洋書に出てくる英語表現0081:go the extra mile【おすすめ英語フレーズ編64】

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「洋書に出てくる英語表現」の第81回は、フレーズ編の第64回として「go the extra mile」を取りあげます。

Go the extra mileの意味と由来

直訳すると、「追加の1マイルを行く」となります。

この表現は、新約聖書「マタイによる福音書」内の一節(5:41)に由来します。

Whoever compels you to go one mile, go with him two.
もし、だれかが、あなたをしいて一マイル行かせようとするなら、その人と共に二マイル行きなさい。

日本語訳:『口語 新約聖書』(日本聖書協会発行)初版(1954年版)、40 マタイによる福音書
英語訳:The World English Bible (WEB), Book 40 Matthew

この引用文にあるように、イエスは誰かがあなたに1マイル(=約1.609キロメートル)行くように強制した場合には、自らすすんで1マイルではなく2マイル、つまり「追加の1マイルを行く(go the extra mile)」ように説きました。

このイエスの言葉から、「go the extra mile」は他人に強制されてするのではなく、自らすすんで「一層の努力をする」ことを意味するフレーズとして使用されるようになりました。

日本語では、「一層の努力をする」のほか、「もうひと頑張りする」、「特別な努力をする」などと訳されます。

Go the extra mileの英語による定義

make more effort than expected to achieve something

洋書におけるgo the extra mileの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Go the extra mileの年代分布

1995年 – 2019年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1995年発行の『THE PATH TO POWER(邦題:サッチャー 私の半生〈上・下〉)』(マーガレット・サッチャー = 著)で、最も新しい洋書は2019年発行の『Tim Cook(邦題:ティム・クック:アップルをさらなる高みへと押し上げた天才)』(リーアンダー・ケイニー = 著)でした。

Go the extra mileの出現パターン

go the extra mileの用法に特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。

例文を挙げると次のようになります。

例文81-1)
You need to be patient and go the extra mile in order to climb the corporate ladder.
出世の階段を登るには、我慢強く、そして自ら求められる以上の努力をする必要があります。

例文81-2)
I love Apple Store. They are always willing to go the extra mile for customers, regardless of whether you buy their products or not.
私はアップルストアが大好きです。アップルストアの人たちは、あなたが商品を買うかどうかに関係なくいつもすすんでお客さんのために特別な努力をしてくれます。

洋書内の実例

go the extra mileのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるgo the extra mileの使用例を紹介していきます。

実例1:STEVE JOBS: THE BIOGRAPHY (2011)(邦題『スティーブ・ジョブズ』、ウォルター・アイザックソン = 著)より

If you don’t love something, you’re not going to go the extra mile, work the extra weekend, challenge the status quo as much.
大好きじゃなければ、もう少しだけがんばるなんてできない。もう1週間とがんばれやしない。音楽を大好きな人と同じだけ、現状をなんとかしようと努力なんてできないんだ。

引用元:
(英語原著)Steve Jobs (2011) by Walter Isaacson; CHAPTER THIRTY-ONE THE iTUNES STORE I’m the Pied Piper
(日本語版)『スティーブ・ジョブズ(I・II)』(ウォルター・アイザックソン = 著、井口耕二 = 訳)、講談社(2011/10-11);第30章(iTunesストア ハーメルンの笛吹き)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
status quo [ˈstætəs kwoʊ/ˈsteɪtəs kwoʊ] = 現状

アップルは、2001年10月に携帯型デジタル音楽プレーヤーのiPodを発表し、世界的な大ヒット商品となります。それに遅れること約5年、マイクロソフトも2006年11月に携帯型デジタル音楽プレーヤー「ズーン(Zune)」を発売して音楽業界に参入しますが、マイクロソフトの「ズーン」は全くと言って良いほど市場に受け入れられませんでした。

スティーブ・ジョブズは、マイクロソフトの「ズーン」が受け入れられないのは、マイクロソフトの人たちがアップルと違って音楽を本当に愛していないからだと述べています。つまり、アップルのiPodが勝ったのは、アップルの社員一人一人が音楽を愛していて、自分のためにiPodを作ったからだということです。

上記引用文は、こうした流れで出てくるスティーブ・ジョブズの言葉で、アップルの社員は音楽を愛しているからこそ「もう少しだけがんばる」ことができたという内容が「go the extra mile」を用いて表現されています。

実例2:TRUMP 101 The Way to Success (2004)(邦題『トランプ最強の人生戦略』、ドナルド・トランプ = 著)より

I want employees who want great and will go the extra mile for the very best.
偉大なものを求め、最高のものを求めてさらに頑張る社員が欲しいのだ。

引用元:
(英語原著)TRUMP 101 The Way to Success (2004) by DONALD J. TRUMP with Meredith McIver ; 15 SWIM AGAINST THE TIDE: THE COMFORT ZONE CAN PULL YOU UNDER
(日本語版)『トランプ最強の人生戦略』(ドナルド・トランプ = 著、田中孝顕 = 訳)、きこ書房(2017/1);Chapter 15(流れに逆らって進む)より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/15確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

ドナルド・トランプは、かつてある未完成のプロジェクトについて十分だと思うと述べた社員を即刻クビにしたことがあるといいます。

トランプ曰く、いちいち私にいわれなくても自らすすんで十分以上を求める人材が欲しいとのことで、上記引用文ではそうした内容が「go the extra mile」を用いて表現されていて、ここでは「さらに頑張る」と訳されています。

実例3:THE STARBUCKS EXPERIENCE: 5 Principles for Turning Ordinary into Extraordinary (2007)(邦題『スターバックス5つの成功法則と、「グリーンエプロンブック」の精神』、ジョゼフ・ミケーリ = 著)より

And even when something goes wrong, an employee or manager can still delight the customer by going the extra mile to make things right.
なにか不都合が起こったとしても、それを正すために、従業員や管理者が特別な努力をすればお客様を喜ばせることができる。

引用元:
(英語原著)THE STARBUCKS EXPERIENCE: 5 Principles for Turning Ordinary into Extraordinary (2007) by Joseph A. Michelli; PRINCIPLE 3: Surprise and Delight
(日本語版)『スターバックス5つの成功法則と、「グリーンエプロンブック」の精神』(ジョゼフ・ミケーリ = 著、月沢李歌子 = 訳)、ブックマン社(2007/11);法則3(嬉しい驚きを作り出す)より引用

【単語ノート】
go wrong = 道を誤る、狂う、失敗する
delight = 喜ばせる

実例4:Finders Keepers (2015)(邦題『ファインダーズ・キーパーズ (上・下)』、スティーヴン・キング = 著)より

That was when he grew really angry with her. ‘I would like a little support here.’
‘Tom, for God’s sake, I’m try — ‘
‘Maybe even an attaboy. “Way to show some initiative, Tom. We’re glad you’re going the extra mile for the family, Tom.” That sort of thing. If it’s not too much to ask.’
トムが妻リンダに本気で腹を立てはじめたのは、この瞬間だった。「せめて、少しは応援してくれてもいいだろうに」
「トム、あなたはそういうけど、わたしだってがんばって──」
「”がんばれ”という声援ひとつでいい。”やる気を見せてらっしゃい、トム。家族のために無理してくれて、ほんとにありがたいわ” でもいい。そんなような言葉をね。まあ、それが高望みじゃないのなら」

【単語ノート】
attaboy [ˈætəˈbɔɪ] (= That’s the boy!) = いいぞ!、すごいぞ!、しっかり!

引用元:
(英語原著)Finders Keepers (2015) by Stephen King; Part 1: Buried Treasure
(日本語版)『ファインダーズ・キーパーズ (上・下)』(スティーヴン・キング = 著、白石朗 = 訳)、文藝春秋 (2017/9;文春文庫2020/2);第一部(地中の財宝)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

実例5:Tim Cook (2019)(邦題『ティム・クック:アップルをさらなる高みへと押し上げた天才』、リーアンダー・ケイニー = 著)より

To win Cook’s respect and appreciation, employees not only needed the right answer to questions at all times, they also needed to show a willingness to go the extra mile.
クックの関心と評価を勝ち取るために、社員たちは質問に対する正しい答えを常に必要とされていただけでなく、さらに一歩前進する意欲を示す必要があった。

引用元:
(英語原著)Tim Cook (2019) by Leander Kahney;Chapter 5 Saving Apple Through Outsourcing
(日本語版)『ティム・クック:アップルをさらなる高みへと押し上げた天才』(リーアンダー・ケイニー = 著、堤沙織 = 訳)、SBクリエイティブ(2019/9);第5章(アウトソーシングでアップルを救う)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分

【単語ノート】
appreciation = 評価、感謝

「意味と由来」の項に記載したように、この「go the extra mile」という表現には、単に努力をするのでなく、「自らすすんで」努力をするというニュアンスが込められています。そのように、元々「自らすすんで」というニュアンスが含まれているのですが、それをさらに強調するためにこの引用文や次の実例6のように「willingness to go the extra mile」の形で使われたり、「出現パターン」の項に示した例文81-2のように「willing to go the extra mile」の形で使われることがよくあります。

実例6:Businss Stripped Bare: Adventures of a Global Entrepreneur (2008)(邦題『ヴァージン流:世界を変える非常識な仕事術』、リチャード・ブランソン = 著)より

Like everybody else, we’re looking for dedication, and belief, and a willingness to go that extra mile for colleagues and customers.
他社と同じように、われわれも信頼できる人材、そして同僚やお客様のためならば何でも喜んでしようという気概あふれる人材を求めているのだ。

引用元:
(英語原著)Businss Stripped Bare: Adventures of a Global Entrepreneur (2008) by Richard Branson; 1 People
(日本語版)『ヴァージン流:世界を変える非常識な仕事術』(リチャード・ブランソン = 著、植山周一郎/宮本喜一 = 訳)、エクスナレッジ(2009/5);第一章(人)より
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験

Go the extra mileのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

go the extra mile

go the extra mileのイメージ画像1です。

  • 由来:新約聖書「マタイによる福音書」内の一節(5:41)に由来。誰かに1マイル行くように強制された場合には、自らすすんで1マイルではなく2マイル、つまり「追加の1マイルを行く(go the extra mile)」ように説いたイエスの言葉から。
  • 意味:(他人に強制されてするのではなく、自らすすんで)一層の努力をする、もうひと頑張りする、特別な努力をする
  • 英語による定義:make more effort than expected to achieve something
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 出現パターン:特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。
  • 例文
    You need to be patient and go the extra mile in order to climb the corporate ladder.
    出世の階段を登るには、我慢強く、そして自ら求められる以上の努力をする必要があります。
    I love Apple Store. They are always willing to go the extra mile for customers, regardless of whether you buy their products or not.
    私はアップルストアが大好きです。アップルストアの人たちは、あなたが商品を買うかどうかに関係なくいつもすすんでお客さんのために特別な努力をしてくれます。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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