洋書に出てくる英語表現0090:in spades【おすすめ英語フレーズ編73】

「洋書に出てくる英語表現0090:in spades【おすすめ英語フレーズ編73】」のアイキャッチ画像

「洋書に出てくる英語表現」の第90回は、フレーズ編の第73回として「in spades」を取りあげます。

In spadesの意味と由来

直訳すると、「スペードが束をなして」となります。

この表現はカードゲームの「ブリッジ(コントラクトブリッジ)」に由来し、ここでいう「スペード」はトランプの絵柄のスペードを指しています。

ブリッジでは、絵柄によって強さが異なり、強い方から順に並べるとスペード、ハート、ダイヤ、クラブの順となります。

このようにブリッジでは4つの絵柄のうちスペードが最も強く、その最強のスペードが複数集まって束をなしているような状態(in spades)は非常に強い手札となるから、「in spades」は何かの程度が非常に強い状態や、何かの量が非常に多い状態を表す前置詞句として広く使用されるようになりました。

日本語では、「大いに」、「見事に」、「うんと」、「間違いなく」、「確実に」、「確かに」、「絶対に」などと訳されます。

In spadesの英語による定義

to a very high degree; in large quantities

洋書におけるin spadesの出現頻度

AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

In spadesの年代分布

1987年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1987年発行の『Shall We Tell the President? New edition(邦題:新版 大統領に知らせますか?)』(ジェフリー・アーチャー = 著)で、最も新しい洋書は2017年発行の『The Four: The Hidden DNA of Amazon, Apple, Facebook, and Google(邦題:the four GAFA 四騎士が創り変えた世界)』(スコット・ギャロウェイ = 著)でした。

このように当ブログの調査では1987年が最も古い使用例であったことから、この「in spades」という英語表現は比較的新しい表現であると考えられます。

In spadesの出現パターン

in spadesの用法に特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。

例文を挙げると次のようになります。

例文90-1)
They always go the extra mile for customers, and the effort is paying off in spades.
彼らはいつも顧客のために一層の努力をしていて、そうした努力は確実に実を結びつつあります。

「go the extra mile」については以下の記事で詳しく解説しています。

例文90-2)
He doesn’t have to work at all, because he was born with a silver spoon in his mouth and has money in spades.
彼は裕福な家に生まれて、お金をうんと持っているので、まったく働く必要がありません。

「born with a silver spoon in one’s mouth」については以下の記事で詳しく解説しています。

洋書内の実例

in spadesのイメージ画像2です。
それでは、実際に洋書内にみられるin spadesの使用例を紹介していきます。

実例1:Jony Ive: The Genius Behind Apple’s Greatest Products (2013)(邦題『ジョナサン・アイブ:偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー』、リーアンダー・ケイニー = 著)より

“We were obviously very, very proud. We’d worked really hard. It was — there was an enormous number of people that put in personal sacrifice and it was paying off in spades. It was a beautiful day.”
「あたりまえだが、とても、とても誇らしかった。本当に身を粉にしてきたからね。ものすごく多くの人が自分を犠牲にしてきた。それが間違いなく実ったんだ。すばらしい1日だった」

引用元:
(英語原著)Jony Ive: The Genius Behind Apple’s Greatest Products (2013) by Leander Kahney; CHAPTER 10 The iPhone
(日本語版)『ジョナサン・アイブ:偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー』(リーアンダー・ケイニー = 著、関 美和 = 訳)、日経BP社(2015/1);10(iPhone)より引用

【単語ノート】
sacrifice = 犠牲

「すばらしい1日」とは、2007年夏のiPhoneの発売日を指しています。iPhoneの発売に向けて2年半にわたって闘い続けてきたアップルのデザイナー、ジョニー・アイブとデザインチームの面々は、iPhoneを初めて手にする人たちの反応をその目で確かめるため、iPhoneの発売日に全員でサンフランシスコのアップルストアを訪れます。

アップルストアの外は開店前から大行列で、開店とともにお客さんがドッと店に流れ込んできて、店の中はお祭り騒ぎだったと言います。

上記引用文は、クリストファー・ストリンガーというアップルのデザイナーがその時の状況を振り返ったもので、多くの人の自己犠牲が「間違いなく」実ったという部分が「in spades」を用いて表現されています。

実例2:Life with My Sister Madonna (2008)(邦題『マドンナの素顔』、クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著)より

My sister’s persistence pays off in spades.
姉の粘り強さは、確実に実を結んでいった

引用元:
(英語原著)Life with My Sister Madonna (2008) by Christopher Ciccone; Chapter 3
(日本語版)『マドンナの素顔』(クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著、長澤あかね = 訳)、ぶんか社(2008/12/1);第三章より引用

【単語ノート】
persistence = 粘り強さ、持続性

「姉」とは、この本の著者であるクリストファー・チコーネ氏の実の姉でアメリカの歌手、マドンナのことを指しています。

クリストファー・チコーネ氏によると、マドンナは出会った人に誰彼なく色気を振りまいて男の恋心をもてあそぶ癖が生まれつきあり、特に相手が自分のキャリアの足しになるような人間の場合にはその傾向が顕著だったといいます。

マドンナは自分の曲を売り込んでくれそうな人たちに次々と色目を使って、粘り強く努力を重ねた結果、1982年11月にデビュー曲「エヴリバディ」がダンスチャートで1位に輝きます。

上記引用文では、こうしたマドンナの粘り強い努力が実を結んだことが「in spades」を用いて表現されています。

実例3:Businss Stripped Bare: Adventures of a Global Entrepreneur (2008)(邦題『ヴァージン流:世界を変える非常識な仕事術』、リチャード・ブランソン = 著)より

The other thing you’ll need — in spades — is luck. The businessschool gurus tend to underplay this commodity, presumably because the power of chance undermines every other business rule they teach you.
もうひとつ必要なのは、幸運だ。絶対に。ビジネススクールのお歴々は、この値打ちのあるものをあまり重視しない傾向がある。それはおそらく、この幸運の力が、彼らが教えている他の経営の法則を根こそぎひっくり返してしまうからだろう。

引用元:
(英語原著)Businss Stripped Bare: Adventures of a Global Entrepreneur (2008) by Richard Branson; 5 Innovation
(日本語版)『ヴァージン流:世界を変える非常識な仕事術』(リチャード・ブランソン = 著、植山周一郎/宮本喜一 = 訳)、エクスナレッジ(2009/5);第五章(イノベーション)より
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験

【単語ノート】
guru = 導師、グル、指導者
underplay = …を控えめに演じる、…を過小評価する
commodity = 商品;役に立つもの
undermine = …の下を掘る;…をむしばむ、傷づける

実例4:The Facebook Effect: The Inside Story of the Company That Is Connecting the World (2010)(邦題『フェイスブック 若き天才の野望 5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた』、デビッド・カークパトリック = 著)より

“But Mark had all three in spades, including luck. He just fell into the right situations a lot, and had extremely good timing. And when he saw a good idea he wanted to pursue it, whereas another person might have felt he needed to finish school first.”
「ところがマークは幸運も含めてその3つすべてをうんと持っていた。彼は絶好のタイミングで絶好の状況に現れた。しかもほかの連中なら、まず大学を卒業することを優先したかもしれないが、マークは自分のやりたいことを見つけた時にまっすぐそれに突進した」

引用元:
(英語原著)The Facebook Effect: The Inside Story of the Company That Is Connecting the World (2010) by David Kirkpatrick; 1 The Beginning
(日本語版)『フェイスブック 若き天才の野望 5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた』(デビッド・カークパトリック = 著、滑川 海彦・高橋 信夫 = 訳)、日経BP社(2011/1);第1章(すべての始まり)より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間2分30秒

「マーク」とは、Facebookの共同創業者であるマーク・ザッカーバーグを指しています。マーク・ザッカーバーグは、ハーバード大学在学中の2004年に大学の寮でFacebookを立ち上げます。

当初、Facebookはハーバード大学の学生同士が交流するためのサービスだったのですが、利用者は瞬く間に増えてハーバード大学から他の大学にも広まり、最終的に全世界に広がります

この引用文では、こうしたFacebookの成功の要因が分析されていて、マーク・ザッカーバーグが成功に必要な3つすべての要素を「うんと」持っていたという部分が「in spades」を用いて表現されています。

実例5:Deception Point (2001)(邦題『デセプション・ポイント (上・下)』、ダン・ブラウン = 著)より

“All of the credibility NASA has lost with Americans recently has just been restored in spades. There’s a real feeling of national pride out there on the streets right now.”
「国民が最近いだいていたNASAへの不信感は、みごとに払拭されました。愛国心が一気に高まるのはまちがいありません」

引用元:
(英語原著)Deception Point (2001) by Dan Brown; 73
(日本語版)『デセプション・ポイント (上・下)』(ダン・ブラウン = 著、越前敏弥 = 訳)、角川書店(2006/10);下巻・73より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間9分57秒

【単語ノート】
credibility = 信用、信頼性

実例6:The Seventh Plague (2016)(邦題『モーセの災い(上・下)』、ジェームズ・ロリンズ = 著)より

He wanted his name known to the world at large.
Well, Dad, you’ve accomplished that in spades.
父は自らの名を世界に知らしめたいと望んでいたのだ。
パパ、どうやらその願いは見事にかなったみたいよ

引用元:
(英語原著)The Seventh Plague (2016) by James Rollins; EGG OF COLUMBUS, 9
(日本語版)『モーセの災い(上・下)』(ジェームズ・ロリンズ = 著、桑田健 = 訳)、竹書房(2018/7);第二部(コロンブスの卵)、9より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間1分26秒

この引用文のように「at large」が名詞の後ろに置かれた場合には「全般」を意味します。例えば、「the society at large」であれば「社会全般」、「the people at large」であれば「一般人」を意味し、上記引用文では「the world at large」で「全世界」を意味します。

実例7:A Little History of Religion (2016)(邦題『若い読者のための宗教史』、リチャード・ホロウェイ = 著)より

Mithraism was a men-only affair. This was another part of its appeal in such a macho society as the Roman army. Secret societies with their hidden rites and private languages make their members feel special, a cut above others. And there’s something about belonging to an exclusive club that seems to appeal to a certain kind of man. Mithraism had all of that in spades.
ミトラの密儀は男性だけの儀式だった。これもローマ軍のような男性社会にはもうひとつ魅力的なことだっただろう。隠れた儀式や内々の言葉をもつ秘密の集まりは、メンバーを他者より一段上の特別な存在だという気にさせる。そして排他的なクラブに属することは、ある種の人間の気を引くような何かがある。ミトラの密儀はこうしたすべてを確かに備えていた

引用元:
(英語原著)A Little History of Religion (2016) by Richard Holloway; CHAPTER 17 Religion Gets Personal
(日本語版)『若い読者のための宗教史』(リチャード・ホロウェイ = 著、上杉隼人、片桐恵里 = 訳)、すばる舎(2019/4);17(個人的な宗教へ)
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分52秒

【単語ノート】
Mithraism = ミトラ教(古代ローマで盛えた太陽神ミトラスをまつる密儀宗教)
rite = (宗教上の)儀式
a cut above = …より一段上、一枚上手
exclusive = 排他的な

In spadesのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

in spades

in spadesのイメージ画像1です。

  • 由来:カードゲームのブリッジでは4つの絵柄のうちスペードが最も強く、その最強のスペードが複数集まって束をなしているような状態(in spades)は非常に強い手札となるから。
  • 意味:大いに、見事に、うんと、間違いなく、確かに、絶対に(何かの程度が非常に強い状態や、何かの量が非常に多い状態を表す前置詞句として使用される)
  • 英語による定義: to a very high degree; in large quantities
  • 出現頻度:AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン:特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。
  • 例文
    They always go the extra mile for customers, and the effort is paying off in spades.
    彼らはいつも顧客のために一層の努力をしていて、そうした努力は確実に実を結びつつあります。
    He doesn’t have to work at all, because he was born with a silver spoon in his mouth and has money in spades.
    彼は裕福な家に生まれて、お金をうんと持っているので、まったく働く必要がありません。

上記例文内で使用されている「go the extra mile」と「born with a silver spoon in one’s mouth」については以下の記事で詳しく解説しています。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

☆☆いつも応援ありがとうございます☆☆
にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽の英語へ
にほんブログ村

英語ランキング