洋書に出てくる英語表現0001:neck and neck【おすすめ英語フレーズ編1】

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「洋書に出てくる英語表現」の第1回は「neck and neck」を取り上げます。

古くは1882年発行の『New Arabian Nights』(邦題『新アラビア夜話』、スティーヴンスン = 著)や1935年発行の『The Scandal of Father Brown』(邦題『ブラウン神父の醜聞』、G.K.チェスタートン = 著)から、新しいものでは2017年発行の『The Four』(邦題『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』、スコット・ギャロウェイ = 著)に至るまで、幅広く使用されている表現です。

目次
  1. neck and neckの意味と由来
  2. neck and neckの英語による定義
  3. 洋書におけるneck and neckの出現頻度
  4. neck and neckの年代分布
  5. neck and neckの出現パターン
  6. 洋書内の実例
    1. 実例1(パターン1):My Life (2004)(邦題『マイライフ:クリントンの回想』 ビル・クリントン = 著)より
    2. 実例2(パターン1):MY STORY SO FAR (2006)(邦題『悪童自伝 物語は始まったばかり』、ウェイン・ルーニー = 著)より
    3. 実例3(パターン1):HARRY POTTER and The Order of the Phoenix (2003)(邦題『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 J.K.ローリング = 著)より
    4. 実例4(パターン1):Agahta Christie: An autobiography (1977)(邦題『アガサ・クリスティー自伝』アガサ・クリスティー = 著)より
    5. 実例5(パターン2):FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013)(邦題『ウサイン・ボルト自伝』 ウサイン・ボルト = 著)より
    6. 実例6(パターン2):THE PATH TO POWER (1995)(邦題『サッチャー 私の半生』 マーガレット・サッチャー = 著)より
    7. 実例7(パターン2):Breaking Dawn (2008)(邦題『トワイライトIV 最終章』 ステファニー・メイヤー = 著)より
    8. 実例8(パターン3):The Eleventh Commandment (1998)(邦題『十一番目の戒律』ジェフリー・アーチャー = 著)より
    9. 実例9(パターン4):ALEX FERGUSON: My Autobiography (2013)(邦題『アレックス・ファーガソン自伝』 アレックス・ファーガソン =著より)
    10. 実例10(パターン4):Arsene Wenger: The Inside Story of Arsenal Under Wenger(邦題『アーセン・ヴェンゲル:アーセナルの真実』、ジョン・クロス = 著)より
  7. neck and neckのまとめ

neck and neckの意味と由来

neck and neckは競馬に由来する表現で、「首と首」の争いであることを表します。二頭の馬の差がごくわずかである場合には、上の画像のように「首と首(neck and neck)」が並んでいるように見えることからこの表現が生まれました。

競馬では、1位と2位の差を1馬身差とか2馬身差といった表現で表しますが、それと同様にneck and neckは「首と首」の差を表し、その表現が競馬以外にも広く使用されるようになりました。日本語では、「互角である」、「接戦である」、「肩を並べている」などと訳されます。

これと同様の表現が「win by a neck」で、首の差で勝つこと、つまり「僅差で勝つこと」を意味します。

 

neck and neckの英語による定義

neither of the two competitors in a contest win over the other

 

洋書におけるneck and neckの出現頻度

A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
(AAA[超頻出]、AA[高頻度]、A[中頻度]、B[低頻度]、C[まれ]の5段階で評価)

 

neck and neckの年代分布

1882年 – 2017年*
(*当ブログで調査した1813年以降の洋書約1000冊のなかで、当該英語表現の使用が確認された洋書の発行年の範囲)

当ブログで調査した1813年以降に発行された約1000冊の洋書のなかで、当該表現の使用が確認された最も古い洋書は、1882年発行の『New Arabian Nights(邦題:新アラビア夜話)』で、最も新しい洋書は2017年発行の『The Four: The Hidden DNA of Amazon, Apple, Facebook, and Google(邦題:the four GAFA 四騎士が創り変えた世界)』でした。

1800年代から現在に至るまで、幅広く使用されている定番表現で、用法もそれほど難しくはないことから、英会話にも使用しやすい英語表現と言えます。

 

neck and neckの出現パターン

neck and neckの画像2です

neck and neckの出現パターンは主に以下の4つに分類することができます。

パターン1:(人) and (人) are neck and neck(最頻出パターン)
パターン2:(人) is neck and neck with (人)
パターン3:run (battle, fight, finish etc.) neck and neck
パターン4:(物・事) is neck and neck between (人) and (人)

これらのパターンのうち、最も良く出てきて、なおかつ最も単純な出現パターンは、

パターン1:(人) and (人) are neck and neck

です。例えば、「ジョンとトムはそのコンテストで互角の争いを演じた」であれば、

例文1-1)
John and Tom were neck and neck in the contest.

となります。

また、メダルや優勝のタイトルといった争う対象を入れる場合は前置詞としてforを使います。例えば、「ジョンとトムはそのコンテストで金メダルをめぐって互角の争いを演じた」であれば、

例1-2)
John and Tom were neck and neck for the gold medal in the contest.

となります。

また、例文の「John and Tom」の部分が「They」や「We」といった代名詞になっているパターンもよくみられます。

例1-3)
We were neck and neck in the marathon.

2つ目のパターンは、

パターン2:(人) is neck and neck with (人)

です。上記の例文1-1)はこのパターンで表すと、次のように書き替えることができます。

例文1-4)
John was neck and neck with Tom in the contest.
(そのコンテストでジョンはトムと互角の争いを演じた)

さらに、be動詞ではなく、一般動詞とともに用いられるパターンも多くみられます(パターン3)。neck and neckとともに用いられる一般動詞としてはrunが圧倒的に多く、battleやfight、finishも使われることがあります。また、一般動詞とともに用いられる場合は、進行形で用いられることが多いのが特徴です。

例文1-5)
John is running neck and neck with Tom for the gold metal.
(今、ジョンは金メダルをめぐって、トムと互角の争いを演じている)

さらに、頻度としては低いのですが、次のようなパターンもあります。

パターン4:(物・事) is neck and neck between (人) and (人)

例えば、「そのコンテストはジョンとトムによる互角の争いだった」であれば、

例文1-6)
The contest was neck and neck between John and Tom

となります。

 

洋書内の実例

neck and neckの画像3

 

それでは、実際に洋書内にみられるneck and neckの使用例を紹介していきます。

 

まずは最頻出で、英会話にも最も使いやすいと思われるパターン1から紹介します。

パターン1:(人) and (人) are neck and neck(最頻出パターン)

実例1(パターン1):My Life (2004)(邦題『マイライフ:クリントンの回想』 ビル・クリントン = 著)より

As we celebrated her victory at the Grand Hyatt Hotel in New York City, Bush and Gore were neck and neck.
ニューヨーク市の〈グランドハイアット・ホテル〉で祝勝会を行なっている最中も、大統領選のほうは、激しいつばぜり合いが続いていた

引用元:
(英語原著)My Life (2004) by Bill Clinton; Chapter 55
(日本語版)『マイライフ:クリントンの回想』(ビル・クリントン = 著、楡井浩一 = 訳)、朝日新聞社(2004/9);下巻、第55章より引用
(英語原著Audible版)My Life – 要約一冊無料!Audible無料体験
Audible版はクリントンさん本人が朗読していてリスニングの練習に最適です。サンプルを聞くだけでも十分に価値のある内容となっています(Audible版は全文ではなく要約版)。

「were neck and neck」が「激しいつばぜり合いが続いていた」と訳されています。いかにもプロの翻訳家といった感じの訳文ですね。この「neck and neck」という表現は、このように選挙での接戦を表す際によく使われます。

実例2(パターン1):MY STORY SO FAR (2006)(邦題『悪童自伝 物語は始まったばかり』、ウェイン・ルーニー = 著)より

There had been a history between Man Utd and Arsenal. For about eight years they had been neck and neck, taking it in turns to win the Premiership title.
ユナイテッドとアーセナルの歴史の問題だったんだ。それまでの数年間、両チームはプレミアシップのタイトルを分け合う、ライバル同士だった

引用元:
(英語原著)MY STORY SO FAR (2006) by WAYNE ROONEY; Chapter 15 THE BOSS AND MAN UTD
(日本語版)『悪童自伝 物語は始まったばかり』(ウェイン・ルーニー = 著、西岡 明彦 = 監修、西竹 徹、田島 大 = 訳)、ランダムハウス講談社(2007/6);第15章(ボスとマンU)より引用

元イングランド代表のプロサッカー選手ウェイン・ルーニーの自伝からの引用です。実例1は選挙での争いでしたが、この「neck and neck」という表現は、この実例2のようにスポーツチーム同士の争いについて記載する場合にもよく使用されます。

実例3(パターン1):HARRY POTTER and The Order of the Phoenix (2003)(邦題『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 J.K.ローリング = 著)より

The Snitch skirted the foot of one of the goalhoops and scooted off towards the other side of the stands; its change of direction suited Malfoy, who was nearer; Harry pulled his Firebolt around, he and Malfoy were now neck and neck . . .
スニッチはゴールポストの一本の足元を回り込み、ピッチの反対側に向かって滑るように飛び出した。この方向変換はマルフォイに有利だ。マルフォイのほうがスニッチに近い。ハリーはファイアボルトを引いて向きを変えた。マルフォイと並んだ。抜きつ抜かれつ……。

引用元:
(英語原著)HARRY POTTER and The Order of the Phoenix (2003) by J.K. ROWLING; Chapter 19 The Lion and the Serpent
(日本語版)『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(J.K.ローリング = 著、松岡 佑子 = 訳)、静山社(2004/9);第19章(ライオンと蛇)より引用
(Audible版)Audible版 – 完全版一冊無料!Audible無料体験)、サンプル聴けます

But Harry, Ron and Hermione had turned automatically towards the giant hour-glasses set in niches along the wall behind them, which recorded the house-points. Gryffindor and Ravenclaw had been neck and neck in the lead that morning.
しかし、ハリー、ロン、ハーマイオニーは、背後の壁の窪みに設置されている、寮の点数を記録した巨大な砂時計のほうに、自然に目が行った。今朝までは、グリフィンドールとレイブンクローが接戦で一位を争っていた

引用元:
(英語原著)HARRY POTTER and The Order of the Phoenix (2003) by J.K. ROWLING; Chapter 28 Snape’s Worst Memory
(日本語版)『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(J.K.ローリング = 著、松岡 佑子 = 訳)、静山社(2004/9);第28章(スネイプの最悪の記憶)より引用
(英語原著Audible版)Audible版 – 完全版一冊無料!Audible無料体験)、サンプル聴けます

ハリー・ポッターシリーズの第5巻にあたる『HARRY POTTER and The Order of the Phoenix』からの引用です。このように第5巻では「neck and neck」が2回出現していますが、「neck and neck」は第1巻の「HARRY POTTER and the Philosopher’s Stone(ハリー・ポッターと賢者の石 )」でも使用されています。

実例4(パターン1):Agahta Christie: An autobiography (1977)(邦題『アガサ・クリスティー自伝』アガサ・クリスティー = 著)より

Humphrey and I ate solidly through the Christmas Dinner. He scored over me in oyster soup, but otherwise we were neck and neck.
ハンフリーとわたしはクリスマス・ディナーをがっちりたくましく食べた。彼はカキのスープではわたしより上手だったが、その他では肩を並べていた

引用元:
(英語原著)Agahta Christie: An autobiography (1977) by Agatha Christie; PART III GROWING UP
(日本語版)アガサ・クリスティー自伝〈上・下〉 (アガサ・クリスティー = 著、乾 信一郎 = 訳) 、早川書房(2004/10);上巻・第三部(成長する)より引用
(英語原著Audible版)Audible版 – 完全版一冊無料!Audible無料体験)、サンプル聴けます

アガサ・クリスティーが12、13歳頃の時に、ハンフリー・ワッツという21、22歳頃の青年と食べくらべの腕前を競うシーンからの引用です。カキのスープではハンフリーの方が勝っていたが、その他に関しては「neck and neck」、つまり「互角であった」と表現されていて、ここでは「肩を並べていた」と訳されています。「score over」は「~に勝っている」という意味です。

実例4まで見てきてお気づきの方もいらっしゃると思いますが、実例1こそアメリカ人のクリントンさんの著書からの引用ですが、実例2のウェイン・ルーニー、実例3のJ.K.ローリング、そしてこの実例4のアガサ・クリスティーはいずれもイギリス人です。そしてこの後紹介する実例もイギリス人によって書かれたものが多いです。

「neck and neck」という表現が競馬に由来する表現であること、そして「イギリスは近代競馬発祥の地」であることを考えると、この表現はアメリカでももちろん使用されるものの、イギリスでより多く使用される傾向があると考えられます。

 

続いて、パターン2を紹介します。

パターン2:(人) is neck and neck with (人)

実例5(パターン2):FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013)(邦題『ウサイン・ボルト自伝』 ウサイン・ボルト = 著)より

One time, I remember running the 400 metres final during an inter-schools meet and for a while I was neck and neck with the fastest other kid in the lanes.
ある学校対抗レースでのこと、俺は400メートルに出ていて、他の学校のいちばん速い奴としばらくの間、並走する形になった

引用元:
(英語原著)FASTER THAN LIGHTNING: MY AUTOBIOGRAPHY (2013) by USAIN BOLT with Matt Allen;CHAPTER THREE My Own Worst Enemy
(日本語版)『ウサイン・ボルト自伝』(ウサイン・ボルト = 著、生島淳 = 訳)、集英社インターナショナル(2015/5);第3章(最大の敵は俺自身だ)より引用

この「neck and neck」という表現はアメリカよりもイギリスでよく使用されると書いた矢先にジャマイカ出身のウサイン・ボルト氏の自伝を紹介することになってしまいました(笑)。さすがにジャマイカ出身のボルト氏の自伝とイギリスは何の関係もないよなぁと思いつつよく考えてみると、この本を出版しているのがハーパーコリンズというイギリスの会社でした。

また、スポーツ選手やミュージシャンなどの本によくあるのですが、この本はボルト氏本人に加えてマット・アレンという方が執筆を手伝うような形になっています。そのマット・アレンという方がイギリス出身の方なんじゃないかなぁと想像したりします。

また、ボルト氏はイギリスのサッカーチームのマンチェスター・ユナイテッドの大ファンとしても有名ですので、ボルト氏自身もアメリカ英語よりイギリス英語になじみがあるのかも知れませんね。

それと、みなさんもボルト氏のレースをオリンピックなどで見たことがあると思いますが、最後の方はぶっちぎりで勝つけれども、レース前半~中盤は、まさに「肩を並べている」時間帯が長いのが特徴ですよね。そういったレース展開を想像してみると、この「neck and neck」はぴったりの表現だということが分かりますね。

実例6(パターン2):THE PATH TO POWER (1995)(邦題『サッチャー 私の半生』 マーガレット・サッチャー = 著)より

Airey’s and Bill’s final canvass returns suggested that I was neck and neck with Ted, with the third candidate, the gallant and traditionalist Hugh Fraser, picking up a few right-wing misogynist votes.
エアリーとビルによる最終面接調査では、私とテッドの票はまったくの互角であるという結果が出た。そして第三の候補である勇敢な伝統主義者ヒュー・フレイザーが右派の女嫌いの人々からわずかな支持をとりつけていた。

引用元:
(英語原著)THE PATH TO POWER (1995) by Margaret Thatcher; PART ONE: Chapter VIII: Seizing the Moment
(日本語版)『サッチャー 私の半生〈上・下〉』(マーガレット・サッチャー = 著、石塚 雅彦 = 訳)、日本経済新聞社 (1995/8);上巻、第8章(チャンスを手にして)より引用

再び、選挙に関連する文章です。このように「neck and neck」という表現は選挙とスポーツという、一見あまり関係のなさそうな2つのジャンルで良く出てきます。

もちろん、マーガレット・サッチャーさんは、イギリスの元首相で、イギリスの出身です。

実例7(パターン2):Breaking Dawn (2008)(邦題『トワイライトIV 最終章』 ステファニー・メイヤー = 著)より

I was pleased by how often my face — both of my faces, hideous human and glorious immortal — cropped up in her unconscious thoughts. More than Edward or Rosalie. I was neck and neck with Jacob; I tried not to let that get to me.
あたしの顔が — 人間のころの憔悴しきった顔と神々しい不滅の者の顔 — レネズミの夢にひんばんに登場することがうれしかった。エドワードやロザリーより多い。ジェイコブとはいい勝負……そこでカッとならないように気をつける。

引用元:
(英語原著)Breaking Dawn (2008) by Stephenie Meyer; BOOK THREE: BELLA; 23. Memories
(日本語版)『トワイライトIV 最終章』(ステファニー・メイヤー = 著、小原亜美 = 訳)、ヴィレッジブックス(2010/4);第5章(記憶)より引用

トワイライトシリーズの著者のステファニー・メイヤーさんは生まれも育ちもアメリカですが、大学の時に英文学を学んでいたそうです。

 

続いてbe動詞の替わりに他の一般動詞を用いるパターン3です。

パターン3:run (battle, fight, finish etc.) neck and neck

実例8(パターン3):The Eleventh Commandment (1998)(邦題『十一番目の戒律』ジェフリー・アーチャー = 著)より

‘The opinion polls show that the two leading candidates, Prime Minister Grigory Chernopov and Communist Party leader Victor Zerimski, are now running neck and neck.
「世論調査は二人の有力候補、グリゴーリ・チェルポノフ首相とヴィクトル・ゼリムスキー共産党党首の勢いが伯仲していることを示しています。

引用元:
(英語原著)The Eleventh Commandment (1998) by Jeffrey Archer; Chapter 15
(日本語版)『十一番目の戒律』(ジェフリー・アーチャー = 著、永井淳 = 訳)、新潮社(1999/2);第15章より引用

Zerimski is currently running neck and neck with Prime Minister Chernopov in the opinion polls, but many observers feel that today’s incident will give a boost to his popularity in the final run-up to the election.
世論調査では目下ゼリムスキーがチェルポノフ首相と互角に戦っていますが、多くの観測者たちは今日の事件が選挙戦の最終段階で彼の人気を一挙に押しあげるだろうと見ています。

引用元:
(英語原著)The Eleventh Commandment (1998) by Jeffrey Archer; Chapter 17
(日本語版)『十一番目の戒律』(ジェフリー・アーチャー = 著、永井淳 = 訳)、新潮社(1999/2);第17章より引用

このように「neck and neck」は小説の中でも選挙に関連する文章で使われています。この本の著者であるジェフリー・アーチャー氏もイギリスの作家で、元政治家でもあります。

最後のパターン4です。このパターンで出てくることはあまりないのですが、こういう使い方もあるんだなぁくらいに頭の片隅に入れておくとよいと思います。

 

パターン4:(物・事) is neck and neck between (人) and (人)

実例9(パターン4):ALEX FERGUSON: My Autobiography (2013)(邦題『アレックス・ファーガソン自伝』 アレックス・ファーガソン =著より)

By the time my turn came, the wine would have infused me with an exaggerated sense of my own crooning abilities. It would be neck and neck between me and Frank Sinatra. There would be no doubt in my mind that I could treat my audience to a fine rendition of ‘Moon River’.
順番がくる頃、すっかり酔いが回った私は、自分が甘い美声の持ち主だと信じ込んでいた。フランク・シナトラにだって引けを取らない。私の見事な「ムーン・リバー」は、聴衆の心をとろかすだろう。

引用元:
(英語原著)ALEX FERGUSON: My Autobiography (2013) by Alex Ferguson; 2. Glasgow Roots
(日本語版)『アレックス・ファーガソン自伝』(アレックス・ファーガソン =著、小林玲子 = 訳)、日本文芸社(2014/5);第2章(私の原点 — グラスゴー)より引用
(英語原著Audible版)Audible – 完全版一冊無料!Audible無料体験)、サンプル聴けます

イギリスの名門サッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッドFCの監督を27年間務めたサー・アレックス・ファーガソンの自伝からの引用です。アレックス・ファーガソンが友人達を自宅に呼んで、交代で歌声を披露するシーンからの引用です。

美声は私とフランク・シナトラとの間で「neck and neck」だと表現されていて、ここでは「フランク・シナトラにだって引けを取らない」と訳されていますね。プロの翻訳家らしい見事な訳文ですね。

ちなみに、ファーガソン氏はスコットランド出身です。

実例10(パターン4):Arsene Wenger: The Inside Story of Arsenal Under Wenger(邦題『アーセン・ヴェンゲル:アーセナルの真実』、ジョン・クロス = 著)より

After the match, Wenger was as angry, frustrated and downbeat – in the tunnel, on the coach home and over the next few days – as some regular observers had ever seen him. And, in fact, some believe it is still the angriest he has ever been. The reason is simple: United gained momentum from that victory in a title race that was neck and neck between the two clubs.
試合後、ヴェンゲルは周囲がかつて見たことがないほど怒り、悔しがり、落ち込んでいた。選手通路でも帰りのバスでも怒りは収まらず数日のあいだ燻り続けた。ヴェンゲルの人生最大の怒りだと言われることもあるほどだ。理由は簡単だ。それまで互角のタイトル争いを繰りひろげていたユナイテッドに、あの勝利が勢いを与えてしまったからだ。

引用元:
(英語原著)Arsene Wenger: The Inside Story of Arsenal Under Wenger by John Cross;Simon & Schuster UK (2015/9); CHAPTER 3 ADOPTED ENGLISHMAN
(日本語版)『アーセン・ヴェンゲル:アーセナルの真実』(ジョン・クロス = 著、岩崎晋也 = 訳)、東洋館出版社(2016/10);第3章(帰化英国人)より引用

この実例は、パターン4の使い方として非常に分かりやすい文章だと思います。タイトル争いがneck and neckの主語となっていて、そのタイトル争いが「neck and neck between the two clubs」、つまり2つのクラブの間で互角であった、と表現されています。

サッカーに明るくない方のために補足しておくと、この文章の「Wenger(ヴェンゲル)」とは、1996年から2018年まで22年間にわたって英プレミアリーグの名門アーセナルFCの監督を務めたArsene Wenger(アーセン・ヴェンゲル)氏のことです。

2003-04シーズンには、シーズン無敗優勝という快挙を成し遂げたことから、この年のアーセナルには「the Invincibles(インヴィンシブルズ)」というニックネームが付けられています。invincibleは「無敵の」という意味の形容詞で、「the Invincibles」で「無敵の男たち」という意味になります。昔、受験英語でならった「the + 形容詞 = 名詞」(例:the rich = 金持ち[の人])のパターンで、さらにそれを複数形にしています。

1995年から1996年には、日本の名古屋グランパスの監督も務めていたことから、日本での人気も高く、サッカー日本代表の監督候補としてこれまで何度も名前が上がってきました。

neck and neckのまとめ

それでは、最後に以上の内容をまとめておきます。

neck and neck

neck and neckのイメージ画像1です。

  • 由来:競馬において二頭の馬の差がごくわずかである場合には、首と首(neck and neck)が並んでいるように見えることから。
  • 意味:互角である、接戦である、肩を並べている
  • 英語による定義:neither of the two competitors in a contest win over the other
  • 出現頻度:A[中頻度:高めの頻度で洋書に出てくる準必須の英語表現]
  • 出現パターン
    パターン1:(人) and (人) are neck and neck(最頻出パターン)
    パターン2:(人) is neck and neck with (人)
    パターン3:run (battle, fight, finish etc.) neck and neck
    パターン4:(物・事) is neck and neck between (人) and (人)
  • 例文
    Hillary Clinton and Donald Trump were neck and neck in the election.
    (ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプは、その選挙で接戦であった。)
    John was neck and neck with other runners until the very end, so he wasn’t sure whether he had won or not.
    (ジョンは最後の最後まで他の走者と併走していたため、自分が勝ったのかどうか自信がありませんでした。)

今回は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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