洋書に出てくる英語表現0055:「click(クリック)」には「●●●」という意味がある【第2・第3の意味編5】

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「洋書に出てくる英語表現」の第55回は「第2・第3の意味編」の第6回として「click」を取り挙げます。

「click(クリック)」と言えば、「click the Order button(「注文」のボタンをクリックする)」や「click on the light switch(電気のスイッチをカチッと入れる)」のような用法を思い浮かべる方が多いと思いますが、「click(クリック)」には、それ以外にもよく使われる意味が1つありますので、今回はそれを紹介します。

目次
  1. あらゆるものが「クリック」する完璧な1日
  2. Clickの英語による定義
  3. 洋書におけるclickの出現頻度
  4. Clickの出現パターン
  5. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):MIDAS TOUCH: Why Some Entrepreneurs Get Rich – and Why Most Don’t (2011)(邦題『黄金を生み出すミダスタッチ:成功する起業家になるための5つの教え』、ドナルド・トランプ、ロバート・キヨサキ = 著)より
    2. 実例2(パターン1):Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012)(邦題『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』、グレアム・ハンター = 著)より
    3. 実例3(パターン1): Audrey Hepburn (1996)(邦題『オードリー・ヘップバーン[上・下]』、永井淳=訳)より
    4. 実例4(パターン1):FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013)(邦題『ウサイン・ボルト自伝』 ウサイン・ボルト = 著)より
    5. 実例5(パターン2):STEVE JOBS: THE BIOGRAPHY (2011)(邦題『スティーブ・ジョブズ』、ウォルター・アイザックソン = 著)より
    6. 実例6(パターン2):Life with My Sister Madonna (2008)(邦題『マドンナの素顔』、クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著)より
    7. 実例7(パターン3): Audrey Hepburn (1996)(邦題『オードリー・ヘップバーン[上・下]』、永井淳=訳)より
    8. 実例8(パターン3):Rich Dad’s Before You Quit Your Job (2004)(邦題『金持ち父さんの起業する前に読む本』、ロバート・キヨサキ + 公認会計士シャロン・レクター = 著)より
    9. 実例9(パターン3):THE ONLY WAY I KNOW (1997)(邦題『カル・リプケン・Jr. 我が道を信じて』、カル・リプケン・Jr、マイク・ブライアン = 著)より
    10. 実例10(パターン3):The Yankee Years (2009)(邦題『さらばヤンキース:我が監督時代』、ジョー・トーリ / トム・ベルデュッチ 共著)より
    11. 実例11(パターン3):MY LIFE (1992)(邦題『マイライフ』、アービン “マジック” ジョンソン = 著)より
    12. 実例12(パターン3):Mariah Carey Revisited: The Unauthorized Biography HER STORY (1998)(邦題『マライア・キャリーの選択』、クリス・ニクソン = 著)より
  6. Clickのまとめ

あらゆるものが「クリック」する完璧な1日

まず、次の文章を見て下さい

Everything was beginning to click at just the right moment.

I’d put in the time in practice and in matches and now everything was clicking.

Maybe, if you work long enough and hard enough, you will be given a single perfect day, a few hours when everything clicks and even the moves that seem wrong at first turn out for the best.

これらの文章は3つとも、『マリア・シャラポワ自伝』という本の同じ章(第11章)から引用しています。

モスクワのテニス・クリニックでマルチナ・ナブラチロワに才能を見出され、7歳の時に父ユーリとともに渡米したロシア出身の元女子プロテニス選手マリア・シャラポワは、渡米から10年後の2004年、17歳の時にウィンブルドン大会でついに初のグランド・スラム優勝を成し遂げます。

その時の状況を表したのがこれらの引用文で、いずれの文章でも「click」が同じ意味で使われているのですが、どういう意味か分かりますでしょうか?

1つめの文章では「あらゆるものが絶好のタイミングでクリックし始めていた」と書かれていて、2つめの文章では「練習と試合に時間をそそぎ込み、今やすべてのものがクリックしていた」と書かれています。

そして3つめの文章では、「長い間、懸命に努力すれば、あらゆるものがクリックする完璧な日を1日だけ与えられるのかもしれない」と書かれていて、実際に長い間懸命に努力してきたシャラポワにはそのような「完璧な1日」が与えられ、17歳にしてグランドスラム優勝を成し遂げます。

もうお分りかと思いますが、この「click」は「はまる」という意味で使われています。

Everything was beginning to click at just the right moment.
あらゆるものが絶好のタイミングでうまくはまり始めていた

I’d put in the time in practice and in matches and now everything was clicking.
練習と試合に時間をそそぎ込み、今やすべてのものがピタッとはまっているところだった

Maybe, if you work long enough and hard enough, you will be given a single perfect day, a few hours when everything clicks and even the moves that seem wrong at first turn out for the best.
もしかしたら、長い間、しかも懸命に努力したら、完璧な日を1日だけ与えられるのかもしれない。あらゆるものがピタッと当てはまり、最初はよくないと思えた動きさえ、最高になるという数時間を経験する1日を。

引用元:
(英語原著)UNSTOPPABLE: MY LIFE SO FAR (2017) by MARIA SHARAPOVA; Chapter 11
(日本語版)『マリア・シャラポワ自伝』(マリア・シャラポワ = 著、金井真弓 = 訳)、文藝春秋(2018/6);第11章(17歳、ウィンブルドンで初優勝)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);Audible版はシャラポワさん本人が朗読しています。サンプルだけでも聴く価値アリです。

日本語でも、サッカーの試合などでチームの攻撃が停滞していて、監督が選手を1人交代させた途端、チームの攻撃が見違えるように機能しはじめた時などに、監督の選手起用が「はまった」などとよくいいますが、この「はまる」にピッタリの英語表現が今回取りあげている「click」です。

イメージとしては、動きの悪かった歯車が何かの拍子にカチッとはまって、スムーズに回転しはじめる様子を思い浮かべると良いと思います。

上記引用文のように物事を主語にすることもできますし、人を主語にすることもできます。

人を主語にした場合には、人と人の関係がカチッとはまるということで、「意気投合する」、「うまが合う」という意味なり、物事を主語にした場合には、上記引用文のように「うまくはまる」、「歯車が噛み合う」、「事態が好転する」などの意味になります。

Clickの英語による定義

hit it off each other, have chemistry; function well

洋書におけるclickの出現頻度

AAA[超高頻度:極めて高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

「click」は「(ボタンなどを)クリックする」の意味で洋書に高頻度に出現するだけでなく、「(物事が)ピタリとはまる」や「意気投合する」の意味でも高頻度に出現します。

Clickの出現パターン

今回は、洋書によく出てくる「click」の出現パターンを3つ紹介します。

パターン1:(人)and (人) click、または主語の部分を代名詞で置き換えたもの
パターン2:(人) click with (人)
パターン3:(物事) click

パターン1は、人を主語にするもので、例文を挙げると次のようになります。

例文55-1)
I met her through a mutual friend and we clicked right away.
私は共通の友人を通して彼女と知り合い、すぐに意気投合しました。

例文55-2)
When I met Mary for the first time, we clicked immediately and exchanged numbers.
私が初めてメアリーに会った時、私達はすぐに意気投合して、電話番号を交換しました。

パターン2は、意気投合する2人のいずれか一方のみを主語にするもので、例文55-2をこのパターンで書きかえると次のようになります。

例文55-3)
I clicked with Mary immediately when we first met, and we exchanged numbers.
私達が初めて出会ったとき、私はメアリーとすぐに意気投合して、電話番号を交換しました。

パターン3は物事を主語にするもので、例文を挙げると次のようになります。

例文55-4)
On that day everything clicked, and I miraculously passed the entrance examination for Tokyo University.
その日は、あらゆる物事がぴたりとはまって、僕は奇跡的に東京大学に合格しました。

例文55-5)
At that time, something clicked in my head and I came up with a great idea.
あの時、私の頭の中で何かがぴたりとはまって、すばらしいアイデアを思いつきました。

洋書内の実例

clickのイメージ画像2です。

 

それでは、実際に洋書内にみられるclickの使用例を紹介していきます。

 

まずは、パターン1から紹介します。

パターン1:(人)and (人) click、または主語の部分を代名詞で置き換えたもの

実例1(パターン1):MIDAS TOUCH: Why Some Entrepreneurs Get Rich – and Why Most Don’t (2011)(邦題『黄金を生み出すミダスタッチ:成功する起業家になるための5つの教え』、ドナルド・トランプ、ロバート・キヨサキ = 著)より

Their technical ability is necessary, of course, but more importantly, we have to click, or a lot of time and money will be wasted.
彼らに専門的な能力が必要なのはもちろんだが、もっと大事なのは、たがいにうまが合うことだ。そうでなければ多くの時間とお金が無駄になる。

引用元:
(英語原著)MIDAS TOUCH: Why Some Entrepreneurs Get Rich – and Why Most Don’t (2011) by Donald J. Trump and Robert T. Kiyosaki ; CHAPTER THREE The Middle Finger: Brand
(日本語版)『黄金を生み出すミダスタッチ:成功する起業家になるための5つの教え』(ドナルド・トランプ、ロバート・キヨサキ = 著、白根美保子 = 訳)、筑摩書房(2012/11);第三章(中指…ブランド)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約2分

ドナルド・トランプとロバート・キヨサキの共著による『MIDAS TOUCH』という書籍からの引用です。

この本では、いくつかのテーマごとにドナルド・トランプとロバート・キヨサキが交互に執筆するという形式がとられているのですが、この引用文ではドナルド・トランプがさまざまなビジネス・パートナーとの関係について記載していて、ビジネス・パートナーを選ぶにあたっては「うまが合う」ことが重要だという部分が「click」を用いて表現されています。

実例2(パターン1):Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012)(邦題『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』、グレアム・ハンター = 著)より

Initially, Ibrahimovic and Leo Messi clicked. The goals and the assists flowed.
当初、イブラヒモビッチとレオ・メッシのコンビはしっくりきていた。ゴールとアシストが量産された。

引用元:
(英語原著)Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012) by Graham Hunter; 3 – THE EXILE RETURNS
(日本語版)『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』(グレアム・ハンター = 著、松宮寿美 = 訳)、SBクリエイティブ(2012/11);第3章(海外放出組の帰還)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分

この引用文では、2008-09シーズンの終了後にイタリアの強豪インテルからスペインのバルセロナFCに移籍してきたズラタン・イブラヒモビッチとリオネル・メッシの関係について記載されていて、ここでは「clicked」が「しっくりきていた」と訳されています。

ゴールやアシストの「量産」が「flow」を使って表現されているも面白いですね。かつて、元オランダ代表のファン・ニステルローイがゴールをケチャップにたとえ、日本の本田圭佑選手もワールドカップ予選の時に「ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときは出ないけど、出るときはドバドバ出る」と発言して話題になりましたが、この「flow」の用法は本田選手の「ケチャドバ」発言を思い出させますね。

実例3(パターン1): Audrey Hepburn (1996)(邦題『オードリー・ヘップバーン[上・下]』、永井淳=訳)より

In the end, even Bogdanovich knew that Gazzara and Hepburn didn’t click.
しまいにはボグダノヴィッチでさえギャザラとヘップバーンが噛み合っていないことに気がついた。

引用元:
(英語原著)Audrey Hepburn (1996) by Barry Paris; CHAPTER 9 Dutch Treat (1980-1989)
(日本語版)『オードリー・ヘップバーン[上・下]』(バリー・パリス = 著、永井淳=訳)、集英社(1998/5);下巻・第9章 オランダのごちそう(一九八〇 – 一九八九年) より引用

この引用文では、オードリー・ヘップバーンが最後に主役を演じた1980年の映画『ニューヨークの恋人たち(They All Laughed)』について記載されています。「ボグダノヴィッチ」とはこの映画の監督をつとめたピーター・ボグダノヴィッチのことで、ここではオードリー・ヘップバーンと共演のベン・ギャザラとの関係が「didn’t click(噛み合っていなかった)」と表現されています。

実例4(パターン1):FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013)(邦題『ウサイン・ボルト自伝』 ウサイン・ボルト = 著)より

No matter how hard he tried, we didn’t click — that wasn’t his fault, it’s just the way it goes in track and field sometimes.
どれだけ彼ががんばっても、俺たちは相性が悪かったのだ — そうなったのは彼のせいではないし、陸上ではよくある話にすぎなかった。

引用元:
(英語原著)FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013) by USAIN BOLT with Matt Allen;CHAPTER SIX The Heart of a Champion, a Mind of Granite
(日本語版)『ウサイン・ボルト自伝』(ウサイン・ボルト = 著、生島淳 = 訳)、集英社インターナショナル(2015/5);第6章(王者の心と、鋼鉄の意志)より引用

【単語ノート】
fault = 過失、責任
track and field = 陸上競技

100m、200m及び4 x 100mリレーの世界記録保持者で、「人類史上最速のスプリンター」と称されたウサイン・ボルト氏の自伝からの引用です。

オリンピックで計11個の金メダルを獲得したボルト氏ですが、17歳の時に初めて出場した2004年のアテネオリンピックでは、信じがたいことに一次予選で敗退しています。

この結果を受けて、ボルト氏はコーチをコールマン氏からグレン・ミルズ氏に変更することを決断します。上記引用文の「彼」とは、そのコールマン・コーチのことを指していて、コールマン・コーチとの関係が「didn’t click」、つまり「相性が悪かった」と表現されています。

 

次は、意気投合する2人のいずれか一方のみを主語にするパターン2です。

パターン2:(人) click with (人)

実例5(パターン2):STEVE JOBS: THE BIOGRAPHY (2011)(邦題『スティーブ・ジョブズ』、ウォルター・アイザックソン = 著)より

Valentine did, Jobs met them, and he clicked with one of them, a man named Mike Markkula, who would end up playing a critical role at Apple for the next two decades.
そして、バレンタインから推薦されたうちのひとり、マイク・マークラと意気投合する。その後20年間、アップルに欠くことのできない存在となる人物である。

引用元:
(英語原著)Steve Jobs (2011) by Walter Isaacson; CHAPTER SIX THE APPLE II, Dawn of a New Age
(日本語版)『スティーブ・ジョブズ(I・II)』(ウォルター・アイザックソン = 著、井口耕二 = 訳)、講談社(2011/10-11);第6章(アップルII ニューエイジの夜明け)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

アップルコンピュータ社は、1977年1月にスティーブ・ジョブズ(当時21歳)とスティーブ・ウォズニアックの2人のスティーブに投資家のマイク・マークラを加えた3人で正式に設立されるのですが、ここではスティーブ・ジョブズがマイク・マークラと意気投合したという部分が「click with」を使って表現されています。

実例6(パターン2):Life with My Sister Madonna (2008)(邦題『マドンナの素顔』、クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著)より

I instantly click with her and her best friend, her fellow supermodel Naomi Campbell.
ぼくはたちまち、ケイトやその親友で同じくスーパーモデルのナオミ・キャンベルと意気投合した

引用元:
(英語原著)Life with My Sister Madonna (2008) by Christopher Ciccone; Chapter 9
(日本語版)『マドンナの素顔』(クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著、長澤あかね = 訳)、ぶんか社(2008/12/1);第九章より引用

このブログで既に何度か紹介しているマドンナの実弟クリストファー・チコーネ氏の書籍からの引用です。引用文内の「ぼく」はそのクリストファー・チコーネ氏のことで、「ケイト」とはイギリスのスーパー・モデル、ケイト・モス(Kate Moss)のことを指しています。

クリストファー・チコーネ氏は、1995年11月に開かれた自身の誕生パーティーでケイト・モスと出会ったということで、ケイト・モスやその親友のナオミ・キャンベルとたちまち意気投合したという部分が「instantly click with」で表現されています。

 

最後は物事を主語とするパターン3です。

パターン3:(物事) click

実例7(パターン3): Audrey Hepburn (1996)(邦題『オードリー・ヘップバーン[上・下]』、永井淳=訳)より

“I usually find cinema people boring,” she says today. “But with Audrey, something clicked, and we became fast friends.”
「一般に映画人というのは退屈だが」と、現在の彼女は語る。「オードリーとはどこかうまが合って、すぐに友達になった」。

引用元:
(英語原著)Audrey Hepburn (1996) by Barry Paris; CHAPTER 8 Roman Holiday II (1968-1979)
(日本語版)『オードリー・ヘップバーン[上・下]』(バリー・パリス = 著、永井淳=訳)、集英社(1998/5);第8章 ローマの休日II(一九六八 – 一九七九年) より引用

この引用文内の「彼女」とは、オードリー・ヘップバーンがローマで映画『戦争と平和(War and Peace)』(1956年公開)を撮影していた時に知り合った友人、ロヴァテッリ伯爵夫人のことを指しています。

そのロヴァテッリ伯爵夫人はオードリーとの関係を「something clicked」と表現していて、ここでは「どこかうまが合って」と訳されています。

実例8(パターン3):Rich Dad’s Before You Quit Your Job (2004)(邦題『金持ち父さんの起業する前に読む本』、ロバート・キヨサキ + 公認会計士シャロン・レクター = 著)より

Suddenly, all three days of lessons, fears, and frustrations clicked and I was driving the car at full throttle. Instead of fear, it was exhilaration.
三日間の厳しいレッスン、恐怖、うまくできないことに対するじれったさなどが一瞬にして納まるべきところに納まり、私は全速力でフォーミュラカーを走らせていた。

引用元:
(英語原著)Rich Dad’s Before You Quit Your Job: 10 Real-Life Lessons Every Entrepreneur Should Know (2005) by Robert T. Kiyosaki with Sharon L. Lechter; Rich Dad’s Entrepreneurial Lesson #2 Learn How to Turn Bad Luck Into Good Luck
(日本語版)『金持ち父さんの起業する前に読む本:ビッグビジネスで成功するための10のレッスン』(ロバート・キヨサキ + 公認会計士シャロン・レクター = 著、白根美保子 = 訳)、筑摩書房(2006/11);金持ち父さんの起業家レッスン その二 不運を幸運に変える方法を身につける、より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験

2005年3月、「金持ち父さん」シリーズの著者ロバート・キヨサキ氏は、妻のキムさんとともに、アリゾナ州フェニックスで開催された四日間のF1レーシングスクールに参加します。

何年もレース経験があるようなアマチュアドライバーが参加するクラスに申し込んでしまったロバート・キヨサキ氏は、クラスが始まってすぐに後悔の念に襲われ、あまりの恐怖感から二日目にはクラスをスマートにキャンセルする口実を必死で探していたといいます。

しかし、妻のキムさんが自分よりもずっと速く走っていることをインストラクターから知らされたロバート・キヨサキ氏は、男のプライドから引くに引けなくなってしまいます。

胃の痛みがどんどん強くなり、何度もやめたいと思ったロバート・キヨサキ氏でしたが、四日目には車の中で完全にリラックスして幸福感に満たされていたといいます。その時の状況を説明したのが上記引用文で、三日間の厳しいレッスン、恐怖、じれったさなどが「click」したと表現されていて、こここでは「納まるべきところに納まり」と訳されています。

実例9(パターン3):THE ONLY WAY I KNOW (1997)(邦題『カル・リプケン・Jr. 我が道を信じて』、カル・リプケン・Jr、マイク・ブライアン = 著)より

But then things started clicking again with the help of another bit of good fortune, not the kind that makes a career, but enough that I remember it distinctly.
ところが、ちょっとした幸運のおかげで、再び事態は好転し始めた。人生を変えるほどではないにしても、私はその幸運な出来事をいまもはっきり覚えている。

引用元:
(英語原著)THE ONLY WAY I KNOW (1997) by Cal Ripken, Jr. & Mike Bryan; Chapter Four
(日本語版)『カル・リプケン・Jr. 我が道を信じて』(カル・リプケン・Jr、マイク・ブライアン = 著、鈴澤 一 = 訳)、TOKYO FM出版(1998/11);4(ルーキーの年)より引用

この引用文では、2632試合連続出場の世界記録をもつアメリカの元プロ野球選手カル・リプケン・Jr.がまだマイナーリーグでプレーしていた頃に起きた「幸運な出来事」について記載されています。

その当時、リプケン選手は打撃不振に陥っていたのですが、リプケン選手のもとに普段使っているものとは異なるバットが間違えて送られてきたため、試しに使ってみたところ、そのバットの感触が気に入って良い打球を飛ばせるようになったということが書かれています。

ここでは、その時の状況が「things started clicking again」と表現されていて、「再び事態は好転し始めた」と訳されています。

実例10(パターン3):The Yankee Years (2009)(邦題『さらばヤンキース:我が監督時代』、ジョー・トーリ / トム・ベルデュッチ 共著)より

Torre, working around injuries and egos, struggled to find the combination of players that would click.
各選手の故障の状態や性格を考慮しながら、ジョー・トーリはぴたりとはまるラインナップの構成に苦労した。

引用元:
(英語原著)The Yankee Years (2009) by Joe Torre and Tom Verducci; 12. Broken Trust
(日本語版)『さらばヤンキース:我が監督時代』(ジョー・トーリ / トム・ベルデュッチ = 著、小坂恵理 = 訳)、青志社(2009/4);第12章(崩れた信頼)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間6分30秒

1996年から2007年まで米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの監督を務めたジョー・トーリ(Joe Torre)氏の書籍からの引用です。

日本の松井秀喜選手も所属していた2006年のヤンキースは、メジャーリーグの中でも最高と言える豪華な打撃陣を擁していたのですが、大砲ばかりをそろえすぎたのが悪かったのか、アメリカンリーグの地区シリーズで敗退してしまいます。

この引用文では、その時に苦労した打撃陣の構成が「combination of players that would click」と表現されていて、「ぴたりとはまるラインナップ」と訳されています。

実例11(パターン3):MY LIFE (1992)(邦題『マイライフ』、アービン “マジック” ジョンソン = 著)より

Everybody was on the same page and everything was clicking.
全員の気持ちがひとつになり、歯車は完壁に噛みあっていた

引用元:
(英語原著)MY LIFE (1992) by Earvin “Magic” Johnson with William Novak; CHAPTER 6 THAT CHAMPIONSHIP SEASON
(日本語版)『マイライフ』(アービン “マジック” ジョンソン = 著、ウィリアム・ノヴァク = 共著、池 央耿 = 訳)、光文社(1993/3);6(チャンピオンになった年)より引用

前回紹介した「on the same page」と今回紹介している「click」が同時に使用されている例で、ここでは「everything was clicking」が「歯車は完壁に噛みあっていた」と訳されています。

実例12(パターン3):Mariah Carey Revisited: The Unauthorized Biography HER STORY (1998)(邦題『マライア・キャリーの選択』、クリス・ニクソン = 著)より

It certainly helped that it was one of those perfect nights musicians occasionally have, where everything clicks, and it’s impossible to do any wrong.
そのとおり、その夜のコンサートは、ミュージシャンが稀に経験することができる “完璧な夜” だった。すべてのことがピタリと決まり、間違いなど起こるわけがないと思わせる夜だった。

引用元:
(英語原著)Mariah Carey Revisited: The Unauthorized Biography HER STORY (1998) by Chris Nickson; Chapter 8
(日本語版)『マライア・キャリーの選択(マライア・キャリー Her Story 増補改訂版)』(クリス・ニクソン = 著、河村美紀 = 訳)、ヤマハ ミュージック メディア(1999/4);第8章(5日間の大きなチャレンジ)より引用

Clickのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

click

clickのイメージ画像1です。

  • 意味:(物事が)ピタリとはまる、噛み合う、(人と人の関係が)しっくりくる、意気投合する、うまが合う、息が合う
  • 英語による定義:hit it off each other, have chemistry; function well
  • 出現頻度:AAA[超高頻度:極めて高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:(人)and (人) click、または主語の部分を代名詞で置き換えたもの
    パターン2:(人) click with (人)
    パターン3:(物事) click
  • 例文
    I met her through a mutual friend and we clicked right away.
    私は共通の友人を通して彼女と知り合い、すぐに意気投合しました。
    When I met Mary for the first time, we clicked immediately and exchanged numbers.
    私が初めてメアリーに会った時、私達はすぐに意気投合して、電話番号を交換しました。
    I clicked with Mary immediately when we first met, and we exchanged numbers.
    私達が初めて出会ったとき、私はメアリーとすぐに意気投合して、電話番号を交換しました。
    On that day everything clicked, and I miraculously passed the entrance examination for Tokyo University.
    その日は、あらゆる物事がぴたりとはまって、僕は奇跡的に東京大学に合格しました。
    At that time, something clicked in my head and I came up with a great idea.
    あの時、私の頭の中で何かがぴたりとはまって、すばらしいアイデアを思いつきました。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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