洋書に出てくる英語表現0074:lock horns【おすすめ英語フレーズ編57】

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「洋書に出てくる英語表現」の第74回は、フレーズ編の第57回として「lock horns」を取り挙げます。

Lock hornsの意味と由来

直訳すると、「角に鍵をかける」となります。

ここでいう「角」とは主に「雄ジカの角」を指しています。発情期には雌をめぐって雄ジカ同士が角を突き合わせて闘いますが、この「lock horns」という表現は、その際に雄の角と角が絡まって、鍵をかけたように外れなくなる様子を表しています。

このように雌をめぐって発情期の雄ジカ同士が角を突き合わせて戦う様子は、ある問題をめぐって人間同士が争っている様子に似ていることから、「lock horns」は「(ある問題をめぐって)対立する」ことを意味するフレーズとして使用されるようになりました。

日本語では、「対立する」のほか、「角を突き合わせるように議論する」、「意見が衝突する」などと訳されます。

Lock hornsの英語による定義

engage in a conflict or argument

洋書におけるlock hornsの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Lock hornsの年代分布

1938年 – 2016年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1938年発行の『The Four of Hearts(邦題:ハートの4)』(エラリー・クイーン = 著)で、最も新しい洋書は2016年発行の『What If This Is Heaven?(邦題:もしここが天国だったら)』(アニータ・ムアジャーニ = 著)でした。

Lock hornsの出現パターン

lock hornsの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1: (人) and (人) lock horns
パターン2:(人) lock horns with (人)

パターン1は、例えば2人の人が対立している場合にその両方を主語にするもので、例文を挙げると次のようになります。

例文74-1)
My ex-husband and I are locking horns over the payment of child support.
元夫と私は子供の養育費の支払いをめぐって対立しています。

例文74-2)
My husband and I are locking horns over the education of our children.
夫と私は子供の教育をめぐって意見が衝突しています。

パターン2は、対立している2人のいずれか一方のみを主語にするもので、例文を挙げると次のようになります。

例文74-3)
I compromised this time because I didn’t want to lock horns with him any more.
彼とこれ以上対立したくなかったので、今回は私が妥協しました。

例文74-4)
There is no point in locking horns with your mother-in-law. You must find a way to get along with her.
姑と対立してもムダです。彼女とうまくやっていく方法をみつけなきゃ。

洋書内の実例

lock hornsのイメージ画像2です。

 

それでは、実際に洋書内にみられるlock hornsの使用例を紹介していきます。

 

まずは、2人が対立している場合にその両方を主語にするパターン1から紹介します。

パターン1: (人) and (人) lock horns

実例1(パターン1):The Second Coming of Steve Jobs (2000)(邦題『スティーブ・ジョブズの再臨 世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活』、アラン・デウッチマン = 著)より

Elizabeth remembers how Steve and her father would “lock horns over whether the computer would be for Everyman.”
エリザベスは、スティーブと父親が「コンピュータが万人のものになるかどうかで、角をつき合わせるように議論していた」ことを思い出す。

引用元:
(英語原著)The Second Coming of Steve Jobs (2000) by Alan Deutschman; 03 CRISES
(日本語版)『スティーブ・ジョブズの再臨 世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活』(アラン・デウッチマン = 著、大谷和利 = 訳)、毎日コミュニケーションズ(2001/2);03(クライシス)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験

かつて、アップルがまだスティーブ・ジョブズの実家のガレージにあった頃(1976年頃)、ジョブズはよく親友のエリザベス・ホームズという女性の実家に遊びに行っていたといいます。エリザベスの父親の持っているレコード・アルバムを聞くためでした。そのエリザベスの父親というのがIBMの社員で、引用文では、コンピュータの未来をめぐってエリザベスの父親とジョブズがよく議論していたという部分が「lock horns」を用いて表現されていて、ここでは「角をつき合わせるように議論していた」と訳されています。

実例2(パターン1):Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012)(邦題『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』、グレアム・ハンター = 著)より

But as the two men locked horns all the way down the touchline post match, bumping each other chest-to-chest, looking like it might all go off if they had another 50 metres to walk, something else happened.
試合後にタッチライン沿いを歩きながら2人の監督が角を突き合わせ、胸と胸をぶつけんばかりにしている様子は、歩く距離があと50メートルあったら、何かが起こっていたかもしれないと思わせる光景だった。

引用元:
(英語原著)Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012) by Graham Hunter; 3 – THE EXILE RETURNS
(日本語版)『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』(グレアム・ハンター = 著、松宮寿美 = 訳)、SBクリエイティブ(2012/11);第3章(海外放出組の帰還)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分

 

次は、対立している2人のいずれか一方のみを主語にするパターン2です。

パターン2:(人) lock horns with (人)

実例3(パターン2):What If This Is Heaven? (2016) (邦題『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』、アニータ・ムアジャーニ = 著)より

“One time, I completely locked horns with my husband on an issue having to do with our daughter and some problems she was having at school,” Samirah continued. “She was struggling, trying to fit in, but my husband didn’t want her to integrate into a foreign culture, even though he was the one who made the decision to move out of our country and live here because of his business!
以前、娘の学校のことで夫と完全に意見が対立したことがありました。娘はもがきながらも新しい環境にうまく適応しようと努力していましたが、夫は娘がよその文化に溶け込むことを望んでいなかったのです。仕事のために母国を離れて、ここに住むと決心したのは自分なのに……。

引用元:
(英語原著)What If This Is Heaven? : How Our Cultural Myths Prevent Us from Experiencing Heaven on Earth (2016) by Anita Moorjani; Chapter Nine MYTH: WOMEN ARE THE WEAKER SEX
(日本語版)『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』(アニータ・ムアジャーニ = 著、奥野 節子 = 訳)、ナチュラルスピリット(2016/11);誤った社会通念9 ──女性は男性より弱い、より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/9確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);Audible版は著者のアニータ・ムアジャーニさんが朗読しています。

実例4(パターン2):The 48 Laws of Power (1998)(邦題『権力に翻弄されないための48の法則(上・下)』、ロバート・グリーン = 著)より

Had Henry locked horns with Catherine, he would have found himself mired in endless arguments that would have weakened his resolve and eventually worn him down. (Catherine was a strong, stubborn woman.)
もしヘンリーがキャサリンと争っていたら、はてしない論争の泥沼にはまっていたことだろう。やがて決意は鈍り、結局はくじけてしまったにちがいない(キャサリンは強くて頑固な女性だった)。

引用元:
(英語原著)The 48 Laws of Power (1998) by Robert Greene; LAW 36 – DISDAIN THINGS YOU CANNOT HAVE: IGNORING THEM IS THE BEST REVENGE
(日本語版)『権力に翻弄されないための48の法則(上・下)』(ロバート・グリーン = 著、鈴木主税 = 訳)、パンローリング(2016/8);下巻・法則36(手に入らないものは相手にするな。無視することが最大の復讐である)より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/9確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
mire [ˈmaɪə/ˈmaɪr] = 泥沼;泥沼にはまる、苦境に陥る

「ヘンリー」とはイギリス国王のヘンリー八世、「キャサリン」とはヘンリー八世の妻を指しています。

イギリス国王ヘンリー八世は、1531年に妻のキャサリンを宮廷から追放して、1533年にアン・ブーリンという若い女性と結婚します。ヘンリー八世はその時にブーリンとの結婚を認めなかった教皇クレメンスや妻のキャサリンと角を突き合わせて闘わずに、徹底的に無視するという作戦を選択するのですが、ここではその時にもし「争っていたら」という部分が「lock horns」を用いて表現されています。

実例5(パターン2):The Obstacle Is the Way: The Timeless Art of Turning Trials into Triumph (2014)(邦題『苦境(ピンチ)を好機(チャンス)にかえる法則』、ライアン・ホリデイ = 著)より

Whether we’re having trouble getting a job, fighting against discrimination, running low on funds, stuck in a bad relationship, locking horns with some aggressive opponent, have an employee or student we just can’t seem to reach, or are in the middle of a creative block, we need to know that there is a way.
仕事探しに苦労している。差別と闘っている。資金不足に陥っている。人間関係に苦慮している。手強い敵と角を突き合わせている。言うことを聞かない部下や学生に頭を抱えている。アイデアが浮かばなくて行き詰まっている。そんな状況に陥っているときでも、必ず道はあることを忘れてはいけない。

引用元:
(英語原著)The Obstacle Is the Way: The Timeless Art of Turning Trials into Triumph (2014) by Ryan Holiday; PREFACE
(日本語版)『苦境(ピンチ)を好機(チャンス)にかえる法則』(ライアン・ホリデイ = 著、金井啓太 = 訳)、パンローリング(2016/10);「はじめに」より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/9確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
discrimination = 差別
opponent = 敵、競争相手

Lock hornsのまとめ

lock hornsのイメージ画像3です。

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

lock horns

  • 由来:発情期に雌をめぐって雄ジカ同士が角を突き合わせて闘う際に、雄の角と角が絡まって鍵をかけたように外れなくなる様子から(「lock horns」は直訳すると「角に鍵をかける」の意)。
  • 意味:(ある問題をめぐって)対立する、角を突き合わせるように議論する、意見が衝突する
  • 英語による定義:engage in a conflict or argument
  • 出現頻度:B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:(人) lock horns with (人)
    パターン2: (人) and (人) lock horns
  • 例文
    My ex-husband and I are locking horns over the payment of child support.
    元夫と私は子供の養育費の支払いをめぐって対立しています。
    My husband and I are locking horns over the education of our children.
    夫と私は子供の教育をめぐって意見が衝突しています。
    I compromised this time because I didn’t want to lock horns with him any more.
    彼とこれ以上対立したくなかったので、今回は私が妥協しました。
    There is no point in locking horns with your mother-in-law. You must find a way to get along with her.
    姑と対立してもムダです。彼女とうまくやっていく方法をみつけなきゃ。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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