洋書に出てくる英語表現0067:in the groove【おすすめ英語フレーズ編50】

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「洋書に出てくる英語表現」の第67回は、フレーズ編の第50回として「in the groove」を取り挙げます。

In the grooveの意味と由来

直訳すると、「溝の中に」となります。

ここでいう「溝」とは「レコード盤の溝」のことを指していて、「in the groove」はレコードプレーヤー(蓄音機)の針がレコード盤の溝を快調に走っている様子に由来します。レコード針をレコード盤の溝にきちんと置けば、レコード盤が快調に回って音楽が滞りなくスムーズに再生されることから、「in the groove」は「快調である」ことを意味するフレーズとして使用されるようになりました。

日本語では、「快調で」のほか、「絶好調で」、「軌道に乗って」、「波に乗って」などと訳されます。

元々はジャズ用語で、「(音楽やリズム)に乗っている」や「(最新の流行に乗っていて)かっこいい」などの意味でも使用されます。

In the grooveの英語による定義

performing very well

洋書におけるin the grooveの出現頻度

B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

In the grooveの年代分布

1919年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1919年発行の『The Moon and Sixpence(邦題:月と六ペンス)』(サマセット・モーム = 著)で、最も新しい洋書は2017年発行の『JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT(邦題:ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット)』(ジェンソン・バトン = 著)でした。

このように当ブログの調査では1919年が最も古い使用例でしたが、複数の英語文献によると1800年代中頃に既に本表現の使用例がみられるそうです。

In the grooveの出現パターン

in the grooveの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:be in the groove / be back in the groove
パターン2:get in the groove / get back in the groove

パターン1は、be動詞とともに用いるもので、快調な「状態」を表します。backを間に挟む場合は、以前の快調な姿に戻っている「状態」を表します。例文を挙げると次のようになります。

例文67-1)
The Hanshin Tigers are in the groove this season.
阪神タイガースは、今シーズンは絶好調です。

例文67-2)
Fujinami was in a slump over the last few years, but he is back in the groove this season.
藤浪選手は過去数年スランプに陥っていましたが、今シーズンは以前の好調な時の姿を取り戻しています。

パターン2は、be動詞の替わりにgetを用いるもので、「get in the groove」は快調な状態になるという「アクション」を表し、「get back in the groove」は以前の快調な状態に戻るという「アクション」を表します。

例文67-3)
He had a hard time at first, but he got in the groove soon.
彼は最初は苦労していましたが、すぐに調子を出してきました。

例文67-4)
If you rest too long, it becomes hard to get back in the groove again.
長く休みすぎると、元の状態を取り戻すのが難しくなります。

例文67-5)
After the injury, he never got back in the groove again.
その怪我の後、彼が元の状態を取り戻すことはありませんでした。

洋書内の実例

in the grooveのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるin the grooveの使用例を紹介していきます。

 

まずは、パターン1から紹介します。

パターン1:be in the groove / be back in the groove

実例1(パターン1):JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より

Still, I was in the groove, feeding off the atmosphere and enjoying the comparative lack of pressure, making my way into sixth and staying on Ralf’s tail.
それでも、その日の僕はノっていた。シューマッハとハッキネンの対決に注目が集まるというレースの雰囲気をうまく利用し、プレッシャーが少ない状況を楽しみながら走った。六位に浮上し、ラルフの後ろにつけた。

引用元:
(英語原著)JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017) by Jenson Button; PART TWO
(日本語版)『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』(ジェンソン・バトン = 著、児島 修 = 訳)、東洋館出版社(2019/4);第二部(栄光に向かって)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
feed off = 〜をうまく利用する、〜から力を得る
atmosphere = 雰囲気

2000年に20歳という異例の若さでF1ドライバーのシートを獲得したジェンソン・バトンは、2000年10月8日に初めてのF1日本グランプリを迎えます。日本グランプリを迎える時点でワールドチャンピオン争いはフェラーリのミハエル・シューマッハが2位のミカ・ハッキネン(マクラーレン)に8ポイント差をつけてチャンピオン獲得に王手をかけていたことから、この一戦は2人のチャンピオン争いに注目が集まっていました。

こうした流れで出てくるのがこの引用文で、5位スタートのバトンはスタートでつまずいて7位に転落したものの、その日の「僕はノっていた」という部分が「in the groove」を用いて表現されています。

実例2(パターン1):Arsene Wenger: The Inside Story of Arsenal Under Wenger(邦題『アーセン・ヴェンゲル:アーセナルの真実 』 ジョン・クロス = 著)より

Arsenal were in the groove. By 10 April, after United dropped points against Liverpool, Arsenal were seven points behind but had three games in hand. Even Ferguson admitted: ‘The balance of power is in Arsenal’s hands. They can only throw it away really.’
アーセナルは波に乗っていた。4月10日の時点で、ユナイテッドがリヴァプール相手に取りこぼし、三試合多く残したアーセナルと7ポイント差になった。ファーガソンも、「アーセナルが優位に立った。ただし自滅の可能性はあるが……」と認めざるを得なかった。

引用元:
(英語原著)Arsene Wenger: The Inside Story of Arsenal Under Wenger by John Cross;Simon & Schuster UK (2015/9); CHAPTER 2 FRENCH REVOLUTION
(日本語版)『アーセン・ヴェンゲル:アーセナルの真実』(ジョン・クロス = 著、岩崎晋也 = 訳)、東洋館出版社(2016/10);第2章(フランス革命)より引用

1996年10月にイングランド・プレミアリーグのアーセナルFCの監督に就任したアーセン・ヴェンゲルは、1年目の1996-97年シーズンを3位という好成績で終えると、2年目の1997-98年シーズンには最大で11ポイント離されていた首位マンチェスター・ユナイテッドとの差を逆転して優勝します。

この引用文では、1998年4月10日時点でアーセナルが首位のユナイテッドに7ポイント差をつけられていたものの、アーセナルの方が残り試合が3試合多かったことからアーセナルが優位に立っていたことが記載されています。ここでは、その時のアーセナルのチーム状態が「in the groove」を用いて表現されていて、「波に乗っていた」と訳されています。

 

次は、be動詞の替わりにgetを用いるパターン2です。

パターン2:get in the groove / get back in the groove

実例3(パターン2):THE DARK TOWER VII: The Dark Tower (2004)(邦題『ダーク・タワーVII:暗黒の塔』、スティーヴン・キング = 著)より

“Because I know the kind of shit I get up to when I’m in touch with myself,” he told Ted. “When I, you know, really get in the groove.”
「なぜなら、自分自身を感じられるときには、とんでもないことを起こしてしまうからさ」かれはテッドに言った。「ほら、ぼくがほんとにグルーヴに乗ってるときには

引用元:
(英語原著)THE DARK TOWER VII: The Dark Tower (2004) by Stephen King; Part Two: BLUE HEAVEN DEVAR-TOI, Chapter VIII: Notes from the Gingerbread House
(日本語版)『ダーク・タワーVII:暗黒の塔』(スティーヴン・キング = 著、風間賢二 = 訳)、新潮社(2006/11-2007/1);第二部(青い天国 デヴァ・トイ)、第八章(ジンジャーブレッド・ハウスからの手紙)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間9分51秒

実例4(パターン2):Raising the Bar: The Championship Years of Tiger Woods (2000)(邦題『新帝王伝説 タイガー・ウッズ 新たなる挑戦』、ティム・ロザフォート = 著)より

A : It does feel nice. I didn’t have to answer any Ryder Cup questions while I was playing out there, or warming up. It was nice to get back in the groove.
タイガー 気分はいいですよ。プレー中もウォーミングアップ中も、ライダー・カップについて、あれこれ訊かれることがありませんから。調子が戻ってきて、よかったと思います

引用元:
(英語原著)Raising the Bar: The Championship Years of Tiger Woods (2000) BY TIM ROSAFORTE; Chapter 22. THE ENDLESS SUMMER
(日本語版)『新帝王伝説 タイガー・ウッズ 新たなる挑戦』(ティム・ロザフォート = 著、小林浩子 = 訳)、文藝春秋(2001/05);22章(エンドレスサマー)より引用

実例5(パターン2):The Brokenhearted (2013)(邦題『秘密の心臓』、アメリア・カヘーニ = 著)より

I told my father I was headed to the studio to try to get back in the groove, and he patted me absently on the head, saying Atta girl, there’s the old work ethic I know and love.
パパには、調子を取り戻すためにスタジオで練習してくると言ってきた。パパはたいして気にもとめずに、わたしの頭を軽く叩いて「いいぞ。努力してこそ報われる。昔から言われていることだが、パパはこの言葉が大好きだ」と言った。

引用元:
(英語原著)The Brokenhearted (2013) by Amelia Kahaney; Chapter 17
(日本語版)『秘密の心臓』(アメリア・カヘーニ = 著、法村里絵 = 訳)、チャイコ(2016/1);17より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/8/2確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間4分56秒

実例6(パターン2):Man With the Golden Gun (1965)(邦題『007/黄金の銃をもつ男』、イアン・フレミング = 著)より

If he cuts up rough, we can always give him some dope. He’s a good friend of mine. He won’t hold it against us. He obviously needs to be got back in the groove – if we can do it, that is.’
もし彼があばれるようだったら、麻酔薬でも与えればいいんです。彼はわたしにとってもいい友だちです。わたしたちにさからうことはないでしょう。明らかに彼は、正常にもどしてやる必要があるんです — もし、それができさえすればですが」

引用元:
(英語原著)Man With the Golden Gun (1965) by Ian Fleming; 2 ……. ATTENTAT!
(日本語版)『007/黄金の銃をもつ男』(イアン・フレミング = 著、井上一夫 = 訳)、早川書房(2000/2);2(ロシアの刺客)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間2分58秒

【単語ノート】
cut up rough = 怒る、癇癪を起こす
dope = 麻薬、麻酔薬
hold it against someone = あることで人のことを悪く思う、嫌う、責める

In the grooveのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

in the groove

in the grooveのイメージ画像1です。

  • 由来:レコードプレーヤー(蓄音機)の針がレコード盤の溝(groove)を快調に走っている様子から。
  • 意味:快調で、絶好調で、軌道に乗って、波に乗って
  • 英語による定義: performing very well
  • 出現頻度:B[低頻度:洋書内での出現頻度はそれほど高くはないがネイティブなら知っている英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:be in the groove / be back in the groove
    パターン2:get in the groove / get back in the groove
  • 例文
    The Hanshin Tigers are in the groove this season.
    阪神タイガースは、今シーズンは絶好調です。
    Fujinami was in a slump over the last few years, but he is back in the groove this season.
    藤浪選手は過去数年スランプに陥っていましたが、今シーズンは以前の好調な時の姿を取り戻しています。
    He had a hard time at first, but he got in the groove soon.
    彼は最初は苦労していましたが、すぐに調子を出してきました。
    If you rest too long, it becomes hard to get back in the groove again.
    長く休みすぎると、元の状態を取り戻すのが難しくなります。
    After the injury, he never got back in the groove again.
    その怪我の後、彼が元の状態を取り戻すことはありませんでした。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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