洋書に出てくる英語表現0068:break a leg【おすすめ英語フレーズ編51】

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「洋書に出てくる英語表現」の第68回は、フレーズ編の第51回として「break a leg」を取り挙げます。

Break a legの意味と由来

直訳すると、「脚の骨を折れ!」となります。

「脚の骨を折れ!」とはとてもショッキングな日本語ですが、実はこの表現は反語的な意味で使われていて、実際には「頑張れ!」や「幸運を祈ってるぞ!」の意味で「Good luck!」の代わりに使用されます。

演劇の世界では、これからステージに上がる人に対して「Good luck!」と声を掛けると逆に悪いことが起きるという迷信が信じられていたことから、反語的な意味で「Break a leg!」という表現が「Good luck!」の代わりに使われてきました。

昔から信じられてきたこうした演劇界の迷信が演劇以外の世界にも広まった結果、この表現は、入学試験やスポーツの試合、歌手のコンサート、学生の研究内容の発表やスピーチなど、時間をかけて念入りに準備してきたものを人前で披露したり、重大な本番を迎えるような場面で幅広く使用されるようになりました。

イメージとしては、大学入試の当日に受験者に対して、「この試験にはあなたの人生がかかっているのだから、絶対に合格するのよ!」とストレートに励まして受験者にさらにプレッシャーをかける「無神経な励まし」が「Good luck!」で、「別に大学入試であなたの人生が決まるわけじゃないんだから、気楽に受けてらっしゃい!」とプレッシャーを和らげる「思いやりのある励まし」が「Break a leg!」といったところでしょうか。

こうした迷信は、信じない人は全然信じませんが、信じる人はとことん信じますので、みんなが「Break a leg!」と言って「思いやりのある励まし」をしているところで、自分1人だけ「Good luck!」と言って「無神経な励まし」をしてしまわないよう注意する必要があります。

Break a legの英語による定義

Good luck!

洋書におけるbreak a legの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

洋書にはあまり出てきませんが、日常生活では普通に使われる英語表現です。

Break a legの年代分布

1953年 – 2012年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1953年発行の『SECOND FOUNDATION(邦題:銀河帝国興亡史3:第二ファウンデーション)』(アイザック・アシモフ = 著)で、最も新しい洋書は2012年発行の『Bloodline(邦題:ギルドの系譜(上・下))』(ジェームズ・ロリンズ = 著)でした。

Break a legの出現パターン

break a legの用法に特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりませんでした。

例文を挙げると次のようになります。

例文68-1)
On the day of the entrance exam for Tokyo University, we sent him off saying, “Break a leg!”
東京大学の入試当日、私たちは「頑張ってね!」と言って彼を送り出しました。

洋書内の実例

break a legのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるbreak a legの使用例を紹介していきます。

実例1:Life with My Sister Madonna (2008)(邦題『マドンナの素顔』、クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著)より

We’ve worked really long and hard to get here. Please help us make this a great show. I love you all. Go out there and break a leg. Kick some ass. Amen.”
この日を迎えるために、私たちは長くつらい準備を重ねてきました。素晴しいショーにできるよう、どうぞ私たちに力をお貸しください。みんな大好きよ。ステージに出て、頑張ろうね。全力を尽くしましょう!アーメン」

引用元:
(英語原著)Life with My Sister Madonna (2008) by Christopher Ciccone; INTRODUCTION
(日本語版)『マドンナの素顔』(クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著、長澤あかね = 訳)、ぶんか社(2008/12/1);(はじめに)より引用

1993年9月25日、アメリカの歌手・マドンナは、ロンドンでコンサートツアー「ザ・ガーリー・ショウ」の初日を迎えます。

ステージに上がる直前、マドンナとダンサーたち、バンドのメンバー、そしてこの本の著者でマドンナの実弟でもあるクリストファー・チコーネ氏らは全員で手をつないで輪になり、マドンナが祈りを捧げます。

そのマドンナの祈りの一部を引用したのが上記引用文で、「Go out there and break a leg.」が「ステージに出て、頑張ろうね。」と訳されています。

実例2: Bloodline (2012)(邦題『ギルドの系譜(上・下)』、ジェームズ・ロリンズ = 著)より

Painter’s voice went hard. “I can see why. Go. But be — ”
ペインターの声が険しい口調に変わった。「どうやらそのようだな。作戦を進めてくれ。ただし、十分に──」

Gray cut him off before he could warn him to be careful.
グレイは「気をつけるように」というペインターの言葉が聞こえる前に回線を遮断した。

It didn’t need to be said — shouldn’t be said. It was like wishing an actor good luck instead of break a leg.
言われるまでもないことだ──いや、むしろ言われない方がいい。「気をつけるように」とか「幸運を祈る」とか口に出して言われると、かえって縁起が悪い。

引用元:
(英語原著)Bloodline (2012) by James Rollins; Chapter 14
(日本語版)『ギルドの系譜(上・下)』(ジェームズ・ロリンズ = 著、桑田健 = 訳)、竹書房(2015/4);第一部(海賊)、14より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/3確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分2秒

この引用文では、気をつけなければならないことが分かりきっている場合に、わざわざ「気をつけて」と言うのは、これから舞台に出る俳優に対して「break a leg」と言わずに「good luck」と言うようなもので、かえって縁起が悪い、という主旨の内容が述べられています(訳文では、「break a leg」という表現を使わない日本人にも伝わるように、うまく意訳されています)。

この引用文からも、気軽に「Good luck!」と言うと「無神経な励まし」に聞こえる場合があることがお分かりいただけると思います。

実例3:Open: An Autobiography (2009)(邦題『OPEN:アンドレ・アガシの自叙伝』、アンドレ・アガシ = 著)より

Go back and enjoy yourselves. Break a leg. Have some more hand. I’m out of here.
戻って楽しんでくるがいい。頑張って。もう少し手をなめればいい。僕は出ていく。

引用元:
(英語原著)Open: An Autobiography (2009) by Andre Agassi; Chapter 18
(日本語版)『OPEN:アンドレ・アガシの自叙伝』(アンドレ・アガシ = 著、川口由紀子 = 訳)、ベースボール・マガジン社(2012/5);第18章より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約7分30秒

ここでは、アメリカの元プロテニス選手、アンドレ・アガシの1人目の妻(当時は恋人)で女優のブルック・シールズとの関係について記載されています。

アガシは、ホームコメディー『フレンズ』にゲスト出演することになったブルック・シールズの撮影に付き添ってハリウッドまで行ったのですが、あるシーンの撮影中に深い嫉妬を覚えてスタジオを飛び出します。

アガシが深く嫉妬したのは、ストーカー役を演じていたブルック・シールズがストーカー対象の男性の手を口にくわえて、目をむきながらその男性の指をソフトクリームのようにペロペロとなめるシーンでした。

スタジオを飛び出したアガシが、追いかけてきたブルック・シールズに対して言った言葉がこの引用文で、皮肉を込めた励ましの気持ちが「Break a leg」で表現されています。

実例4:Birthday (2006)(日本語原著『バースデイ』、鈴木光司 = 著)より

“Hey, you’re on. Break a leg,” he managed to say, though his throat was dry and his voice scratchy. He placed a hand on her back and urged her toward the stage. Sadako squirmed as if reluctant and made a show of refusing to budge.
But then she said, “Okay, well, later, then.”
「さ、いよいよ君の出番だ。がんばって
喉がからからに渇き、かすれ声だったが、遠山は、貞子の背中を押して、ステージへと急がせた。貞子は、いやいやをするように身体をくねらせ、立ち止まる仕草をして、言った。
「じゃ、また、あとで、ね」

引用元:
(英語版)Birthday (2006) by Koji Suzuki, translated by Glynne Walley; LEMON HEART
(日本語原著)『バースデイ』(鈴木光司 = 著)、角川書店(1999/12);レモンハート、より引用

【単語ノート】
squirm = 身をよじる、もじもじする
budge = 意見や態度を変える
refuse to budge = 頑として聞かない、自分の考えを譲らない、てこでも動かない

実例5:Mardock Scramble (2011)(日本語原著『マルドゥック・スクランブル : the second combustion-燃焼』、冲方丁 = 著)より

-No regrets. I’m glad I did what I did.
Well, break a leg, babe.
〈後悔はしてない。やって良かったと思う〉
幸運を祈ってるぜ

引用元:
(英語版)Mardock Scramble (2011) by Tow Ubukata, translated by Edwin Hawkes; Book II: THE SECOND COMBUSTION、Chapter 6 INJECTION
(日本語原著)『マルドゥック・スクランブル : the second combustion-燃焼』(冲方丁 = 著)、早川書房(2003/5);Chapter.2(噴出 Injection)より引用

Break a legのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

break a leg

break a legのイメージ画像1です。

  • 由来:これからステージに上がる人に対して「Good luck!」と言って励ますと逆に悪いことが起きるという演劇界の迷信から。
  • 意味:頑張れ!、幸運を祈ってるぞ!
  • 英語による定義: Good luck!
  • 出現頻度:B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン:出現パターンと言えるような特別な型は見当たりません。
  • 例文
    On the day of the entrance exam for Tokyo University, we sent him off saying, “Break a leg!”
    東京大学の入試当日、私たちは「頑張ってね!」と言って彼を送り出しました。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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