洋書に出てくる英語表現0070:all thumbs【おすすめ英語フレーズ編53】

「洋書に出てくる英語表現0070:all thumbs【おすすめ英語フレーズ編53】」のアイキャッチ画像

「洋書に出てくる英語表現」の第70回は、フレーズ編の第53回として「all thumbs」を取り挙げます。

All thumbsの意味と由来

直訳すると、「すべて親指」となります。

親指は5本の指の中で一番太くて短い指なので鈍くさく不器用に見えますが、親指を使わずにものをつかんだり、携帯電話を操作してみたりすると分かるように、親指はかなり重要な役割を担っています。

かといって、5本の指がすべて太くて短い親指だとしたらどうでしょうか。それはそれで、細かい作業をうまく行うことができず、親指がない時と同じくらい不器用な手つきになってしまうのではないでしょうか。

このように手の指がすべて親指だと細かい作業をうまく行えないことから、「all thumbs」は「不器用な」や「ぎこちない」を意味するフレーズとして広く使用されるようになりました。

「All thumbs」は、「thumb」という単語に現れているように、特に手先の不器用さを指すことが多いのですが、手先だけに限らない全体的なぎこちなさを指すこともあります。

All thumbsの英語による定義

awkward, especially with one’s hands

洋書におけるall thumbsの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

All thumbsの年代分布

1952年 – 2018年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1952年発行の『City(邦題:都市)』(クリフォード・D.シマック = 著)で、最も新しい洋書は2018年発行の『Home to Tsugaru(日本語原著:津軽)』(太宰治 = 著)でした。

このように当ブログの調査では1952年が最も古い使用例でしたが、複数の英文資料によるとこのall thumbsという表現は1500年代から使用されているそうです。

All thumbsの出現パターン

all thumbsの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:be all thumbs(主にアメリカ)(基本型・最頻出パターン)
パターン2:be all fingers and thumbs(主にイギリス)

パターン1の「be all thumbs」は主にアメリカで使用され、パターン2の「be all fingers and thumbs」は主にイギリスで使用されます。意味はいずれも同じで、用法にも差はみられません。

例文を挙げると次のようになります。

例文70-1)
I’m all thumbs when it comes to cooking.
私は料理に関しては不器用です(料理のような細かい作業は苦手です)。

例文70-2)
This new cell phone is really great, but it is too small for me. I’m all fingers and thumbs.
この新しい携帯電話は本当にすばらしいのですが、私には小さすぎます。私は手先が不器用なんです。

洋書内の実例

all-thumbsのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるall thumbsの使用例を紹介していきます。

 

まずは、パターン1から紹介します。

パターン1:be all thumbs(主にアメリカ)(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):Home to Tsugaru (2018)(日本語原著『津軽』、太宰治 = 著)より

Four or five years ago, crops failed all around here, and orders for rice polishing dried up. It was bad. Everyday, I sat beside the furnace and smoked cigarettes. After a great deal of thinking, I bought these machines and plopped them in this corner of the factory. But I’m all thumbs and never got them running well.
四、五年前、この辺一帯ひどい不作で、精米の依頼もばつたり無くなつて、いや、困つてねえ、毎日毎日、炉傍に坐つて煙草をふかして、いろいろ考へた末、こんな機械を買つて、この工場の隅で、ばつたんばつたんやつてみたのだが、僕は不器用だから、どうしても、うまくいかないんだ。

引用元:
(英語版)Home to Tsugaru (2018) by Dazai Osamu, translated from the Japanese by Shelley Marshall; Sotogahama; Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/5確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(日本語原著)『津軽』(太宰治 = 著)、初出:「新風土記叢書7 津輕」小山書店 1944(昭和19)年11月15日発行;三(外ヶ浜)より引用

【単語ノート】
crop = 作物
furnace = かまど、溶鉱炉

実例2(パターン1):South of the Border, West of the Sun (1999)(日本語原著『国境の南、太陽の西』、村上春樹 = 著)より

We held each other in my bed, and I took her clothes off. She closed her eyes and let me undress her. It wasn’t easy. I’m all thumbs to begin with, and girls’ clothes are a pain.
僕らは僕の部屋のベッドの上で抱きあった。そして僕は彼女の服を脱がせた。彼女は目を閉じて、何も言わずに僕に服を脱がされていた。でも僕はいろいろと手間取った。もともと手先があまり器用でない上に、女の子の服というのは本当にややこしくできているのだ

引用元:
(英語版)South of the Border, West of the Sun (1999) by Haruki Murakami, translated from the Japanese by Philip Gabriel; Chapter 3
(日本語原著)『国境の南、太陽の西』(村上春樹 = 著)、講談社(1992/10);3より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
pain = 面倒なこと

実例3(パターン1):Sputnik Sweetheart (2001)(日本語原著『スプートニクの恋人』、村上春樹 = 著)より

“To a certain extent those kinds of things are inborn. Talent, you could call it. Some people are nimble; others are all thumbs … Some people are quite attentive, and others aren’t. Right?”
「そういうのはたぶん、ある程度まで生まれつきのものかもしれない。才能とでも呼べばいいのかしら。手先の器用な人がいたり、不器用な人がいたり……。でもそれと同時に、わたしたちのまわりには、注意深い人もいるし、あまり注意深くない人もいる。そうよね?」

引用元:
(英語版)Sputnik Sweetheart (2001) by Haruki Murakami, translated from the Japanese by Philip Gabriel; 4
(日本語原著)『スプートニクの恋人』(村上春樹 = 著)、講談社(1999/4);4より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分4秒

【単語ノート】
inborn = 生まれつきの、先天的な
nimble = 機敏な、敏捷な、動きの素早い
attentive = 注意深い、用心深い;気遣いのできる、思いやりのある

実例4(パターン1):Eclipse (2007)(邦題『トワイライトIII (上・下)』、ステファニー・メイヤー = 著)より

Poor Ms. Cope was all thumbs as she tried to give the principal the right diploma to hand to the right student.
かわいそうにコープさんは、それぞれの卒業証書がちゃんと本人に渡るように校長に手渡そうとあたふたしていた

引用元:
(英語原著)Eclipse (2007) by Stephenie Meyer; 16. EPOCH
(日本語版)『トワイライトIII (上・下)』(ステファニー・メイヤー = 著、小原亜美 = 訳)、ヴィレッジブックス(2009/7);下巻16(卒業)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間6分52秒

【単語ノート】
diploma = 卒業証書

実例5(パターン1):The Great Passage (2017)(日本語原著『舟を編む』、三浦しをん = 著)より

The half-sharpened pencil rolled across the desk. The tip was still round, despite Majime’s intense efforts to whittle it to a point. The wood bore gouges — the blade hadn’t been put to effective use. Jeez, Nishioka thought, the guy’s all thumbs, and he started to sharpen the pencil for him.
赤鉛筆は削りかけの状態で、馬締の机に転がっている。真剣な表情で小刀を操っていたわりには、芯が丸まったままだ。いたずらに刃を当てるばかりだったらしく、木の部分がデコボコになっている。こいつ、不器用だもんなあ。西岡は馬締に代わって、赤鉛筆を削ってやることにした。

引用元:
(英語版)The Great Passage (2017) by Shion Miura, translated from Japanese by Juliet Winters Carpenter.; CHAPTER 3; Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/4確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(日本語原著)『舟を編む』(三浦しをん = 著)、光文社(2011/9);三、より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
whittle = …をナイフで削る

実例6(パターン1):City (1952)(邦題『都市』、クリフォード・D.シマック = 著)より

Carter bent over the desk and fumbled at the radio, his hands suddenly all thumbs.
カーターは机にかがみこんで、通話器(ラジオ)を不器用な手つきでさぐった。

引用元:
(英語原著)City (1952) by Clifford D. Simak; I – CITY
(日本語版)『都市』(クリフォード・D.シマック = 著、林克己 = 他訳)、早川書房(1976);第一話(都市)より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分59秒

 

パターン2:be all fingers and thumbs(主にイギリス)

実例7(パターン2):Jeeves and the Wedding Bells (2013)(邦題『ジーヴズと婚礼の鐘』、セバスチャン・フォークス = 著)より

You’re all fingers and thumbs, aren’t you, dear? Nothing to be nervous of. Come on now, this way.’
もしかして不器用な方なのかしら? 何も硬くなることはないんですよ。さあ、こちらへ、いってらっしゃい」

引用元:
(英語原著)Jeeves and the Wedding Bells (2013) by Sebastian Faulks; Chapter One
(日本語版)『ジーヴズと婚礼の鐘』(セバスチャン・フォークス = 著、村山美雪 = 訳)、竹書房(2016/4);第1章より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/4確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

All thumbsのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

all thumbs

all thumbsのイメージ画像3です。

  • 由来:手の指がすべて親指だと細かい作業をうまく行えないことから。
  • 意味:ぎこちない、不器用な(特に手先の不器用さを指すことが多いが、手先だけにかぎらない全体的なぎこちなさを指すこともある)
  • 英語による定義:awkward, especially with one’s hands
  • 出現頻度:B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:be all thumbs(主にアメリカ)(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:be all fingers and thumbs(主にイギリス)
  • 例文
    I’m all thumbs when it comes to cooking.
    私は料理に関しては不器用です。
    This new cell phone is really great, but it is too small for me. I’m all fingers and thumbs.
    この新しい携帯電話は本当にすばらしいのですが、私には小さすぎます。私は手先が不器用なんです。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

☆☆いつも応援ありがとうございます☆☆
にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽の英語へ
にほんブログ村

英語ランキング