洋書に出てくる英語表現0048:with a fine-tooth comb【おすすめ英語フレーズ編35】

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「洋書に出てくる英語表現」の第48回は、フレーズ編の第35回として「with a fine-tooth(ed) comb」を取り挙げます。

With a fine-tooth combの意味と由来

直訳すると「目の細かい櫛(くし)で」となります。

この表現は、目の細かい櫛を使って髪の毛の中に入り込んでいるシラミをすき取る様子に由来しています。

髪の毛の中に入り込んでいるシラミを完全に取り除くには、シラミがいないかどうかを目の細かい櫛を使って隅から隅まで念入りに調べなければならないことから、この表現は調査などを「隅々まで徹底的に」行うことを意味します。

日本語では、その由来どおり「シラミ潰しに」と訳されるほか、「隅々まで徹底的に」、「細部まで念入りに」、「細心の注意を払って」などと訳されます。

With a fine-tooth combの英語による定義

very carefully and thoroughly

洋書におけるwith a fine-tooth combの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

With a fine-tooth combの年代分布

1927年 – 2018年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1927年発行の『The Case Book Of Sherlock Holmes(邦題:シャーロック・ホームズの事件簿)』(アーサー・コナン・ドイル = 著)で、最も新しい洋書は2018年発行の『The Tattoo Thief(邦題:刺青強奪人(上・下))』(アリソン・ベルシャム = 著)でした。

このように当ブログの調査では1927年が最も古い使用例でしたが、一般に、この表現が比喩的な意味で使用されるようになったのは1800年代後半のことと言われています。

With a fine-tooth combの出現パターン

with a fine-tooth(ed) combの出現パターンは主に以下の3つに分類することができます。

パターン1:go over/through 〜 with a fine-tooth(ed) comb(基本型・最頻出パターン)
パターン2:パターン1でgo以外の動詞を使うもの(search, checkなど)
パターン3:take a fine-tooth(ed) comb to 〜

パターン1は「go over 〜 with a fine-tooth(ed) comb」又は「go through 〜 with a fine-tooth(ed) comb」の形で用いるもので、「〜 をしらみつぶしに調べる」や「〜 を隅々まで徹底的に調べる」という意味になります。「with a fine-tooth(ed) comb」は70%がこの形で出現し、残りの30%をgo以外の動詞で分け合っているというイメージです。go以外の動詞としては、searchやcheckなどが使用されます。

パターン1とパターン2の例文を挙げると次のようになります。

例文48-1)
My lawyer went over the contract with a fine-tooth comb, and found some ambiguous words that would possibly cause problems in the future.
私の担当弁護士が契約書を入念にチェックしたところ、将来問題を引き起こす可能性のあるあいまいな文言がいくつか見つかりました。

例文48-2)
The police searched this area with a fine-tooth comb, but no criminal trails were found.
警察がこの地域を徹底的に調査しましたが、犯人の痕跡は何も見つかりませんでした。

また、頻度としてはそれほど高くないのですが、パターン3のように「take a fine-tooth(ed) comb to 〜」の形で使用されることもあります。これは、直訳すると「目の細かい櫛を〜のところへ持っていく」となり、「〜 を細かく調べる」という意味になります。例文48-1)をこのパターンで書き替えると次のようになります。

例文48-3)
My lawyer took a fine-tooth comb to the contract, and found some ambiguous words that would possibly cause problems in the future.
私の担当弁護士が契約書を入念にチェックしたところ、将来問題を引き起こす可能性のあるあいまいな文言がいくつか見つかりました。

洋書内の実例

with a fine-tooth combのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるwith a fine-toothed combの使用例を紹介していきます。

 

まずは、パターン1から紹介します。

パターン1:go over/through 〜 with a fine-tooth(ed) comb(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):And Then There Were None (1939)(邦題『そして誰もいなくなった』、アガサ・クリスティー = 著)より

“At any rate you do admit now I was right.”
He nodded.
“Yes — you win! It’s Armstrong all right. But where the devil did he hide himself? We went over the place with a fine-tooth comb.
「とにかく、私が正しかったことは認めたでしょう」
彼はうなずいた。
「きみの勝ちだよ。たしかに、アームストロングだ。しかし、どこに隠れていたんだろう。あれだけ探したのに……

引用元:
(英語原著)And Then There Were None (1939) by Agatha Christie; Chapter Fifteen
(日本語版)『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティー = 著、清水俊二 = 訳)、早川書房(2003/10);第15章より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
at any rate = とにかく、いずれにせよ

英文中の「the devil」は、「悪魔」という意味ではなく、「What the hell is going on?(一体、何が起きてるんだ?)」の「the hell」と同様に「一体、一体全体」という意味の強意語として使用されています。

実例2(パターン1):The Great Passage (2017)(日本語原著『舟を編む』、三浦しをん = 著)より

The submitted pages came back in the form of galley proofs. The editorial staff and proofreaders went over these with a fine-tooth comb, looking for typographical errors as well as interpretation issues, places lacking in clarity, and a host of other possible mishaps.
入稿した原稿は、校正刷りとなって印刷所から戻ってくる。辞書編集部員と校閲者が、片っ端から校正刷りをチェックする。誤植はないか、意味の取りにくい文章はないか、語釈は本当にまちがっていないかなど、チェック項目は無数ともいえるほどある。

引用元:
(英語版)The Great Passage (2017) by Shion Miura, translated from Japanese by Juliet Winters Carpenter.; CHAPTER 4; Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/7/14確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(日本語原著)『舟を編む』(三浦しをん = 著)、光文社(2011/9);四、より引用
(英語Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
galley = ゲラ
galley proof = ゲラ刷り、校正刷り
editorial = 編集の
proofreader = 校閲者、校正者
typographical error = タイプミス、誤字
a host of = 多数の
mishap = 事故、問題、失敗、故障

「galley」とは、日本でカタカナ英語としてよく聞く「ゲラ」のことで、「galley proof」で「ゲラ刷り(校正刷り)」を意味します(「ゲラ刷り」とは、校正を行うための試し刷りのこと)。

実例3(パターン1):RING (2003)(日本語原著『リング』、鈴木光司 = 著)より

Oguri’s customary mocking smile had been wiped from his face. Both elbows were planted on his desk, and his eyes moved restlessly as he went over Asakawa’s story once again with a fine-toothed comb.
小栗編集長の顔から、いつもの人をこばかにしたような笑いが消えていた。机に両肘をつき、目をせわしなく動かして、もう一度浅川の言った言葉を吟味する

引用元:
(英語版)RING (2003) by KOJI SUZUKI, translated by Robert B. Rohmer and Glynne Walley; PART THREE – GUSTS
(日本語原著)『リング』(鈴木光司 = 著)、角川書店(1991/6);第三章(突風)より引用

【単語ノート】
customary = 例の、いつもの、習慣的な
mocking = あざ笑うかのような、からかうような、バカにしたような
restlessly = せわしなく、落ち着きなく、そわそわと

With more information he might have been able to establish the area in which the broadcast was receivable, and thus to pinpoint the point of origin. But all he had to go on was the fact that the television in Villa Log Cabin B-4 had picked up the transmission. All he could do was go there, check out the lay of the land, and then start going over the area with a fine-toothed comb.
もっと情報量が多ければ電波の流れた区域を特定でき、それをもとに発信地を突きとめることもできようが、浅川が持っているのはビラ・ロッグキャビンB─4号棟のテレビが受信したという事実だけだ。そこを中心点に、地形を確認しながらあたりをしらみつぶしに当っていく以外方法は見当らない。

引用元:
(英語版)RING (2003) by KOJI SUZUKI, translated by Robert B. Rohmer and Glynne Walley; PART THREE – GUSTS
(日本語原著)『リング』(鈴木光司 = 著)、角川書店(1991/6);第三章(突風)より引用

【単語ノート】
lay of the land = 地形、地勢

実例4(パターン1):Inherit The Stars (1977)(邦題『星を継ぐもの』、ジェイムズ・P.ホーガン = 著)より

“So, one of the things I’ve been doing over the last few weeks is going through everything we’ve got with a fine-tooth comb to see if anything could point to something like that.
「そういう気持から、この何週間かわたしはわれわれの手もとにある限りの資料を読み返して、何かそれらしいことが書かれていないかどうか、虱潰しに調べてみたのだよ。

引用元:
(英語原著)Inherit The Stars (1977) by James P. Hogan; Chapter Twenty
(日本語版)『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P.ホーガン = 著、池 央耿 = 訳)、東京創元社(1980/5);20より引用

 

次は、searchやcheckなど、go以外の動詞を使うパターン2です。

パターン2:パターン1でgo以外の動詞を使うもの(search, checkなど)

実例5(パターン2):You Were Born Rich (1997)(邦題『イメージは物質化する』、ボブ・プロクター = 著)より

Check your own clothes closet very carefully – as if with a “fine-toothed comb” – and then remove all of the clothes you no longer wear. Once you have done this, simply give them away.
まず、クローゼットの中の服を丁寧にチェックして、もう着ないものをより分けてください。それが終わったら、より分けた服をすべて処分します。

引用元:
(英語原著)You Were Born Rich (1997) by Bob Proctor; The Vacuum Law of Prosperity
(日本語版)『イメージは物質化する』(ボブ・プロクター = 著、岩元貴久 = 監訳)、きこ書房(2016/11; 2013年刊の再刊 );第10の法則(捨てる)より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/7/14確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible版-オリジナルレコーディング一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

実例6(パターン2):Undisputed Truth (2013)(邦題『真相 マイク・タイソン自伝』、マイク・タイソン = 著)より

Thank you, Jonathan Ehrlich, for combing through the contracts with a fine-tooth comb.
綿密に契約をチェックしてくれたジョナサン・エイリッチにも感謝している。

引用元:
(英語原著)Undisputed Truth (2013) by Mike Tyson; ACKNOWLEDGMENTS
(日本語版)『真相 マイク・タイソン自伝』(マイク・タイソン = 著、ジョー小泉 = 監訳、棚橋志行 = 訳)、ダイヤモンド社(2014/7);謝辞より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

「comb through」自体が「隅々まで細かくチェックする」という意味ですので、この英文のように「comb through」と「with a fine-tooth comb」を重ねて使用するのは、通常であれば非常に「redundant(冗長)」だと思います。

ただ、上記引用文は「ACKNOWLEDGMENTS(謝辞)」からの引用ですので、恐らくこの「ジョナサン・エイリッチ」という方が本当に細か過ぎるくらい細かく契約をチェックしてくれて、それを少し冗談めかしながら賞賛するためにわざと冗長な表現を使っているのではないかと思います。

 

最後は、「take a fine-tooth(ed) comb to 〜」(〜 を細かく調べる)の形で使用されるパターン3です。

パターン3:take a fine-tooth(ed) comb to 〜

実例7(パターン2):Loop (2006)(日本語原著『ループ』、鈴木光司 = 著)より

If the act of watching the video had functioned, within the Loop, as a trigger for those deaths, then it was worth taking a fine-toothed comb to the moments when future victims were actually engaged in watching it.
ビデオテープの映像を見るという行為がループにおける、あるいくつかの死の引き金だとすれば、ビデオの映像を見ている瞬間を具体的に洗い直す必要がある。

引用元:
(英語版)Loop (2006) by Koji Suzuki, translated by Glynne Walley; PART III – JOURNEY TO THE END OF THE EARTH
(日本語原著)『ループ』(鈴木光司 = 著)、角川書店(1998/1);第三章(地の果ての旅)より引用

With a fine-tooth combのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

with a fine-tooth(ed) comb

with a fine-tooth combのイメージ画像1です。

  • 由来:目の細かい櫛(くし)を使って髪の毛の中に入り込んでいるシラミをすき取る様子から。
  • 意味:シラミ潰しに、隅々まで徹底的に、細部まで念入りに、細心の注意を払って
  • 英語による定義:very carefully and thoroughly
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:go over/through 〜 with a fine-tooth(ed) comb(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:パターン1でgo以外の動詞を使うもの(search, checkなど)
    パターン3:take a fine-tooth(ed) comb to 〜
  • 例文
    My lawyer went over the contract with a fine-tooth comb, and found some ambiguous words that would possibly cause problems in the future.
    私の担当弁護士が契約書を入念にチェックしたところ、将来問題を引き起こす可能性のあるあいまいな文言がいくつか見つかりました。
    The police searched this area with a fine-tooth comb, but no criminal trails were found.
    警察がこの地域を徹底的に調査しましたが、犯人の痕跡は何も見つかりませんでした。
    My lawyer took a fine-tooth comb to the contract, and found some ambiguous words that would possibly cause problems in the future.
    私の担当弁護士が契約書を入念にチェックしたところ、将来問題を引き起こす可能性のあるあいまいな文言がいくつか見つかりました。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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