洋書に出てくる英語表現0093:as the crow flies【おすすめ英語フレーズ編76】

「洋書に出てくる英語表現0093:as the crow flies【おすすめ英語フレーズ編76】」のアイキャッチ画像

「洋書に出てくる英語表現」の第93回は、フレーズ編の第76回として「as the crow flies」を取りあげます。

As the crow fliesの意味と由来

直訳すると、「カラスが飛ぶように」となります。

この表現は、ある2つの地点間の距離を表す場合に使用されます。例えば、目的地のビルは自分が今いる場所からとても近くて見えているのですが、間に川が流れていたり、人通りの多い大きな交差点がいくつもあったりする場合には、実際に歩いてみると遠回りしなければならなくて想像以上に時間がかかることがよくあります。

そのような場合にカラスだったらどうでしょうか?カラスであれば、何の障害物もない空を目的地に向けて一直線に飛べますので、あっという間に着いてしまうことでしょう。

このようにカラスが目的地に向かって一直線に飛ぶ様子から生まれたのが、この「as the crow flies」という表現で、ある地点からある地点まで「カラスが飛ぶように」して行った場合の距離、すなわち直線距離を表す場合に使用されます

日本語では、「直線距離で」や「直線距離にして」などと訳されます。

また、頻度としては低いですが、この「as the crow flies」という表現は、カラスが飛ぶように「まっすぐに」、「一直線に」という意味で使用されることもあります。

発想のよく似た表現に「make a beeline」があります。この表現については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非あわせてお読みください。

As the crow fliesの英語による定義

in a straight line between two places

洋書におけるas the crow fliesの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

As the crow fliesの年代分布

1838年 – 2016年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1838年発行の『Oliver Twist(邦題:オリヴァ・トゥイスト)』(チャールズ・ディケンズ = 著)で、最も新しい洋書は2016年発行の『Goliath(邦題:海難救助船スケルトン:座礁した巨大石油タンカーを救出せよ!)』(ショーン・コリダン、ゲイリー・ウェイド = 著)でした。

このように当ブログの調査では、1838年が最も古い使用例でしたが、複数の英文資料によると、1700年代後半にもこの表現の使用例が見られるそうです。

As the crow fliesの出現パターン

as the crow fliesの用法に特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。

例文を挙げると次のようになります。

例文93-1)
As the crow flies it is about two kilometers from here to the center of the city.
ここから市の中心部までは直線距離にして約2キロメートルです。

例文93-2)
The nearest station is about 500 meters from here as the crow flies.
最寄りの駅は、ここから直線距離で約500メートルです。

例文93-3)
“How far is it from here to the hospital?”
“It is about two kilometers as the crow flies, but it is at least two times that if you walk there”
「ここからその病院までどれくらいの距離ですか?」
「直線距離だと約2キロメートルですが、歩いていくとなるとその2倍はあります」

洋書内の実例

as the crow fliesのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるas the crow fliesの使用例を紹介していきます。

実例1:I am Malala: The Story of the Girl Who Stood Up for Education and was Shot by the Taliban (2013)(邦題『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』、マララ・ユスフザイ、クリスティーナ・ラム = 著)より

We were only a hundred miles from Pakistan’s capital Islamabad as the crow flies but it felt as if it was in another country.
パキスタンの首都イスラマバードは、わたしたちの町から直線距離で一五〇キロほどしか離れていないのに、まるで外国の町のように思えたものだ。

引用元:
(英語原著)I am Malala: The Story of the Girl Who Stood Up for Education and was Shot by the Taliban (2013) by Malala Yousafzai with Christina Lamb; 1 A Daughter Is Born
(日本語版)『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』(マララ・ユスフザイ、クリスティーナ・ラム = 著、金原瑞人、西田佳子 = 訳)、学研マーケティング(2013/12/3);1(生まれたのは女の子)より
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

「わたしたちの町」とは、2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイの故郷であるパキスタンのスワートを指しています。

スワートはパキスタンの一部であるものの、かつてはパキスタンのほかの地域から独立した藩王国で、1947年にイギリスがインドとパキスタンを分離独立させた際にも、新国家パキスタンの一部となったスワートに自治権が与えられたため、スワートには特別な歴史がありました。

こうした背景から、パキスタンの首都イスラマバードは、スワートから「直線距離で」150キロほどしか離れていないにもかかわらず、まるで外国の町のようだったという部分が「as the crow flies」を用いて表現されています。

実例2:And Then There Were None (1939)(邦題『そして誰もいなくなった』、アガサ・クリスティー = 著)より

General Macarthur looked out of the carriage window. The train was just coming into Exeter, where he had to change. Damnable, these slow branch line trains! This place, Soldier Island, was really no distance at all as the crow flies.
マカーサー将軍は車室の窓から外を眺めた。列車は乗り換え場所のエクセターに着くところだった。どうも、支線の列車は遅れてかなわない……距離からいえば、インディアン島などは目と鼻の先なのだ

引用元:
(英語原著)And Then There Were None (1939) by Agatha Christie; Chapter One
(日本語版)『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティー = 著、清水俊二 = 訳)、早川書房(2003/10);第一章より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

実例3:THE KILL SWITCH (2014)(邦題『黙示録の種子:タッカー&ケイン(上、下)』、ジェームズ・ロリンズ、グラント・ブラックウッド = 著)より

“After you fetch Anya, can you get to Volgograd? As the crow flies, it’s six hundred miles south of Kazan.”
「アーニャを連れ出した後、ヴォルゴグラードに向かうことは可能? 直線距離だとカザンから南西に九百五十キロくらいだけど」

引用元:
(英語原著)THE KILL SWITCH (2014) by James Rollins and Grant Blackwood; Chapter 13
(日本語版)『黙示録の種子:タッカー&ケイン(上、下)』(ジェームズ・ロリンズ、グラント・ブラックウッド = 著、桑田健 = 訳)、竹書房(2016/7);13より
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

実例4:DARK WATER (2006)(日本語原著『仄暗い水の底から』、鈴木光司 = 著)より

The condominium of the address was not far from the station, at least as the crow flies.
宛名にあるマンションは、電車の駅からそう遠くなく、直線距離にすればたかが知れていた。

引用元:
(英語版)DARK WATER (2006) by KOJI SUZUKI, translated by Glynne Walley; EPILOGUE
(日本語原著)『仄暗い水の底から』(鈴木光司 = 著)、角川書店(1996/2);エピローグより

【単語ノート】
condominium = コンドミニアム、分譲マンション

この引用文で、「マンション」という日本語が「condominium」に英訳されているように、日本語の「マンション」は和製英語です。

mansion」という英語もあるにはあるのですが、「マンション」という意味ではなく、「豪邸」という意味で、日本語の「マンション」とはニュアンスが大きく異なりますので、間違えて使用しないよう注意が必要です。

英語の「mansion」は次のような場面で使われます。

He was married to Jackie Kennedy and was the ultimate jet-setter with mansions around the world, a huge yacht, and even his own island, Skorpios.
オナシスは当時ジャッキー・ケネディと結婚しており、たいそう優雅な生活を送っていた。きわめつきのジェット族(ジェット機で遊びまわる金持ち)として世界各国に豪邸をかまえ、大型ヨットのほか、スコルピオスという島まで持っていた。

引用元:
(英語原著)TRUMP : THE ART OF THE DEAL (1987) by Donald Trump with Tony Schwartz; 7 TRUMP TOWER
(日本語版)『トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ』(ドナルド・トランプ、トニー・シュウォーツ= 著、相原真理子 = 訳)、筑摩書房 (2008/2);7(トランプ・タワー — ティファニー界隈)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約7分;Audible版はトランプさん本人が朗読しています。サンプルだけでも聴く価値アリです。

この文章から、日本語の「マンション」とは大きく異なるのがお分かり頂けると思います。日本語の「マンション」に相当する英語は、アパートに近いものだとapartment(イギリスではflat)、グレード高めの分譲マンションだとcondominiumとなります。

実例5:The Eye of God (2013)(邦題『チンギスの陵墓(上・下)』、ジェームズ・ロリンズ = 著)より

He slowed to check the GPS reader on his wrist. Though the distance from Pyongyang to the coast was only thirty miles as a crow flies — on a motorcycle in the dark, winding through mud or gravel tracks, it seemed ten times that.
グレイはバイクの速度を落とし、手首に巻いたGPSをチェックした。平壌から海岸までは直線距離なら約五十キロだが、ライトを消したバイクで曲がりくねった泥道や砂利道を走っていると、その十倍の距離があるように感じられる。

引用元:
(英語原著)The Eye of God (2013) by James Rollins; 14
(日本語版)『チンギスの陵墓(上・下)』(ジェームズ・ロリンズ = 著、桑田健 = 訳)、竹書房(2015/11);14より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/28確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分54秒

【単語ノート】
wind through = …を曲がりくねって進む
gravel = 砂利

実例1から5では、「as the crow flies」が「直線距離にして」という意味で距離を表すために使用されている例を紹介してきましたが、「意味と由来」の項に記載したように「as the crow flies」はカラスが飛ぶように「まっすぐに」、「一直線に」という意味で使用されることもあります。次の実例6と実例7では、「まっすぐに」や「一直線に」という意味で使用されている例を紹介します。

実例6:Goliath (2016)(邦題『海難救助船スケルトン:座礁した巨大石油タンカーを救出せよ!』、ショーン・コリダン、ゲイリー・ウェイド = 著)より

“He’ll live,” said Cowboy. “We doped him up pretty good. They’ve been gone for an hour. The downwind draw means that Bones can go as the crow flies, flat seas, good speed. They’ll be back tomorrow.”
「大丈夫だ」カウボーイが答えた。「モルヒネをたっぷり与えたからな。一時間前に出発した。追い風で波もないから、高速で一直線に走れる。明日には戻ってくるだろう」

引用元:
(英語原著)Goliath (2016) by Shawn Corridan and Gary Waid; CHAPTER 48
(日本語版)『海難救助船スケルトン:座礁した巨大石油タンカーを救出せよ!』(ショーン・コリダン、ゲイリー・ウェイド = 著、水野涼 = 訳)、竹書房(2017/9);48より。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/28確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分12秒

【単語ノート】
dope = …に麻薬を与える
downwind = 追い風の、風下の

実例7:Oliver Twist (1838)(邦題『オリヴァ・トゥイスト』、チャールズ・ディケンズ = 著)より

‘They fired and hit the boy. We cut over the fields at the back, with him between us — straight as the crow flies — through hedge and ditch. They gave chase. Damme! the whole country was awake, and the dogs upon us.’
「家のものが鉄砲を撃ち、あの餓鬼(がき)がやられたんだ。やつをあいだにかかえて、おれたちは、まっすぐ烏(からす)が飛ぶように、裏の原っぱを突っ切った — 生垣(いけがき)や溝を突きぬけてな。やつらは追っかけてきたんだ。畜生! そこいらじゅうのやつがみんな目をさまし、犬まで、おれたちのあとを追ってきやがった」

引用元:
(英語原著)Oliver Twist (1838) by Charles Dickens; CHAPTER XXV WHEREIN THIS HISTORY REVERTS TO MR. FAGIN AND COMPANY
(日本語版)『オリヴァ・トゥイスト』(チャールズ・ディケンズ = 著、北川 悌二 = 訳)、グーテンベルク21(2000/11);上巻、(二十五)話はフェイギン氏とその仲間にもどる、より

【単語ノート】
hedge = 生け垣
ditch = 溝、側溝

As the crow fliesのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

as the crow flies

as the crow fliesのイメージ画像1です。

  • 由来:カラスが何の障害物もない空を目的地に向かって一直線に飛ぶ様子から。
  • 意味:直線距離で、直線距離にして;まっすぐに、一直線に
  • 英語による定義: in a straight line between two places
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 出現パターン:特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。
  • 例文
    As the crow flies it is about two kilometers from here to the center of the city.
    ここから市の中心部までは直線距離にして約2キロメートルです。
    The nearest station is about 500 meters from here as the crow flies.
    最寄りの駅は、ここから直線距離で約500メートルです。
    “How far is it from here to the hospital?”
    “It is about two kilometers as the crow flies, but it is at least two times that if you walk there”
    「ここからその病院までどれくらいの距離ですか?」
    「直線距離だと約2キロメートルですが、歩いていくとなるとその2倍はあります」

類似表現の「make a beeline」については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非あわせてお読みください。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

☆☆いつも応援ありがとうございます☆☆
にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽の英語へ
にほんブログ村

英語ランキング