洋書に出てくる英語表現0009:go up in smoke【おすすめ英語フレーズ編9】

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「洋書に出てくる英語表現」の第9回は「go up in smoke」を取り上げます。

あとで詳しく記載しますが、この表現は夢や希望、計画といった抽象的な名詞を主語として使用することが多いのですが、それ以外にも車や電化製品などの機械類、さらには人も主語として使用できることから、非常に使い勝手のよい表現です。

目次
  1. go up in smokeの意味と由来
  2. go up in smokeの英語による定義
  3. 洋書におけるgo up in smokeの出現頻度
  4. go up in smokeの年代分布
  5. go up in smokeの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):Rich Dad’s Success Stories (2003)(邦題『金持ち父さんのサクセス・ストーリーズ – 金持ち父さんに学んだ25人の成功者たち』、ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター = 著)より
    2. 実例2(パターン1):Rich Dad’s Before You Quit Your Job (2004)(邦題『金持ち父さんの起業する前に読む本』、ロバート・キヨサキ + 公認会計士シャロン・レクター = 著)より
    3. 実例3(パターン1):Jamie Vardy: From Nowhere, My Story (2016)(邦題『人生はジャイアントキリング! ジェイミー・ヴァーディ自伝』、ジェイミー・ヴァーディ = 著)より
    4. 実例4(パターン1):Deadline at Dawn (1944)(邦題『暁の死線』、ウィリアム・アイリッシュ = 著)より
    5. 実例5(パターン1):The Roswell Conspiracy (2012)(邦題『THE ROSWELL封印された異星人の遺言(上・下)』、ボイド・モリソン = 著)より
    6. 実例6(パターン2):Three Feet from Gold (2009)(邦題『金鉱まで残り3フィート』、シャロン・レクター/グレッグ・リード = 共著)より
    7. 実例7(パターン2):The Devotion of Suspect X (2011)(日本語原著『容疑者Xの献身』、東野圭吾 = 著)より
    8. 実例8(パターン2):Kafka on the Shore (2005)(日本語原著『海辺のカフカ(上・下)』、 村上春樹 = 著)より
    9. 実例9(パターン2):The Romanov Cross (2013)(邦題『ロマノフの十字架(上・下)』、ロバート・マセロ = 著)より
    10. 実例10(パターン2):THE TALISMAN (1985)(邦題『タリスマン(上・下)』、スティーヴン・キング、ピーター・ストラウブ = 著)より
    11. 実例11(パターン3):Hero (The Secret) (2013)(邦題『ヒーロー:The Secret』 ロンダ・バーン = 著)より
    12. 実例12(パターン4):Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012)(邦題『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』、グレアム・ハンター = 著)より
    13. 実例13(パターン4):Newcomer (2018)(日本語原著『新参者』、東野圭吾 = 著)より
    14. 実例14(パターン4):Deadline at Dawn (1944)(邦題『暁の死線』、ウィリアム・アイリッシュ = 著)より
    15. go up in flamesの実例1:Battle Royale (2003)(日本語原著『バトル・ロワイアル 』、 高見広春 = 著)より
    16. go up in flamesの実例2:Adventures of a Currency Trader (2007)(邦題『FXトレーダーの大冒険』、ロブ・ブッカー = 著)より
  7. go up in smokeのまとめ

go up in smokeの意味と由来

煙のように消えてなくなる様子から、この表現が生まれました。

実際に煙を出して燃える場合に使用されることもありますが、むしろ「(煙のように)すっかり消えてなくなってしまう」、転じて「完全に失敗に終わる」という意味で比喩的に使用される場合の方が圧倒的に多いです。

類似表現に「go up in flames」というのがありますが、こちらはgo up in smokeとは逆に実際に炎を出して燃えることを表現する場合の方が多く、比喩的に用いることはそれほど多くはないのが特徴です。

日本語では、「泡と消える」、「水泡に帰す」、「水の泡になる」などと訳されますが、go up in smokeの場合は幅広い名詞が主語になれることが、日本語の「水泡に帰す」と大きく異なる点です。「水泡に帰す」であれば、「これまでの努力が水泡に帰す」や「長年の夢が水泡に帰す」のように、夢や努力といった限られた名詞しか主語になることはできませんが、go up in smokeの場合は、「車や電化製品などの機械類」、「家やビルなどの建物」、「お金」、「夢や希望、計画、努力、ビジネス」、「国や都市」、さらには「人」に至るまで、ありとあらゆるものが主語になることができます。

そのような意味で、日本語の「水泡に帰す」とは意味がよく似ているものの、その適用範囲はgo up in smokeの方がはるかに広く、非常に使い勝手の良い表現と言えます。

go up in smokeの英語による定義

something disappears or fails completely (especially dream, hopes, plans, etc.)

洋書におけるgo up in smokeの出現頻度

AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
(AAA[超頻出]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

go up in smokeの年代分布

1928年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1928年発行の『Lady Chatterley’s Lover(邦題:チャタレー夫人の恋人)』(D・H・ロレンス = 著)で、最も新しい洋書は2017年に発行された三浦しをんさんの小説の英訳版『The Great Passage(日本語原著:舟を編む)』でした。

少なくとも1900年代初期から使用されていて、現在も高頻度に使用されている定番の英語表現と言えます。

go up in smokeの出現パターン

go up in smokeの出現パターンは主に以下の4つに分類することができます。

パターン1:go up in smoke(基本形、最頻出パターン)
パターン2:all (whole, entire) — go up in smoke
パターン3:go up in a puff of smoke
パターン4:be up in smoke, end up in smokeなど(goの替わりにbe動詞や他の一般動詞を使うもの)

パターン1は、go up in smokeをそのまま使う基本形で、このパターンが最も多くみられます。

パターン1:go up in smoke(基本形、最頻出パターン)

例文9-1)
Due to the coronavirus pandemic, his dream of earning big money through his newly-established tourism company went up in smoke.
(新しく設立した旅行会社を通して大金を稼ぐという彼の夢は、コロナウイルスの流行によって泡と消えた。)

パターン2は、パターン1を強調したもので、煙のように「跡形もなく、すっかり」消えてしまうことを強調するために、主語にallやwhole, entireなどの形容詞をつけるパターンです。

パターン2:all (whole, entire) — go up in smoke

例文9-2)
All of his forty years of hard work went up in smoke in just an hour.
(彼の40年間に及ぶ勤勉な労働は、すべてわずか1時間で水泡に帰した。)

次のパターン3ですが、頻度はそれほど高くないものの、「in smoke」が「in a puff of smoke」の形で出てくることがあります。意味の上では両者に違いはありません。

パターン3:go up in a puff of smoke

例文9-3)
His forty years of hard work went up in a puff of smoke in just an hour.
(彼の40年間に及ぶ勤勉な労働がわずか1時間で水泡に帰した。)

パターン4は、goの替わりにbe動詞や他の一般動詞を使うもので、次の「洋書内の実例」のなかで紹介します。

洋書内の実例

それでは、実際に洋書内にみられるgo up in smokeの使用例を紹介していきます。

既に記載したように、go up in smokeは日本語の「水泡に帰す」と違って、さまざまな名詞を主語にすることができますので、是非、主語にも注目して見て下さい。

パターン1:go up in smoke(基本形、最頻出パターン)

実例1(パターン1):Rich Dad’s Success Stories (2003)(邦題『金持ち父さんのサクセス・ストーリーズ – 金持ち父さんに学んだ25人の成功者たち』、ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター = 著)より

Right after graduation I landed a dream job at a start-up dot.com. Like my peers, I figured I would make my fortune and retire early by cashing in my incredibly valuable stock options. The idea of working for decades before being able to retire belonged to another generation.
大学を卒業するとすぐに、私はドットコム産業の新興企業で夢に描いていたような仕事を始めました。同年代の人たちと同じように、短期間でお金をためて、途方もなく価値のあるストックオプションの権利を行使してさっさと引退するつもりでいました。何十年も働いてようやく引退するなどという考えは、別の世代のものでした。

The plan turned out to be a pipe dream that quickly went up in smoke. Three months after being hired I was laid off.
その計画は、はかない夢のようにあっという間に消えてしまいました。就職して三か月後、私はレイオフされたのです。

引用元:
(英語原著)Rich Dad’s Success Stories (2003) by Robert T. Kiyosaki with Sharon L. Lechter; Chapter 10 The Power of Three
(日本語版)『金持ち父さんのサクセス・ストーリーズ – 金持ち父さんに学んだ25人の成功者たち』(ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター = 著、春日井晶子 = 訳)、筑摩書房(2004/11);第10章(三人で力を合わせて)より引用

これは、「plan(計画)」が主語となっている例です。この文章にでてくる「 pipe dream」ですが、このpipeはアヘンを吸うための「アヘンパイプ」を指していて、pipe dreamで「(アヘン中毒者がみる幻想のような)はかない夢、夢物語」という意味になります。この表現も洋書によく出てきますので、いつかこのブログで特集しようと思います。

実例2(パターン1):Rich Dad’s Before You Quit Your Job (2004)(邦題『金持ち父さんの起業する前に読む本』、ロバート・キヨサキ + 公認会計士シャロン・レクター = 著)より

You found out the hard way that if you made a mistake in the way that you connected the battery to the circuit (reversed the polarity), the transistors had a tendency to go up in smoke. At that point in time, transistors were very expensive, and it was a costly mistake. But you learned from the mistake.
電極を回路に逆さまに接続するとラジオは煙を上げてこわれてしまう。あなたは苦労の末そのことを発見した。当時、トランジスタは非常に高価で、この間違いはとても高くついた。だが、あなたは間違いから学んだ。

引用元:
(英語原著)Rich Dad’s Before You Quit Your Job: 10 Real-Life Lessons Every Entrepreneur Should Know (2005) by Robert T. Kiyosaki with Sharon L. Lechter; Rich Dad’s Entrepreneurial Lesson #2 Learn How to Turn Bad Luck Into Good Luck
(日本語版)『金持ち父さんの起業する前に読む本:ビッグビジネスで成功するための10のレッスン』(ロバート・キヨサキ + 公認会計士シャロン・レクター = 著、白根美保子 = 訳)、筑摩書房(2006/11);金持ち父さんの起業家レッスン その二 不運を幸運に変える方法を身につける、より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験

この例文のように機械を主語にとることもできます。自動車レースの中継などで、エンジンが煙や火を吹いて壊れるシーンをよくみかけますが、ああいうシーンを想像すれば、この表現のイメージがわくのではないかと思います。

この英文は、間違いから生まれた解決策をもとにビジネスを起こす例について解説している部分からの引用です。「 find out the hard way」は「つらい経験を通して知る」という意味のフレーズです。

実例3(パターン1):Jamie Vardy: From Nowhere, My Story (2016)(邦題『人生はジャイアントキリング! ジェイミー・ヴァーディ自伝』、ジェイミー・ヴァーディ = 著)より

Unfortunately, our hopes of staying under the radar in Copenhagen, and enjoying a laugh without the media following our every move, went up in smoke after Andrej, quite innocently, posted a picture of us on Instagram.
コペンハーゲンでは人目を避け、メディアに一挙一動を追い回されることなく羽を伸ばすつもりだったが、クラマリッチが無邪気にチームの写真をインスタグラムに投稿したせいでそのチャンスはフイになった

引用元:
(英語原著)Jamie Vardy: From Nowhere, My Story (2016) by Jamie Vardy; 12 ‘THE WHOLE TEAM IS CAESAR’
(日本語版)『人生はジャイアントキリング! ジェイミー・ヴァーディ自伝』(ジェイミー・ヴァーディ = 著、小林玲子 = 訳)、日本文芸社(2017/3);第12章(レスターのチーム全員が「シーザー」)より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

この例では、「hope(希望、ここではチャンスと訳されています)」が主語となっています。

なお、英文の「Andrej」という珍しい綴りはクロアチア代表のサッカー選手Andrej Kramaric(アンドレイ・クラマリッチ)のことです。

実例4(パターン1):Deadline at Dawn (1944)(邦題『暁の死線』、ウィリアム・アイリッシュ = 著)より

So I’ve followed him this far, he mused, and now I’ve lost him again. He’s gone up in smoke, here at the back of this drugstore, leaving behind an empty glass reeking of spirits of ammonia.
せっかくここまで辿って来たのに、相手はフッと消え失せた。薬屋の店の奥で、アンモニア精のプンプンにおう空っぽのグラスを残して、煙のように消えてしまった

引用元:
(英語原著)Deadline at Dawn (1944) by Cornell George Hopley-Woolrich (as William Irish); CHAPTER 6 2:57. Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(日本語版)『暁の死線』(ウィリアム・アイリッシュ = 著、砧 一郎 = 訳)、グーテンベルク21(2008/1);二時五五分、より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

この実例のように人を主語にすることもできます。犯人などが忽然と姿を消す場合などに使用されます。

実例5(パターン1):The Roswell Conspiracy (2012)(邦題『THE ROSWELL封印された異星人の遺言(上・下)』、ボイド・モリソン = 著)より

“I’m sorry, Fay,” Tyler said.
“I wish we could have done more,” Grant added.
“You boys did all you could. I would have gone up in smoke, too, if you hadn’t shown up when you did.
「大切な家を失って、辛いと思う」タイラーが慰めの言葉をかける。
「あのとき、なんとかできてれば……」
グラントも悔しそうにつぶやいた。
「あなたたちはよくやってくれたわ。二人がいなかったら、私は今頃、あの家と運命をともにしていたでしょう

引用元:
(英語原著)The Roswell Conspiracy (2012) by Boyd Morrison; QUEENSTOWN
(日本語版)『THE ROSWELL封印された異星人の遺言(上・下)』(ボイド・モリソン = 著、阿部清美 = 訳)、竹書房(2015/9);「クイーンズタウン」より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

これも人を主語にするパターンです。ここでは、煙のように消えて無くなるという比喩的な意味で使用しているのではなく、焼け落ちた家とともに自分も焼け死んで、実際に煙となっていたかもしれないことを表現しています。

次は、煙のように「跡形もなく、すっかり」消えてしまうことを強調するために、主語にallやwhole, entireなどの形容詞をつけるパターン2です。

パターン2:all (whole, entire) — go up in smoke

実例6(パターン2):Three Feet from Gold (2009)(邦題『金鉱まで残り3フィート』、シャロン・レクター/グレッグ・リード = 共著)より

All their hopes and dreams — all they had shared as kids and college students and young adults — had gone up in smoke. But at least Greg was pursuing his dreams, even though the business was hanging by a thread.
子どもの頃、大学時代、そして、若き日にふたりで分かちあった夢も希望もすべて泡と消えた。 でも、少なくともグレッグの方は夢を追い続けている。 たとえ会社がかろうじて生きのびているような状態だとしても。

引用元:
(英語原著)Three Feet from Gold (2009) by Sharon L. Lechter & Greg S. Reid with The Napoleon Hill Foundation; CHAPTER EIGHT
(日本語版)『金鉱まで残り3フィート』(シャロン・レクター/グレッグ・リード = 共著、渡邊美樹 = 監訳)、きこ書房(2011/4);第8章より引用。『金鉱まで残り3フィート』を改題・再編集した『人はなぜ、ゴール一メートル手前であきらめてしまうのか?』はKindle Unlimited会員であれば¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
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金持ち父さんシリーズの共著者として知られるシャロン・レクターの書籍からの引用です。
この例では、「hopes and dreams(希望と夢)」が主語になっていて、「all」でそれを強調しています。

なお、この英文に出てくる「 hang by a thread」という表現は直訳すると「糸1本でぶらさがっている」となるのですが、何が糸1本でぶらさがっているのかというと、なんとこの表現は「頭の上に剣が糸1本でぶらさがっている」状態に由来する表現で、とても危険な状態にあることを意味しています。とてもおもしろい表現で、洋書にも高い頻度で出現するので、近々このブログで特集しようと思います。

実例7(パターン2):The Devotion of Suspect X (2011)(日本語原著『容疑者Xの献身』、東野圭吾 = 著)より

Yasuko knew that if she made a misstep and the detectives saw through the deception, all of Ishigami’s hard work would go up in smoke.
ここで下手な対応をして嘘が見抜かれては、石神のせっかくの苦労が水の泡になるという思いが靖子にはあった。

引用元:
(英語版)The Devotion of Suspect X (2011) by Keigo Higashino, translation by Alexander O. Smith; Chapter Nineteen
(日本語原著)『容疑者Xの献身』(東野圭吾 = 著)、文藝春秋(2005/8);第19章より引用
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実例8(パターン2):Kafka on the Shore (2005)(日本語原著『海辺のカフカ(上・下)』、 村上春樹 = 著)より

“I burned up all my memories,” she says, deliberately choosing her words. “They went up in smoke and disappeared into the air. So I won’t be able to remember things for very long. All sorts of things — including my time with you. That’s why I wanted to see you and talk with you as soon as I could. While I can still remember.”
「私は記憶をぜんぶ燃やしてしまったの」と彼女はゆっくりことばを選びながら言う。
すべては煙になって空に消えてしまった。だからそんなに長くはいろんなことを覚えていられない。いろんなこと、すべてのこと。あなたとのことも含めて。だから少しでも早くあなたに会って話をしたかったの。私の心がまだいろんなことを覚えているうちに」

引用元:
(英語版)Kafka on the Shore (2005) by Haruki Murakami, translated from the Japanese by Philip Gabriel; Chapter 47
(日本語原著)『海辺のカフカ(上・下)』(村上春樹 = 著)、新潮社(2002/9);下巻・第47章より引用
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ここでは、「all my memories」を受けた「they」がgo up in smokeの主語となっています。

実例9(パターン2):The Romanov Cross (2013)(邦題『ロマノフの十字架(上・下)』、ロバート・マセロ = 著)より

When she hung up, he stood there in the communications tent for a few seconds, gathering his thoughts, watching as his entire career went up in smoke, until Sergeant Groves, covered with snow, came through the flaps.
無線電話を切ると、スレーターは通信用テントの中にしばらく立ちつくし、長年積み上げてきた自分のキャリアが煙のように消えうせた事実をあらためて噛みしめた。そこへ雪まみれのグローヴス軍曹がフラップをめくって入って来た。

引用元:
(英語原著)The Romanov Cross (2013) by Robert Masello; Part Three, Chapter 43
(日本語版)『ロマノフの十字架(上・下)』(ロバート・マセロ = 著、石田享 = 訳)、竹書房(2014/12);下巻・第三部、43(イコノスタス)より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

実例10(パターン2):THE TALISMAN (1985)(邦題『タリスマン(上・下)』、スティーヴン・キング、ピーター・ストラウブ = 著)より

“Is Jerry hurt?” Jack asked.
“Some kind of freak accident,” his father said.
Electricity — the whole building could’ve gone up in smoke.
“Is Jerry hurt?” Jack repeated.
“Poor son of a bitch got hurt so bad he’s dead,” said his father.
「ジェリーは怪我したの?」と、ジャックは訊いてみた。
「珍しい事故でな」と、父。「電気の事故だ — ビル全体が焼けてしまうところだった
「ジェリーは怪我したの?」ジャックはくり返した。
「かわいそうに、あいつは、怪我がひどすぎて死んでしまったんだよ」

引用元:
(英語原著)THE TALISMAN (1985) by Stephen King & Peter Straub; PART II: THE ROAD OF TRIALS, 11 The Death of Jerry Bledsoe
(日本語版)『タリスマン(上・下)』(スティーヴン・キング、ピーター・ストラウブ = 著、矢野浩三郎 = 訳)、新潮社(1987/7);上巻・第二部、第11章(ジェリー・ブレッドソーの死)より引用
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次は「in smoke」の替わりに「in a puff of smoke」を使用するパターン3です。

パターン3:go up in a puff of smoke

実例11(パターン3):Hero (The Secret) (2013)(邦題『ヒーロー:The Secret』 ロンダ・バーン = 著)より

Without having the skills to handle success, your dream would go up in a puff of smoke no sooner than it had arrived. So challenges and obstacles are preparation for our success.
成功した後、その成功をうまく扱う力がなければ、実現した夢はすぐに煙となって消えてしまいます。試練や障害は成功に向けた準備なのです。

引用元:
(英語原著)Hero (The Secret) (2013) by Rhonda Byrne; Part Three (The Quest)
(日本語版)『ヒーロー:The Secret』(ロンダ・バーン = 著、山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子 = 訳)、KADOKAWA(2015/2);第三部(探求)より引用

この例では、「dream(夢)」が主語となっています。既に記載したように「go up in smoke」と「go up in a puff of smoke」の間に意味の違いはありません。

最後は、goの替わりにbe動詞や他の一般動詞を使うパターン4です。

パターン4:be up in smoke, end up in smokeなど(goの替わりにbe動詞や他の一般動詞を使うもの)

実例12(パターン4):Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012)(邦題『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』、グレアム・ハンター = 著)より

The teenager limped off the field in unrestrained tears – his season and his team’s, was up in smoke.
十代の青年は足を引きずりながら、こらえきれない涙とともにピッチを去った──メッシとバルサのシーズンは、はかなく消えた

引用元:
(英語原著)Barca: The Making of the Greatest Team in the World (2012) by Graham Hunter; 12 – THE GREATEST
(日本語版)『FCバルセロナの語られざる内幕 サッカー史上最強クラブはこうして誕生した』(グレアム・ハンター = 著、松宮寿美 = 訳)、SBクリエイティブ(2012/11);第12章(最高の選手、リオネル・メッシ)より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験

この例では、「go」の替わりにbe動詞が使用されています。

unrestrained」は「抑制のきかない」、「抑えられない」という意味です。例えば、unrestrained spending(散財)、unrestrained laughter(こらえきれない笑い)のように使います。

実例13(パターン4):Newcomer (2018)(日本語原著『新参者』、東野圭吾 = 著)より

“Hey, Tamiko, are you still there?” Koji said.
“Oh … uh, yeah. Go on, what else did Kaga ask you?”
“That’s everything. He sort of popped up, asked a few questions, and then vanished in a puff of smoke. It was kind of creepy.”
“There’s no need to worry. He was probably just double-checking something.”
「もしもし、多美子、聞こえてる?」コウジが呼びかけてきた。
「あ、うん。大丈夫よ。ほかにはどんなことを訊かれたの?」
「質問は以上だよ。さっと現れて、さっと帰っていった。何だか気味が悪いよ」
「気にする必要はないんじゃないの。きっと何かの確認よ。」

引用元:
(英語版)Newcomer (2018) by Keigo Higashino, translated by Giles Murray; 6. THE FRIEND OF THE TRANSLATOR
(日本語原著)『新参者』(東野圭吾 = 著)、講談社(2009/9);第6章(翻訳家の友)より引用
(英語Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験

この例は、「go」の替わりに「vanish」を使っているパターン4の例であると同時に、「in smoke」の替わりに「in a puff of smoke」を使うパターン3の例でもあります。

また、「 Are you still there?」という表現にも注目してください。直訳すると「まだそこにいるの?」という意味ですが、これは電話で相手の反応がないときに使う表現で「聞いてるの?」という意味になります。

実例14(パターン4):Deadline at Dawn (1944)(邦題『暁の死線』、ウィリアム・アイリッシュ = 著)より

The time before all he’d had was a broken button and a characteristic — left-handedness — and he hadn’t even been sure of that. When he thought of the courage he’d had expecting to get anywhere last time — well, no wonder it had ended up in smoke.
前のときには、欠けたボタンが一つと、左利きという癖と、それだけしかなく、それさえ自信はなかった。だのに、とにかくなんとかやってみせる気になった向こう見ずの勇気を思うと──いや、まったく、結局雲をつかむような結末に終ったのも無理はない

引用元:
(英語原著)Deadline at Dawn (1944) by Cornell George Hopley-Woolrich (as William Irish); CHAPTER 10 4:19;Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(日本語版)『暁の死線』(ウィリアム・アイリッシュ = 著、砧 一郎 = 訳)、グーテンベルク21(2008/1);四時二〇分、より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/11確認)。(Kindle Unlimited 無料体験

この例では、「go」の替わりに「end up」が使用されていますね。

 

最後に、類似表現として紹介した「go up in flames」の実例を挙げておきます。

既に記載したように、「go up in flames」はgo up in smokeとは逆に実際に炎を出して燃えることを表現する場合の方が多く、比喩的に用いることはそれほど多くはないのですが、その両方の例を以下に示しておきます。

まずは、実際に炎に包まれること表現しているパターンです。

go up in flamesの実例1:Battle Royale (2003)(日本語原著『バトル・ロワイアル 』、 高見広春 = 著)より

To the left of the pickup, between the houses and the field, was a warehouse burnt to the ground. That must have been what Shogo had been referring to, the building that went up in flames in the late night explosion.
車の前方左手、民家と畑の間に、破壊され、黒こげになった倉庫みたいなものが見えた。あれは — 川田が言っていた、夜中に爆発音とともに燃え出した建物だろう。

引用元:
(英語版)Battle Royale (2003) by Koushun Takami, translated by Yuji Oniki; PART 4: FINISH
(日本語原著)『バトル・ロワイアル』(高見広春 = 著)、太田出版(1999/4);第4部(フィニッシュ)より引用

次は、「go up in flames」を比喩的に使用している実例です。

go up in flamesの実例2:Adventures of a Currency Trader (2007)(邦題『FXトレーダーの大冒険』、ロブ・ブッカー = 著)より

Suddenly, I felt dumber than ever. I was going to lose my trading account any moment now with plans like this. I could feel it. All the money I put in there was going to go up in flames. I needed to stop trading.
突然、自分が今までないほど間抜けに思えた。こんな調子で計画を立てていたら、僕の取引口座はすぐにでもなくなってしまう。目に見えるようだった。口座はすぐに火の車になり、そして僕はトレードをやめなくちゃいけなくなる。

引用元:
(英語原著)Adventures of a Currency Trader: A Fable about Trading, Courage, and Doing the Right Thing (2007) by ROB BOOKER; CHAPTER 11 Coming Clean
(日本語版)『FXトレーダーの大冒険:トレーディングの心理と知識と正しい行動を学ぶ』(ロブ・ブッカー = 著、ブラッドリー・フリード = 監修、スペンサー倫亜 = 訳)、パンローリング(2010/1);第11章(すべてを白状する) より引用

go up in smokeのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

go up in smoke

  • 由来:煙のように消えてなくなる様子から。
  • 意味:(煙のように)すっかり消えてなくなる、水泡に帰す、完全に失敗に終わる
  • 英語による定義:something disappears or fails completely (especially dream, hopes, plans, etc.)
  • 出現頻度:AA[高頻度: 高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:go up in smoke(基本形、最頻出パターン)
    パターン2:all (whole, entire) — go up in smoke
    パターン3:go up in a puff of smoke
    パターン4:be up in smoke, end up in smokeなど(goの替わりにbe動詞や他の一般動詞を使うもの)
  • 例文
    Due to the coronavirus pandemic, his dream of earning big money through his newly-established tourism company went up in smoke.
    (新しく設立した旅行会社を通して大金を稼ぐという彼の夢は、コロナウイルスの流行によって泡と消えた。)
    All of his forty years of hard work went up in smoke in just an hour.
    (彼の40年間に及ぶ勤勉な労働は、すべてわずか1時間で水泡に帰した。)
    His forty years of hard work went up in a puff of smoke in just an hour.
    (彼の40年間に及ぶ勤勉な労働がわずか1時間で水泡に帰した。)

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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