洋書に出てくる英語表現0047:bite off more than one can chew【おすすめ英語フレーズ編34】

「洋書に出てくる英語表現0047:bite off more than one can chew【おすすめ英語フレーズ編34】」のアイキャッチ画像

「洋書に出てくる英語表現」の第47回は、フレーズ編の第34回として「bite off more than one can chew」を取り挙げます。

Bite off more than one can chewの意味と由来

直訳すると、「自分が噛めるよりも大きなものをかじり取る」となります。

この表現は、欲張って一度に多くの食べ物を口の中に入れすぎてうまく噛めない様子に由来すると言われていますが、自分が噛める以上の量の噛みタバコを頬ばって困っている様子に由来するという説もあります。

いずれにしろ、「欲張って自分の能力以上のことをしようとする」ことを意味していて、日本語では「無茶をする」や「無理をする」、「背伸びをする」、「手に余ることをする」などと訳されます。

Bite off more than one can chewの英語による定義

attempt more than one can handle

洋書におけるbite off more than one can chewの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]

(AAA[超高頻度]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

Bite off more than one can chewの年代分布

1912年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、オードリー・ヘップバーン主演の映画『マイ・フェア・レディ』の原作にもなった1912年発行の戯曲『Pygmalion(邦題:ピグマリオン)』(バーナード・ショー = 著)で、最も新しい洋書は2017年発行の『JENSON BUTTON:LIFE TO THE LIMIT(邦題:ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット)』(ジェンソン・バトン = 著)でした。

このように当ブログの調査では、1912年が最も古い使用例でしたが、一般には1800年代後半にアメリカで生まれた表現とされています。

Bite off more than one can chewの出現パターン

bite off more than one can chewの用法に特に出現パターンと言えるような特別な型は見当たりませんでした。

例文を挙げると次のようになります。

例文47-1)
He bit off more than he could chew by agreeing to do all the work in only one day.
彼は無理をして、すべての仕事を1日で片づけることに同意してしまった。

例文47-2)
Be careful not to bite off more than you can chew. It’s important to strike a proper balance between work and rest.
無理をし過ぎないように注意して下さい。仕事と休みのバランスをうまくとることが重要です。

洋書内の実例

bite off more than one can chewのイメージアニメです。

それでは、実際に洋書内にみられるbite off more than one can chewの使用例を紹介していきます。

実例1:THE STEVE JOBS WAY: iLEADERSHIP FOR A NEW GENERATION (2011)(邦題『ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ』、ジェイ・エリオット、ウィリアム・L ・サイモン = 著)より

This time, Steve the wunderkind had certainly bitten off more than he could chew.
非凡な才能の持ち主スティーブも、今回ばかりは無茶をしすぎた……。そんな論調がほとんどだった。

引用元:
(英語原著)THE STEVE JOBS WAY: iLEADERSHIP FOR A NEW GENERATION (2011) by Jay Elliot with William L. Simon; 12 Riding the Retail Juggernaut
(日本語版)『ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ』(ジェイ・エリオット、ウィリアム・L ・サイモン = 著、中山 宥 = 訳)、ソフトバンク クリエイティブ株式会社;12(直販ルートの開拓)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約2分30秒

【単語ノート】
wunderkind = 神童、若き天才(worder childを表すドイツ語に由来)

1996年12月にアップルに電撃復帰したスティーブ・ジョブズは倒産寸前のアップルを見事に立て直しますが、その過程で普通の人なら行わないようなたくさんの「無茶」をしています。

その「無茶」の一つがこの引用文に書かれているものなのですが、みなさん何かわかりますでしょうか?

今では当たり前のように存在しているアレです。みなさんも行ったことがあるのではないでしょうか。

ハイ、そうです。「アップルストア」です。

アップルは、2001年5月19日に最初の直営店であるアップルストアをバージニア州タイソンズコーナーとカリフォルニア州グレンデールにオープンします。

今では、アップルストアは世界中にあって人々の生活に完全に溶け込んでいますが、当時は小売りの経験のないアップルとジョブズが小売業に参入するなど愚の骨頂で、2、3年で閉鎖に至るだろうという見方が少なからずありました。

この引用文ではその点が「bitten off more than he could chew」と表現されていて、「今回ばかりは無茶をしすぎた」と訳されています。

実例2:INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012)(邦題『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』、ケン・シーガル = 著)より

As fantastic as its inventions may be, Apple only occasionally bites off more than it can chew.
その発明の数々はすばらしくても、アップルが無理をすることはまれにしかない

引用元:
(英語原著)INSANELY SIMPLE: The Obsession That Drives Apple’s Success (2012) by Ken Segall; Chapter 4 Think Motion
(日本語版)『Think Simple – アップルを生みだす熱狂的哲学』(ケン・シーガル = 著、高橋則明 = 訳、林 信行 = 監修・解説)、NHK出版(2012/5);第4章(動かし続ける)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約5分

iPodにしろ、iPhoneにしろ、iPadにしろ、アップルが生み出してきた革命的な製品というのは後から振り返ってみると、それらの初代製品は機能がかなり限定されていたといいます。

例えば、iPhoneであれば初代製品はアプリがサポートされておらず、当初はSafariによって開発されたウェブアプリのみをサポートする予定だったといいます。

このようにアップルはできる範囲で最良の初代製品を作ることに専念してきたといい、この引用文ではその点が「Apple only occasionally bites off more than it can chew」で表現されていて、「アップルが無理をすることはまれにしかない」と訳されています。

実例3:JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017)(邦題『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』、ジェンソン・バトン = 著)より

I went out, feeling intimidated and out of my depth, the sensation increasing after a few laps. No, I thought, this isn’t for me, and I went back to where he stood and admitted that I’d bitten off more than I could chew.
コースに出て、周りのライダーに気圧されながら走り始めた。数周走ったあたりで、 “ダメだ、僕には無理だ” という心の声がした。父のところに戻り、自信がないと伝えた

引用元:
(英語原著)JENSON BUTTON: LIFE TO THE LIMIT (2017) by Jenson Button; PART ONE
(日本語版)『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』(ジェンソン・バトン = 著、児島 修 = 訳)、東洋館出版社(2019/4);第一部(父と息子の冒険の始まり)より引用
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
intimidated = おじけづいた
out of one’s depth = 〜の能力の及ばない、手に余る

2009年にワールドチャンピオンを獲得した元F1ドライバーのジェンソン・バトンは、7歳の誕生日に両親から誕生日プレゼントとしてヤマハの50ccバイクを買ってもらいますが、バトンはそのバイクをすぐに乗りこなしてしまい、あっという間に飽きてしまいます。

そこで元レーサーの父はバトンを近くのサーキットに連れて行ったところ、さすがのバトンも他のライダー達に混じってコースを数周回っただけで自信をなくしてしまったといいます。

この時のバトンの心境について記載したのが上記の引用文で、「I’d bitten off more than I could chew」と表現されています。

実例4:My Life (2004)(邦題『マイライフ:クリントンの回想』 ビル・クリントン = 著)より

I finished the speech with an outreach to the Republicans, pushing my middle-class tax cuts but saying I would work with them on the issue, admitting that on health care, “We bit off more than we could chew,” but asking them to work with me step by step, and to start by making sure people didn’t lose their health insurance when they changed jobs or a family member was sick; and seeking their support for a bipartisan foreign policy agenda.
演説の最後は、共和党との協調関係を重視する形で締めくくった。中間所得層の減税を推進する考えに変わりはないが、共和党と協力して進めることを約束した。また医療保険制度改革について、「いっぺんにあちこちに手をつけすぎた」と認めたうえで、段階的な改革への協力を求めた。転職者が医療保険を失ったり、被扶養家族が医療保険を受けられなかったりすることのないよう制度を改めなくてはいけない。そして、外交政策に対する超党派の支持も要請した。

引用元:
(英語原著)My Life (2004) by Bill Clinton; Chapter 42
(日本語版)『マイライフ:クリントンの回想』(ビル・クリントン = 著、楡井浩一 = 訳)、朝日新聞社(2004/9);下巻、第42章より引用
(英語原著Audible版)Audible-要約版一冊無料!Audible無料体験):Audible版はクリントンさん本人が朗読していてリスニングの練習に最適です。サンプルを聞くだけでも十分に価値のある内容となっています。サンプル再生時間は約10分です。

【単語ノート】
outreach = 手を伸ばすこと、協力を呼びかけること
bipartisan = 2党の、超党派の
agenda = 議題、政策

実例5:White Angels (2004)(邦題『白の軍団:ベッカムとレアル・マドリードの真実』、ジョン・カーリン = 著)より

One really did suspect that, impressively as he had overcome the previous obstacles life had thrown before him, this time he might have bitten off more than he could chew.
ベッカムはかつて、人生の前に現れた障害物を見事に乗り切ったが、今度という今度は、彼は自分の手にあまることに手を出したのではないかと人々は心配していた。

引用元:
(英語原著)White Angels (2004) by John Carlin; 8. Beckham is from Mars
(日本語版)『白の軍団:ベッカムとレアル・マドリードの真実』(ジョン・カーリン = 著、有沢善樹 = 訳)、ランダムハウス講談社(2005/12);第8章(火星からやってきたベッカム)より引用

【単語ノート】
impressively = 見事に
obstacle = 障害、障害物

かねてからアレックス・ファーガソン監督との確執が伝えられていたデイビッド・ベッカムは、2002-03シーズンの終了後にイングランドのマンチェスター・ユナイテッドからスペインの名門レアル・マドリードに移籍します。

スペインでは、「ユナイテッドでスターだったからといって、レアルでもスターになれるわけではない」との見方が強く、日本人が欧州に移籍した時と同じように「Tシャツの売上げを伸ばすために獲得した選手」とまで言われていたといいます。

こうした移籍当初のスペインでのベッカム評について記載したのが上記の引用文で、「bitten off more than he could chew」が「自分の手にあまることに手を出したのでは」と訳されています。

実例6:The Greek Coffin Mystery (1932)(邦題『ギリシア棺謀殺事件』、エラリー・クイーン = 著)より

“Inspector, it looks to me as if somebody bit off more than he could chew. If we can only establish . . . .”
「警視、ぼくには、だれかが、食いきれもしないのに、無理して頬ばっているように思えますね。確認さえできれば……」

引用元:
(英語原著)The Greek Coffin Mystery (1932); Chapter 19. Expose
(日本語版)『ギリシア棺謀殺事件』(エラリー・クイーン = 著、石川年 = 訳)、グーテンベルク21(2003/11);十九(EXPOSE……解明)より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/7/13確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間3分

Bite off more than one can chewのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

bite off more than one can chew

bite off more than one can chewのイメージ画像1です。

  • 由来:欲張って一度に多くの食べ物(一説には噛みタバコ)を口の中に入れすぎてうまく噛めない様子から。
  • 意味:欲張って自分の能力以上のことをしようとする、無茶をする、無理をする、背伸びをする
  • 英語による定義:attempt more than one can handle
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 例文
    He bit off more than he could chew by agreeing to do all the work in only one day.
    彼は無理をして、すべての仕事を1日で片づけることに同意してしまった。
    Be careful not to bite off more than you can chew. It’s important to strike a proper balance between work and rest.
    無理をし過ぎないように注意して下さい。仕事と休みのバランスをうまくとることが重要です。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

☆☆いつも応援ありがとうございます☆☆
にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽の英語へ
にほんブログ村

英語ランキング