洋書に出てくる英語表現0024:Over my dead body!【おすすめ英語フレーズ編16】

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「洋書に出てくる英語表現」の第24回は、フレーズ編の第16回として「Over my dead body!」を取り上げます。

オードリー・ヘップバーンが「ある映画のあるシーン」をカットされそうになった時に言ったとされることでも有名です。

俺の死体を越えて行け?

「Over my dead body!」を直訳すると「俺の死体を越えて行け!」となります。

日本語に訳すと何とも物騒な表現ですが、分かりやすく言うと、「絶対にダメだ。どうしてもやりたいんだったら、俺を殺してからにしろ。」となります。さらに分かりやすく言うと、「俺の生きているうちは絶対に許さん!」となります。

もうお分かりだと思いますが、日本語でよく言う「俺の目の黒いうちは絶対に許さん!」に相当する英語表現です。

洋書におけるover my dead bodyの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
(AAA[超頻出]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

over my dead bodyの年代分布

1950年 – 2016年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1950年発行の『The Dreaming Jewels(邦題:夢みる宝石 )』(シオドア・スタージョン = 著)で、最も新しい洋書は2016年発行の『A Hollywood Bride(邦題:ハリウッドに乾杯)』(ナディア・リー = 著)でした。

当ブログの独自調査では1950年が最も古い使用例でしたが、様々な英文資料にあたったところ、1800年代には既にこの表現が使用されていたようです。いずれにしろ、現在も広く使われていますので、知っておいた方が良い表現の一つであると言えます。

over my dead bodyの出現パターン

over my dead bodyの出現パターンは主に以下の2つに分類することができます。

パターン1:Over my dead body!(基本型・最頻出パターン)
パターン2:何を許さないのかを具体的に含めるもの

パターン1は、「Over my dead body!」をそのまま単独で使うものです。例文を挙げると次のようになります。

例文24-1)
“Dad, I want to drop out of college.”
“Over my dead body!”
「お父さん、大学を辞めたいんだけど。」
「ダメだ。絶対に許さん。」

このようにパターン1では、「絶対に許さん」と言っているだけで、何を許さないのかは省略されています。その「何を許さないのか」を省略せずに含めるのがパターン2です。

例文24-2)
You will drop out of college over my dead body.
あなたが大学を辞めるなんて絶対に許しません。

のように使います。

洋書内の実例

over my dead bodyのイメージ画像2です。

それでは、実際に洋書内にみられるover my dead bodyの使用例を紹介していきます。

まずは、最頻出のパターン1からです。

パターン1:Over my dead body!(基本型・最頻出パターン)

実例1(パターン1):STEVE JOBS: THE BIOGRAPHY (2011)(邦題『スティーブ・ジョブズ』、ウォルター・アイザックソン = 著)より

His father was furious. “No you’re not,” he said. “Over my dead body.”
父親はかんかんに怒った。
「だめだ。俺が生きているうちは許さない

引用元:
(英語原著)Steve Jobs (2011) by Walter Isaacson; CHAPTER THREE THE DROPOUT Turn On, Tune In …
(日本語版)『スティーブ・ジョブズ(I・II)』(ウォルター・アイザックソン = 著、井口耕二 = 訳)、講談社(2011/10-11);第3章(ドロップアウト ターンオン、チューンイン)より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

【単語ノート】
furious = 激怒した

1972年の春、当時17歳だったスティーブ・ジョブズははじめてのガールフレンド、クリスアン・ブレナンとつき合い始めます。そして、ハイスクール卒業後の夏には、山小屋でブレナンと同棲し始めます。その際、スティーブ・ジョブズが両親に対して同棲を伝えた時に父親が言ったとされる言葉が上記引用文です。スティーブ・ジョブズは、この父親の反応にもかかわらず、さよならの一言で出ていってしまったということです。

実例2(パターン1): Audrey Hepburn (1996)(邦題『オードリー・ヘップバーン[上・下]』、永井淳=訳)より

Audrey shot right up out of her chair and said, ‘Over my dead body!‘ Mel had to put his hand on her arm to restrain her. That’s the closest I ever saw her come to losing control.”
するとオードリーがさっと立ちあがっていった。『わたしが生きているうちは絶対にそんなことをさせないわ!』。メルが彼女の腕をつかんで引きとめなくてはならなかった。彼女が自制心を失いかけるのを見たのはそのときだけだった」

引用元:
(英語原著)Audrey Hepburn (1996) by Barry Paris; CHAPTER 5 Huckleberry Friend (1958-1962)
(日本語版)『オードリー・ヘップバーン[上・下]』(バリー・パリス = 著、永井淳=訳)、集英社(1998/5);第5章 ハックルベリー・フレンド(一九五八 – 一九六二年) より引用

【単語ノート】
restrain = 制止する、抑制する、拘束する

オードリー・ヘップバーン主演映画『Breakfast at Tiffany’s(ティファニーで朝食を)』の中でオードリー演じる主人公ホリー・ゴライトリーが窓辺に座って『Moon River(ムーン・リバー)』を歌うシーンはあまりにも有名ですが、このシーンは危うくカットされそうになったといいます。

サンフランシスコで同映画の試写会が行われた後、配給元のパラマウントの新社長が歌のシーンをカットするよう言ったとのことで、それに対してオードリー・ヘップバーンが「Over my dead body!」と言って毅然と反対したということです。

なお、この本『Audrey Hepburn』では、オードリーが「Over my dead body!」と言って反対したと書かれていますが、本当にオードリーがパラマウントの社長に対してそんなことを言ったのかは定かではなく、プロデューサーが言ったという説もあるそうです。

文中の「Mel」とは、オードリー・ヘップバーンの一人目の夫で俳優・映画監督のメル・ファーラー(Mel Ferrer)のことを指しています。

実例3(パターン1):Life with My Sister Madonna (2008)(邦題『マドンナの素顔』、クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著)より

As we are about to get her into the car, Mike springs out of the shadows, pulls out his camera, and says, “I want a picture of Madonna.” “Over my dead body,” I say, and grab the camera.
もう少しで車に乗れる、というところで、暗がりからバッとマイクが飛び出してきた。そしてカメラを出して言う。
「マドンナの写真を撮りたいんだ」
ふざけるな」とぼくは言い、カメラを引ったくった。

引用元:
(英語原著)Life with My Sister Madonna (2008) by Christopher Ciccone; Chapter 10
(日本語版)『マドンナの素顔』(クリストファー・チコーネ/ウェンディ・リー = 著、長澤あかね = 訳)、ぶんか社(2008/12/1);第十章より引用

この本は、マドンナの実弟でマドンナのコンサートツアーのディレクター等を務めてきたクリストファー・チコーネ氏によって書かれたもので、著者は最終的にマドンナとケンカ別れしていますのでこの本は曝露本に近い内容となっています。

そのクリストファー氏はゲイで、マドンナとともにコンサートツアーを回っていた頃につき合っていた彼氏の一人マイク(仮名)について記載しているのが上記の引用文です。

マドンナが四つのグラミー賞を獲得した夜、授賞式後に行われたパーティの会場からマドンナとクリストファー氏が出てきたところ、暗闇からいきなり恋人マイクが飛び出してきてマドンナの写真を撮ろうとしました。それに対してクリストファー氏が言ったのが「Over my dead body!」というセリフでした。

ちなみに、この本は臨場感を出すためにほとんどの部分が現在形で書かれています。上の引用文が現在形で書かれているのはそのためです。

実例4(パターン1):Open: An Autobiography (2009)(邦題『OPEN:アンドレ・アガシの自叙伝』、アンドレ・アガシ = 著)より

Julio shuts the door. Nick takes the receiver from my hand and says my father told him to take away my credit card.
ジュリオがドアを閉める。ニックは僕の手から受話器を取り、僕の父からクレジットカードを取り上げるように頼まれたと告げる。

No way I’m giving up my credit card. My only means of ever getting out of here? Over my dead body.
クレジットカードを手放すだって、とんでもない。ここから出られる唯一の手段じゃないか? 何がなんでも手放さないぞ

引用元:
(英語原著)Open: An Autobiography (2009) by Andre Agassi; Chapter 6
(日本語版)『OPEN:アンドレ・アガシの自叙伝』(アンドレ・アガシ = 著、川口由紀子 = 訳)、ベースボール・マガジン社(2012/5);第6章より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間約7分30秒

アメリカの元男子プロテニス選手アンドレ・アガシ氏の自叙伝からの引用です。アガシは、4大大会通算8勝で、1996年のアトランタオリンピックではシングルスで金メダルも獲得した名選手です。

そのアンドレ・アガシ選手ですが、ニック・ボロテリー・テニス・アカデミーでテニスの腕を磨いていた14歳の頃は反抗期真っ盛りで、ある大きな大会で大胆な行動に出ます。その大会の決勝戦で笑いをとりたかったアガシは、テニスの短パンではなく、ジーンズをはいて、メーキャップをし、さらに手持ちの中で一番派手なイヤリングをつけて決勝戦を戦ったといいます。

試合には難なくストレートで勝ったのですが、この行動がニック・ボロテリー・テニス・アカデミーの名を汚したとして、アガシにはトイレ掃除や雑草抜きなどの罰が与えられ、それらの罰を受け入れられないのならアカデミーを出ていくよう告げられます。

そこでアガシが選んだ行動はアカデミーを出ていくことでした。何かあった時のために父から渡されていたクレジットカードを財布に入れて空港へ向かおうとしていたその時、父から電話があったとスタッフのジュリオに呼び止められます。その後、父から電話で直接説得されたアガシは結局アカデミーにとどまることになるのですが、電話を切った後、ニックがクレジットカードを取り上げようとしたというのが上の引用文です。

 

次は、何を許さないのかを具体的に含めるパターン2です。

実例5(パターン2):My Life (2004)(邦題『マイライフ:クリントンの回想』 ビル・クリントン = 著)より

In effect, he was telling the reactionaries, “You may steal our freedom, but you’ll have to do it over my dead body.” Yeltsin’s heroic clarion call galvanized domestic and international support, and the coup failed.
実際、エリツィンは反動政治家たちにこう告げていた。「われわれの自由を奪うつもりだろうが、わたしの生きている限り、そんなことは絶対に許さない」。エリツィンの雄々しく高らかに響き渡る声が、国内外の支持を呼び起こし、クーデターは失敗に終わった。

引用元:
(英語原著)My Life (2004) by Bill Clinton; Chapter 32
(日本語版)『マイライフ:クリントンの回想』(ビル・クリントン = 著、楡井浩一 = 訳)、朝日新聞社(2004/9);下巻、第32章より引用
(英語原著Audible版)Audible版-要約版一冊無料!Audible無料体験):Audible版はクリントンさん本人が朗読していてリスニングの練習に最適です。サンプルを聞くだけでも十分に価値のある内容となっています。サンプル再生時間は約10分です。

【単語ノート】
reactionary = 反動主義者
clarion = クラリオン(甲高く響きわたる金管楽器の一種)
clarion call = クラリオンのように甲高く響きわたる呼びかけ
galvanize = 奮い立たせる、活気づける
domestic = 国内の、家庭内の
coup = クーデター。複数形は「 coups」で単数形、複数形ともに「p」は発音しない。

ボリス・エリツィンは1991年6月にロシアの大統領に選出されますが、当時のロシアは崩れかけていたソビエト連邦の一部にすぎず、その年の8月にはソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフがクーデターを仕組んだ指導者たちによって別荘に軟禁されるという事件が起きます。そうした不安定な政情でのエリツィンの言動について記載したのがこの引用文です。

実例6(パターン2):STEVE JOBS: THE BIOGRAPHY (2011)(邦題『スティーブ・ジョブズ』、ウォルター・アイザックソン = 著)より

At one point he declared that Windows users would get to use iPods “over my dead body.”
オレの目が黒いうちは」ウィンドウズユーザーにiPodを使わせないと宣言したこともある。

引用元:
(英語原著)Steve Jobs (2011) by Walter Isaacson; CHAPTER THIRTY-ONE THE iTUNES STORE I’m the Pied Piper
(日本語版)『スティーブ・ジョブズ(I・II)』(ウォルター・アイザックソン = 著、井口耕二 = 訳)、講談社(2011/10-11);第30章(iTunesストア ハーメルンの笛吹き)より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);サンプル再生時間5分

2001年に発表されて世界的な大ヒット商品となったアップルの携帯型デジタル音楽プレイヤーiPodですが、当初はマック専用で、ウィンドウズマシンには対応していませんでした。アップルで統一された楽園を作りたいと考えていたスティーブ・ジョブズはiPodをウィンドウズでも使えるようにすることには反対で、その説得には何カ月もかかったということです。上記引用文の「he」はスティーブ・ジョブズのことを指しています。

実例7(パターン2):A Twist in the Tale (1988)(邦題『十二の意外な結末』、ジェフリー・アーチャー = 著)より

You go there over my dead body,” said his father. “I don’t care what your friends end up doing, I only care about you. You could be a solicitor, an accountant, an army officer, even a schoolmaster. Why should you want to end up at a car factory?”
わたしの目の黒いうちは絶対許さん」と、父親はいった。「お前の友達がなんになろうと知ったことじゃない、問題はお前の将来だ。お前はなろうと思えば弁護士にも、会計士にも、陸軍将校にも、学校の先生にだってなれるんだ。自動車工場の職工になりたいなんて、ばかも休み休みいえ」

引用元:
(英語原著)A Twist in the Tale (1988) by Jeffrey Archer; A LA CARTE
(日本語版)『十二の意外な結末』(ジェフリー・アーチャー = 著、永井淳 = 訳)新潮社(1988/9);ア・ラ・カルト、より引用
(英語原著Audible版)Audible版-要約版()、サンプル再生時間5分

【単語ノート】
solicitor = 弁護士(動詞solicitは懇願するの意でその名詞形であるsolicitorは懇願者の意味になりますが、主に英国ではこの文章のように弁護士の意味で使われることがあります)
accountant = 会計士
schoolmaster = 教師

父アーサーは、自分のように一生自動車工場で働くような人生を送らせまいと息子マークには家庭教師までつけて教育に力を入れてきましたが、息子マークは十八歳の誕生日に大学に行きたくないと言い出しました。大学に行かずに一体どんな職業につく気なのか息子に問いただしたところ、息子は父と一緒に自動車工場で働くために応募書類を提出したといいます。そこで繰り広げられる父と息子の会話から引用したのが上の文章です。

実例8(パターン2):The Roswell Conspiracy (2012)(邦題『THE ROSWELL封印された異星人の遺言(上・下)』、ボイド・モリソン = 著)より

You’re taking my plane over my dead body.”
死んでも飛行機には乗らせないぞ

Fay pulled her pistol and pointed it at him.
モーガンを睨みつけた大尉に、今度はフェイがピストルを向けた。

“That might happen, son. Because my granddaughter is a hostage on the spaceplane that took off. Now give this woman the keys or whatever she needs, or I’ll shoot you myself.”
「悪いけど、邪魔はさせない。私の孫娘が人質になって宇宙飛行機に乗せられてるの。さっさと彼女にキーと必要な物全部を渡しなさい。さもないと撃つわよ」

引用元:
(英語原著)The Roswell Conspiracy (2012) by Boyd Morrison; FIFTY-FIVE
(日本語版)『THE ROSWELL封印された異星人の遺言(上・下)』(ボイド・モリソン = 著、阿部清美 = 訳)、竹書房(2015/9);第55章より引用

【単語ノート】
hostage = 人質
spaceplane = 宇宙飛行機

over my dead bodyのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

over my dead body

  • 意味:直訳すると「俺の死体を越えて行け!」で、「私の生きているうちは絶対に許さない」や「俺の目の黒いうちは絶対にだめだ」のような強い禁止を意味します。
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:Over my dead body!(基本型・最頻出パターン)
    パターン2:何を許さないのかを具体的に含めるもの
  • 例文
    “Dad, I want to drop out of college.”
    “Over my dead body!”
    「お父さん、大学を辞めたいんだけど。」
    「ダメだ。絶対に許さん。」
    You will drop out of college over my dead body.
    あなたが大学を辞めるなんて絶対に許しません。

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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