洋書に出てくる英語表現0006:cross paths【おすすめ英語フレーズ編6】

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「洋書に出てくる英語表現」の第6回は「cross paths」を取り上げます。

出現頻度がとても高く、古くは上皇后・美智子さまの愛読書として有名なジーブスシリーズの一冊『Very Good, Jeeves(邦題:でかした、ジーヴス! )』(1930年発行)内でも使用されている定番の英語表現です。

目次
  1. cross pathsの意味と由来
  2. cross pathsの英語による定義
  3. 洋書におけるcross pathsの出現頻度
  4. cross pathsの年代分布
  5. cross pathsの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):UNSTOPPABLE: MY LIFE SO FAR (2017)(邦題『マリア・シャラポワ自伝』、マリア・シャラポワ = 著)より
    2. 実例2(パターン1):Letters to a Young Gymnast (2004)(邦題『コマネチ 若きアスリートヘの手紙』、ナディア・コマネチ = 著)より
    3. 実例3(パターン1):Michael Owen: Off the Record (2004)(邦題『オーウェン』、マイクル・オーウェン = 著)より
    4. 実例4(パターン1):The Audacity of Hope: Thoughts on Reclaiming the American Dream (2006)(邦題『合衆国再生 – 大いなる希望を抱いて』、バラク・オバマ = 著)より
    5. 実例5(パターン1):THE DARK TOWER VI : Song of Susannah (2004)(邦題『ダーク・タワーVI:スザンナの歌(上・下)』、スティーヴン・キング = 著)より
    6. 実例6(パターン1):The Briefcase (2012)(日本語原著『センセイの鞄』、川上弘美 = 著)より
    7. 実例7(パターン2):Hard Choices: A Memoir (2014)(邦題『困難な選択(上・下)』、ヒラリー・ロダム・クリントン = 著)より
    8. 実例8(パターン2):Kokoro (2010) by Natsume Soseki(日本語原著『こころ』、夏目漱石 = 著)より
    9. 実例9(パターン3):1Q84 (2011)(日本語原著『1Q84』、 村上春樹 = 著)より
    10. 実例10(パターン3):What If This Is Heaven? (2016) (邦題『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』、アニータ・ムアジャーニ = 著)より
    11. 実例11(パターン3):Kiku’s Prayer (2013)(日本語原著『女の一生 1部(キクの場合)』、 遠藤周作 = 著)より
  7. cross pathsのまとめ

cross pathsの意味と由来

人と人が出会うときには、道と道(paths)が交差(cross)することから。

会おうとして会うのではなく、「偶然に(出)会う」ことを意味します。

日本語では、「出会う」、「出くわす」、「顔を合わせる」、「遭遇する」などと訳されます。たまたま会ったけれど特に言葉を交わさないような場合にも使用され、その場合は「すれ違う」などと訳されます。

cross pathsの英語による定義

to meet someone accidentally

洋書におけるcross pathsの出現頻度

AAA[超高頻度:極めて高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
(AAA[超頻出]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

cross pathsの年代分布

1930年 – 2019年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1930年発行の『Very Good, Jeeves(邦題:でかした、ジーヴス! )』で、最も新しい洋書は2019年発行の『Crucible(邦題:AIの魔女)』でした。

少なくとも1900年代初期から使用されていて、現在も高頻度に使用されている定番の英語表現と言えます。

cross pathsの出現パターン

cross pathsの出現パターンは主に以下の3つに分類することができます。

パターン1:people’s paths cross(pathsが主語になるもの)(最頻出パターン)
パターン2:(人) cross paths with (人)
パターン3:(人)and (人) cross paths、または主語の部分を代名詞で置き換えたもの

パターン1は、pathsが主語になるもので、最も出現頻度が高いパターンです。

パターン1:people’s paths cross(pathsが主語になるもの)(最頻出パターン)

例文6-1)

Tom and Mary ignored each other when their paths crossed at the party.

(トムとメアリーは、パーティーで偶然出くわした時に互いを無視した。)

パターン2は、例えばトムとメアリーが出会う場合にトムかメアリーのいずれか一方を主語とするパターンです。

パターン2:(人) cross paths with (人)

例文6-2)
Tom crossed paths with Mary at the party.

(トムは、そのパーティーでメアリーに出会った。)

パターン3は、例えばトムとメアリーが出会う場合にトムとメアリーの両方を主語とするパターンです。

パターン3:(人)and (人) cross paths、または主語の部分を代名詞で置き換えたもの

例文6-3)
Tom and Mary crossed paths at the party.

(トムとメアリーは、そのパーティーで出会った。)

洋書内の実例

 

それでは、実際に洋書内にみられるcross pathsの使用例を紹介していきます。

まずはpathsが主語になるパターン1から紹介します。

パターン1:people’s paths cross(pathsが主語になるもの)(最頻出パターン)

実例1(パターン1):UNSTOPPABLE: MY LIFE SO FAR (2017)(邦題『マリア・シャラポワ自伝』、マリア・シャラポワ = 著)より

How perfect. It was Navratilova who spotted me at that clinic in Moscow when I was seven years old. She picked me out, talked to my father, and sent us on our way to America. And now, a decade later, our paths had crossed again.
なんて完璧なのだろう。わたしが7歳のとき、モスクワのあのテニス・クリニックで目を留めてくれたのがナブラチロワだった。彼女はわたしを選び出し、父に話をして、わたしたちをアメリカに送ることになった。そして今、あれから10年後、ナブラチロワとわたしの道はふたたび交差した

引用元:
(英語原著)UNSTOPPABLE: MY LIFE SO FAR (2017) by MARIA SHARAPOVA; Chapter 11
(日本語版)『マリア・シャラポワ自伝』(マリア・シャラポワ = 著、金井真弓 = 訳)、文藝春秋(2018/6);第11章(17歳、ウィンブルドンで初優勝)より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験

Audible版はシャラポワさん本人が朗読しています。サンプルだけでも聴く価値アリです。

マリア・シャラポワは、4大大会シングルス通算5勝で、2012年ロンドンオリンピック女子シングルスで銀メダルを獲得したロシア出身の元女子プロテニス選手。モスクワのテニス・クリニックでマルチナ・ナブラチロワに才能を見出され、7歳の時に父とともに渡米しました。その10年後にウィンブルドンの会場でナブラチロワに再会するのですが、その時ナブラチロワは47歳でダブルスに出場していました。上記英文はその時のことを記載していて、二人の再会を「our paths had crossed again」と表現しています。

ナブラチロワは、チェコスロバキア出身で、4大大会シングルス通算18勝の元女子プロテニス選手。1975年にアメリカに亡命。

実例2(パターン1):Letters to a Young Gymnast (2004)(邦題『コマネチ 若きアスリートヘの手紙』、ナディア・コマネチ = 著)より

It’s important for a coach to help an athlete work harder and improve if that’s the ultimate goal. But in general, it’s also important to have someone in your life who will challenge you to be your best. Bela did that for me, and I feel fortunate that our paths crossed.
上達が最終目的ならば、選手がもっとハードな練習をし、もっと力をつけるべくコーチに助けてもらうことはたしかに大切だが、一般的にいえば、人生において、ベストを尽くすように自分を刺激してくれる人がいることも、やはり重要である。ベラは私にとってそんな存在だった。私たちの道が交わり、彼のもとで練習できたことは幸運だったと思う

引用元:
(英語原著)Letters to a Young Gymnast (2004) by Nadia Comaneci; The Disciplined Life
(日本語版)『コマネチ 若きアスリートヘの手紙』(ナディア・コマネチ = 著、鈴木淑美 = 訳)、青土社(2004/9);第4章(エリート選手の二四時間)より引用

コマネチは、1976年のモントリオールオリンピックで金メタルを3つ獲得し、1980年のモスクワオリンピックでも金メダルを2つ獲得したルーマニアの元女子体操選手ナディア・コマネチのこと。現役引退後の1989年にアメリカに亡命しました。

日本では、ビートたけしさんが長年にわたって「コマネチ!」というギャグを使っているため、コマネチさんの現役時代をリアルタイムでみていない世代の人たちにもとても有名ですね。ちなみにコマネチさんは、このビートたけしさんの「コマネチ!」のギャグを知っていて、テレビ番組での対談時には二人並んで「コマネチ!」のギャグを披露しています。また、ビートたけしさんはコマネチさんに、「コマネチ!」のギャグに関する肖像権の使用料として「200万円くらい払った」とコメントしています。

「ベラ」は、コマネチの才能を発掘して育て上げた名コーチのベラ・カロリー(Bela Karolyi)のことで、ベラさんはコマネチさんよりも早く1981年にアメリカに亡命しています。

この本『コマネチ 若きアスリートヘの手紙』には、コマネチやコーチのベラが亡命するに至った経緯や、亡命する際に射殺されるのを覚悟で国境を越えていく様子、さらには国境を越えた後に隣国の警察に保護されてルーマニアに強制送還されそうになった時のことなどが詳細に記載されていてとても興味深い内容となっています。

実例3(パターン1):Michael Owen: Off the Record (2004)(邦題『オーウェン』、マイクル・オーウェン = 著)より

I have nothing but good memories of Roy Evans. To this day, when I see him, I say, ‘All right, gaffer?’ He was my first, and I’ll probably always call him gaffer when our paths cross.
ロイ・エヴァンズに関する限り、想い出はいいことずくめだ。今でも会うと「やあ、ガファー[愛着を込めて監督を呼ぶときの定番表現]、元気?」と声をかける。ぼくにとっての初めての監督。今後も、見かけるたびに「ガファー」と呼ぶつもりだ

引用元:
(英語原著)Michael Owen: Off the Record (2004) by Michael Owen; 7 Proving a Point: 1998/99
(日本語版)『オーウェン』(マイクル・オーウェン = 著、東本貢司 = 訳)、PHP研究所(2006/6);第7章(名声の証明)より引用

元サッカー・イングランド代表のストライカー、マイケル・オーウェン氏はリヴァプールFCでプロ生活をスタートし、1997年にトップチームデビューを飾りましたが、その時の初めての監督がロイ・エヴァンズ(Roy Evans)でした。上記英文は、そのロイ・エヴァンズについて記載したものです。

実例4(パターン1):The Audacity of Hope: Thoughts on Reclaiming the American Dream (2006)(邦題『合衆国再生 – 大いなる希望を抱いて』、バラク・オバマ = 著)より

When our paths crossed during the campaign, I often had to suppress the rather uncharitable urge to either taunt him or wring his neck. Once, when we bumped into each other at an Indian Independence Day parade, I poked him in the chest while making a point, a bit of alpha-male behavior that I hadn’t engaged in since high school and which an observant news crew gamely captured; the moment was replayed in slow motion on TV that evening.
選挙運動でキーズ氏とたまたま出くわしたときには、あの男をなじりたい衝動や首を絞めたい衝動をたびたび抑えつけなければならなかった。いちど、インド独立記念日のパレードで鉢合わせになったとき、自分の主張を述べながらあの男の胸に指を突きつけたことがあった。高校時代以来ごぶさたしていた、いささか攻撃的な行動だ。観察力鋭い報道関係者がこの瞬間をしっかりとらえていた。その日の夜のニュースでその瞬間はスロー再生された。

引用元:
(英語原著)The Audacity of Hope: Thoughts on Reclaiming the American Dream (2006) by Barack Obama; Chapter 6 Faith
(日本語版)『合衆国再生 – 大いなる希望を抱いて』(バラク・オバマ = 著、棚橋 志行 = 訳)、ダイヤモンド社(2007/12);第6章(宗教問題)より引用
(英語原著Audible版)Audible版-要約版一冊無料!Audible無料体験);Audible版はオバマ氏本人が朗読しています。サンプルだけでも聴く価値アリです。

「alpha male」という表現にも注目です。「alpha male」というのは、元々は動物の群れの中で最も力を持った雄(サルでいえばボス猿)を表す生物学用語で日本語では「最優位雄」と訳されるのですが、それが「威張り散らして自分を誇示したがる企業やグループのリーダー」を意味する言葉として広く使用されるようになりました。

日本でも、古くは「九州男児」や「亭主関白」、新しいものでは「草食系男子」といったように男性をパターン分類した言葉が流行ることがありますが、この「alpha male」という表現もそのような表現の英語版だと考えられます。日本語の「ワンマンオーナー」や「パワハラ上司」、「お山の大将」と同じように権力を持った人を若干バカにした意味で使うことが多く、「草食系男子」の正反対の意味を持つ表現と考えられます。

実例5(パターン1):THE DARK TOWER VI : Song of Susannah (2004)(邦題『ダーク・タワーVI:スザンナの歌(上・下)』、スティーヴン・キング = 著)より

“I’ll pay you back if our paths cross,” Callahan told the unconscious maid. “Otherwise, just consider it your service to God.”
わたしたちの道がまた交わることがあれば、この借りは返す」キャラハンは意識を失っているメイドに言った。「さもなければ、神への寄付だと思ってくれ」

引用元:
(英語原著)THE DARK TOWER VI : Song of Susannah (2004) by Stephen King; 12th Stanza
(日本語版)『ダーク・タワーVI:スザンナの歌(上・下)』(スティーヴン・キング = 著、風間賢二 = 訳)、新潮社(2006/8);第十二スタンザ(ジェイクとキャラハン)より引用
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験

実例6(パターン1):The Briefcase (2012)(日本語原著『センセイの鞄』、川上弘美 = 著)より

The week after the next, our paths crossed at the tobacco shop in front of the station, but this time Sensei seemed to be in a hurry. All we did was nod at each other and then we parted.
その翌週に駅前のたばこ屋でちょっと顔をあわせたが、このときはセンセイのほうが急いでいる様子だった。会釈だけをして別れた。

引用元:
(英語版)The Briefcase (2012) by Hiromi Kawakami, translated by Allison Markin Powell; Lucky Chance
(日本語原著)『センセイの鞄』(川上弘美 = 著)、平凡社(2001/6);ラッキーチャンスより引用

「道と道が交わる」と聞くと、日本人的な感覚からするとちょっと大袈裟な感じがするので、実例1のシャラポワとナブラチロワのようなドラマチックな再会や出会いにしか使わないのかと思うかも知れませんが、全然そんなことはありません。その良い例がこの実例6で、「駅前のたばこ屋でちょっと顔をあわせる」というとてもフランクな場面の英訳に「our paths crossed」という表現が使われています。

続いて、二人が出会う場合にそのうちの一方の人を主語にするパターン2です。

パターン2:(人) cross paths with (人)

実例7(パターン2):Hard Choices: A Memoir (2014)(邦題『困難な選択(上・下)』、ヒラリー・ロダム・クリントン = 著)より

In April, President Obama had crossed paths with Chavez at the Summit of the Americas. At the time Chavez seemed delighted to shake President Obama’s hand, and he made a big show of presenting the President with a gift as a gesture of his goodwill. It turned out to be a book about U.S. imperialism and exploitation in Latin America — so not much of a gesture.
四月の米州首脳会議で、オバマ大統領はチャベスと遭遇する機会があった。チャベスはその時、喜んでオバマ大統領と握手し、大統領に友好の気持ちを示すためと装って大げさに贈り物を渡した。その贈り物は、中南米における米国の帝国主義と搾取に関する本だと判明した。つまり友好の気持ちなどなかった。

引用元:
(英語原著)Hard Choices (2014) by Hillary Rodham Clinton; 12. Latin America: Democrats and Demagogues
(日本語版)『困難な選択(上・下)』(ヒラリー・ロダム・クリントン = 著、日本経済新聞社 = 訳)、日本経済新聞出版社(2015/5);上巻・第12章(中南米 — 民主主義者と煽動政治家)より引用
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この文章で出てくる「Chavez」とは、ベネズエラの第53代大統領のHugo Chavez(ウゴ・チャベス)のこと。1995年から2013年3月5日に病死するまで大統領を務めました。

実例8(パターン2):Kokoro (2010) by Natsume Soseki(日本語原著『こころ』、夏目漱石 = 著)より

At length I put on my hat and went out. And now once again, on the road below the house, I crossed paths with Ojosan coming up. Quite innocent of all that had happened, she looked surprised to see me.
私はとうとう帽子を被って表へ出ました。そうしてまた坂の下でお嬢さんに行き合いました。何にも知らないお嬢さんは私を見て驚いたらしかったのです。

引用元:
(英語版)Kokoro (2010) by Natsume Soseki, English translation by Meredith McKinney; PART III SENSEI’S TESTAMENT, CHAPTER 99
(日本語原著)『こころ』(夏目漱石 = 著)、初出:「朝日新聞」1914(大正3)年4月20日〜8月11日;下「先生と遺書」、四十五より引用

友人Kを裏切って、奥さんを介してお嬢さんに結婚を申し込んだ「先生」(上の文章では「私」)は、居ても立っても居られなくなって表へ出ました。すると、坂の下でまだ何も知らないお嬢さんに会いました、というところが「I crossed paths with Ojosan」と表現されています。

ここでは、innocentにも注目して下さい。innocentと言えば「無実の」や「無邪気な」の意味で覚えている方が多いと思いますが、このように「何も知らない」という意味でも使われます。

次は、二人の人が出会う場合にその二人ともを主語とするパターン3です。

パターン3:(人)and (人) cross paths、または主語の部分を代名詞で置き換えたもの

実例9(パターン3):1Q84 (2011)(日本語原著『1Q84』、 村上春樹 = 著)より

“Aren’t you afraid, though?” Ayumi asked Aomame.
「でもさ、青豆さんは怖くないのかな?」

“Afraid of what?”
「たとえばどんなことが?」

“Don’t you see? You and he might never cross paths again. Of course, a chance meeting could occur, and I hope it happens. I really do, for your sake. But realistically speaking, you have to see there’s a huge possibility you’ll never be able to meet him again. And even if you do meet, he might already be married to somebody else.
「だってさ、その人にひょっとして永遠に巡り合えないかもしれないじゃない。もちろん偶然の再会みたいなのはあるかもしれない。そうなればいいと私も思う。ほんとにそう願うよ。でも現実問題として、再会できないまま終るという可能性だって、大いにあるわけでしょ。それにもし再会できたとしても、彼はもうほかの人と結婚してるかもしれない。

引用元:
(英語版)1Q84 (2011) by Haruki Murakami, translated from the Japanese by Jay Rubin (Books 1 and 2) and Philip Gabriel (Book 3); Book 1, Chapter 15
(日本語原著)『1Q84 book 1(4月-6月) 』(村上春樹 = 著)、新潮社(2009/5);第15章(青豆 気球に碇をつけるみたいにしっかりと)より引用
(英語Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験

「chance meeting」という表現にも注目して下さい。「chance meeting」とは、上の訳文の通り「偶然の再会」や「偶然の出会い」を意味する表現です。日本語で「偶然の再会」や「偶然の出会い」と聞くと「ドラマチックな出会い」を想像してしまいますが、cross pathsの場合と同様、ドラマチックな出会いにもそうでない出会いにも使われます。結局、cross pathsとほとんど同じ意味なのですが、英語では同じ表現の繰り返しを嫌いますので、このような形で様々な表現が出てきます。

実例10(パターン3):What If This Is Heaven? (2016) (邦題『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』、アニータ・ムアジャーニ = 著)より

As we chatted amicably and caught up on each other’s news, I was delighted we had crossed paths again.
おしゃべりを楽しみ、近況報告をし合いながら、私は偶然の再会を嬉しく思っていました

引用元:
(英語原著)What If This Is Heaven? : How Our Cultural Myths Prevent Us from Experiencing Heaven on Earth (2016) by Anita Moorjani; Chapter Four MYTH: I’M NOT OKAY, YOU’RE NOT OKAY
(日本語版)『もしここが天国だったら — あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる』(アニータ・ムアジャーニ = 著、奥野 節子 = 訳)、ナチュラルスピリット(2016/11);誤った社会通念4 — 自分には問題があり、あなたにも問題がある、より引用。Kindle Unlimited会員の方は¥0で読めます(2020/6/10確認)。(Kindle Unlimited 無料体験
(英語原著Audible版)Audible版-完全版一冊無料!Audible無料体験);Audible版は著者のアニータ・ムアジャーニさんが朗読しています。

実例11(パターン3):Kiku’s Prayer (2013)(日本語原著『女の一生 1部(キクの場合)』、 遠藤周作 = 著)より

Snotnose and Crybaby, now fifteen and sixteen years old and no longer either snotty or weepy, roomed together at a youth dormitory in the village, where from time to time they would plan out naughty nocturnal raids. Whenever Kiku became the topic of their conversations, they reviled her, calling her a snob because she darted looks of scorn at them whenever they crossed paths.
例の洟たれや泣きべすは — もちろん、彼等も十五、六歳になって、もう洟たれでも泣きべすでもなく、村の若者宿で同輩と合宿し、よからぬ夜這いの相談などをするようになっていたが、キクが話題になると必ず、
「きゃあぶっとる女子たい」
と悪口を言うのだった。それは路ですれちがってもキクが蔑むような眼で二人を見るからである

引用元:
(英語版)Kiku’s Prayer (2013) by Shusaku Endo, translated by Van C. Gessel; NAGASAKI
(日本語原著)『女の一生 1部(キクの場合)』(遠藤周作 = 著)、朝日新聞社(1982/1)、新潮社(1986/3);長崎、より引用

この引用文のように、「cross paths」は、特別会いたいとも思っていない人や特に親しくもない人に偶然出くわして特に言葉を交わさないような場合にも、「すれ違う」という意味で使われます。

ちなみに「きゃあぶっとる」の「きゃあぶる」とは長崎弁で「かっこつける」とか「可愛子ぶる」という意味だそうです。

cross pathsのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

cross paths

  • 由来:人と人が出会うときには、道と道(paths)が交差(cross)することから。
  • 意味:(偶然に)出会う、出くわす、顔を合わせる、遭遇する、すれ違う
  • 英語による定義:to meet someone accidentally
  • 出現頻度:AAA[超高頻度:極めて高い頻度で洋書に出てくる必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:people’s paths cross(pathsが主語になるもの)(最頻出パターン)
    パターン2:(人) cross paths with (人)
    パターン3:(人)and (人) cross paths、または主語の部分を代名詞で置き換えたもの
  • 例文
    Tom and Mary ignored each other when their paths crossed at the party. (トムとメアリーは、パーティーで偶然出くわした時に互いを無視した。)
    Tom crossed paths with Mary at the party. (トムは、そのパーティーでメアリーに出会った。)
    Tom and Mary crossed paths at the party. (トムとメアリーは、そのパーティーで出会った。)

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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