最悪なのは、不満をもらして失意を他人に知られることだ。

引用元:
(英語原著)The 48 Laws of Power (1998) by Robert Greene; LAW 36 – DISDAIN THINGS YOU CANNOT HAVE: IGNORING THEM IS THE BEST REVENGE
(日本語版)『権力に翻弄されないための48の法則(上・下)』(ロバート・グリーン = 著、鈴木主税 = 訳)、パンローリング(2016/8);下巻・法則36(手に入らないものは相手にするな。無視することが最大の復讐である)より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/3確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

実例8(パターン2):Otogizoshi: The Fairy Tale Book of Dazai Osamu (2011)(日本語原著『お伽草紙』、太宰治 = 著)より

So goes the sour-grapes-like justification with which this odd person, the father, reassures himself as he resumes:
Once upon a time, long, long ago…
And as he reads the words aloud, wedged inside the shelter, he inwardly paints a new and altogether different tale.
などと、負け惜しみに似たやうな自問自答をして、さて、その父なる奇妙の人物は、
ムカシ ムカシノオ話ヨ
と壕の片隅に於いて、絵本を読みながら、その絵本の物語と全く別個の新しい物語を胸中に描き出す。)

引用元:
(英語版)Otogizoshi: The Fairy Tale Book of Dazai Osamu (2011) by Dazai Osamu, translated by Ralph F. McCarthy; The Stolen Wen; Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/9/3確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(日本語原著)『お伽草紙』(太宰治 = 著)、初出:1945年10月25日筑摩書房より発行;(瘤取り)より

【単語ノート】
inwardly [ˈɪnwərdli] = 内側に、心の中で

Sour grapesのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

sour grapes

sour grapesのイメージ画像1です。

  • 由来:自分の欲しいブドウが手に入らないと悟ったキツネが最初からそんなブドウなど欲しくなかったんだと言わんばかりにそれらを「酸っぱいブドウ(sour grapes)」だと決めつけて自己を正当化したイソップ童話『キツネとブドウ』の話から。
  • 意味:負け惜しみ、ひがみ、妬み
  • 英語による定義: an attitude in which someone pretends not to be concerned about something because he is unable to obtain it
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:sour grapesを名詞として使うもの
    パターン2:sour-grapesの形で形容詞として使用するもの
  • 例文
    It may sound like sour grapes, but I think it’s some kind of mistake that he passed the entrance exam for Tokyo University.
    負け惜しみのように聞こえるかもしれないけれど、彼が東大の入試に合格したのは何かの間違いだと私は思います。
    When he knew my success, he took a sour-grapes attitude.
    私の成功を知った時、彼は負け惜しみのような態度を取りました。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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